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第三十ニ話 エンディル村

本編をお楽しみください

 レイン伯爵に面会し一日だけ休んだライたちは翌日には早速エンディル村へと向かっていた。約束どおり今回はライの部隊だけで向かっている。


 本来ならエンリデンヌからの戦い続きなのでしっかりと休ませたいことも考えていた。ライにはどうしてもあそこの砦にいる気になれない。


 ティア達もそのことについては聞いてきたがまだ説明をしていなかった。砦内ではいつ話を聴かれるか分からない為だ。


 しかし、砦から離れ昨日襲撃を受けたあたりに来るとティアが話しかけてくる。


 「ねぇライ。そろそろ理由を話してくれていいでしょ?」


 「そろそろいいか。ティア達はレイル伯の会話にいくつか疑問を持たなかったか?」


 「疑問といわれても、料理とか用意してくれたしいい人だとは思ったんだけど」


 「んー、俺も一応はそう思ったぜ?特に怪しいところはなかったけどなぁ。どちらかというとライに違和感は感じてたけどな」


 「(フルフル)」


 全員が違和感を感じていなかったらしい。でもしょうがないかとも思う。そういうのを考えるのが軍師である自分の仕事であり、また誰よりも腹黒いから気づけたのだろう。


 「レイル伯ってエンディル村の説明をしていたとき相手の兵数を村人全員って言ってただろ?」


 「確かにそういってたけど」


 「馬車で逃げてきていた人たちの報告では市民が逃げ出すための馬車まで用意したって言うのにそのことを話さず全員っていうのはおかしいだろ」


 「あ」


 ティアはようやく気がついたのか驚いた顔をしている。


 「あと、水帝の宝玉に異常な興味を見せていたんだよ」


 「でもそれは普通じゃねえのか?誰でもあんな能力を見たら興味持つだろうよ」


 「そこだよ。能力を見たらそうだろうけど、レイル伯は能力を見たはずない。なのに水帝の宝玉という単語に強く興味を示し、しかもグリム伯が持っていたとは何も言っていなかったんだ。怪しくないか?」


 「偶然ということはあると思うぜ」


 「偶然ならいい。けどそれがもし故意だったら困るんだよ、だから用心として俺らの兵だけで出兵したってわけ。……って言っている間にお客さんが来たようだ」


 そういって、行軍しているとエンディル村方面に続く道を数十人の軽装をした人間が立ちふさがった。


 それを見て周りの兵士やティア、リエル、ラッシュたちも戦闘体勢に移るがライが右手を横に出して精する。


 「どうして止めるの!」


 「落ち着けって。もし相手に交戦の意志があったら昨日みたいに弓矢で攻撃してくるはずだよ。それに、昨日負けた相手に真っ向勝負挑むなんておかしいだろ?」


 「んー……そっか、なら皆武器下ろしてー」


 ティアが納得して後ろの声をかけると全員が剣を下にやる。


 「相手が攻撃してきたらすぐに反撃するからそのつもりでいてね。弓矢ならライが防いでくれるから怖くないよー」


 ティアが最後の言葉を付け加えたのは戦闘停止を指示したライに不信感を持たせないため。相手から攻撃されて反撃するということは、最初の一撃は誰かが無条件で死ぬことになる。


 そしてその場合一番怖いのが弓矢だ。捕らえ方によっては死ねといわれてるに等しい。


 でもそれを防ぐことができるライがいるのだったら話は別だ。兵士たちは歩兵だけに警戒していればいいので生存率が上がる。


 ライの部隊が戦闘体勢を解くと相手もこちらに戦闘をすぐにすることはないと分かったのか、空気が緩やかなものとなる。


 その時前方の集団からフードを着た小柄な人物が前に出てきた。周りの屈強な男達の中にいるには釣り合わないように見える。だがどうやら位は高いのか敵兵士達は全員が道を開けいつでも攻撃されたら守れるように動くそぶりを見せていた。


 前に出てきたフード付きの人物が声を張り上げる。


 「こちらはエンディル村の代表です!あなたたちはローレンス砦から来たと思われます。一体何が目的でエンディル村に来たのですか!」


 聞こえてきた声は高くどうやら女らしい。


 そんなことを考えながらライは返事をするために前に出て返事を返す。


 「俺の名はライ・ジュリアール、階級は軍師!エンディル村にはレイン伯爵に助力を請われ鎮圧の命を受けてやってきた!」

  

 この叫びを聞いて相手は殺気を放ってきて強く警戒心を放ってくる。


 ライは話を続けた。

 

 「だが、俺が忠誠を立てるのは国王にだ!この反乱と聞いている内容にも解決しなければならない!」


 「なら実力行使で攻めにでもやってきたというのですか!」


 「違う!」


 即答で否定されたことにより殺気を放っていた空気が動揺した空気に変わっていた。それは敵だけに限らず味方の兵士達にも当てはまる。


 「実力行使は最終手段!だけど俺らも争いたくてしょうがない狂人ではない!温和に解決したいのが本音だ。だから俺は話し合いの場を設けることを提案する!」


 「そ、それはローレンス伯爵の名代としての言葉と受け取っていいのですか!」


 「違う!これはフェレス王国、 伯爵であり軍師であるライ・ジュリアールの言葉だ!心配ならここで宣言しよう、もし話し合いで決定的にローレンス伯に非があるなら全力で解決することを!」


 「なっ!貴方はその兵力でローレンス伯に刃を向ける覚悟があるというのですか!」

 

 「ある!」


 しっかりと言い切ったライを見ているらしいフードを被った女?は本当に小さな声で何かを呟いていた。もちろん聞こえていなかったがフード下に見える口元は


 《変わってないんですね》


 こう動いたように見えたのだった。


 「?」


 見間違えた可能性もあるが、いつかあったことがあるのだろうか。


 少し疑問に感じたがすぐに考えは吹き飛ぶ。相手からの指示があったからだ。


 「分かりました!その提案をこちらは受けますが条件をつけさせてください!エンディル村に入る人数は最高十人でお願いします!」


 「はぁ!?」


 ラッシュが信じられないというような声を上げる。相手の条件は用は二千ほどの兵力の中に十人で来いといっているようなものなのだから。


 「そうでもしないと宝玉達の所有者には勝てません!」


 「!?」


 ライはここで初めてあのフードの人物の戦慄する。彼女は宝玉ではなく達と複数をさす言葉を使った。

そのことになぜ知っているのか興味を持つと同時に、どれだけの情報網を持っていると驚く。


 ライは返事を返す。


 「こちらから行くのは主要メンバー三人と兵士六人だ!安全を保障してくれるなら条件を飲もう!」


 「もちろん安全は保障します!もし危害が加えられることがあったらその時は私を煮るなり焼くなり好きにしてくれてかまいません!」


 ここまで言い切る相手にもっとライは興味を持つ。


 それほど頭が回る人物がどうして反乱軍を指揮しているのか、その理由について聞いてみたいと思う。


 今回村に向かうのは軍師であるライを筆頭に副官であるティア、護衛にリエル。その他戦闘に優れたもの五人と偵察を得意としたもの二人の計十人だ。


 ラッシュには今回万が一があったときに動いてもらえるように留守番をしてもらう事とした。


 エンディル村側が仕掛けることに対してはもちろん、レイン伯爵が来た場合の妨害をかねての人選だ。


 部隊から離れた十人がフードを被った相手に歩いていくと、敵は敵意を放ちながらも攻撃をしようとはせずに素直に先導を開始した。フードを被った相手は、こちらが決して攻撃してこないと分かっているのか無謀に背をさらし前を歩いている。


 相手の出方が分からないライは本当になぜこの人たちが反旗を翻したのか謎が深まるばかりであった。



 案内されたライ達はエンディル村に到着するとまず村の中で一番大きな家へと案内される。


 家に入るまでにエンディル村の全容を見ることができた。


 町の中の様子は正直違和感がありすぎる。兵士と思われる半分はしっかりとした装備を着ているのに対し、もう半分は軽装どころか手に槍に見立てたくわを持っている人物もいる。



 ライたちが現れた途端に敵意をむき出しにした視線をこちらに放ってきている。とてもこれから話し合いをするような雰囲気ではないが、フードを着ている人物の統率力があってか襲い掛かってくる人物は誰もいない。


 家に案内されたライ、ティア、リエルは席に座ることにする。他の六人には襲い掛かれた時のために立って警護にあたってもらった。


 あのフードの人物が仕掛けてくることに対しての備えではなく村にいる兵士たちの暴走で襲われた場合の備えだ。


 「ここで待っててください。こちらの代表者もつれてくるので」


 そういってフードの人物はいなくなった。


 この家には現在ライ達しかいなくなったところで、ティアが話しかけてくる。


 「この後どうなると思う?」


 「普通に責任者が出てくるだけだと思うけど」


 「そうなんだけど、もし昨日戦った相手なら話し合いになるのかな」


 「なるでしょ。もしならなくてもならないなりに対応はするよ」


 「できれば私としてはなるようにと考えているのですが」


 と、ここでライ達の話を聞いていたのか一人の女性が目の前に出てきた。


 女性にしては長身で、髪は金髪で長く現在服装はゆったりとした服をきていた。そのためか女性としての象徴ともいえる二つのふくらみが主張していて、思わずライは見てしまったが両隣にいた二人に足を踏まれてすぐに、意識を切り替える。


 ここに現れたということは、主要人物であることには間違いない。


 「あなたはここの責任者ですか?」


 反乱軍相手というのにライは丁寧に応対すると、対する女性は苦笑しつつも返事を返してきた。


 「責任者といいますか、私自身としては責任者のつもりはないんですけど」


 要領の得ない返事をされて困惑すると後ろから先ほどフードを被った人物が女性の補足をするようにいってくる。


 「この集団の統率者は私です。でもこの集団の代表者は彼女ですよ」


 「そうですか、ならさっそく自己紹介させてもらいます。俺の名前はライ・ジュリアールと申します」


 「私の名前はティアリスです」


 「……」


 無言でいるリエルの代わりにライが説明する。


 「そこにいる銀色の髪の子がリエルです。無口なのは性格なので勘弁してやってください」


 「気にしていませんよ」


 そういって微笑んでいた。


 「では次は私の紹介ですからね。ローレンス砦から来たのならご存知かもしれませんが、私の名前はリューミルと申します」


 目の前にいる女性リューミルが自己紹介するとティアが驚いたように質問していた。


 「リューミルって、確かローレンス伯爵の令嬢の一人だったような」


 「はい、そのリューミルで間違いありません」


 リューミルは隠そうともせずに淡々と答える。


 ライはそんなリューミルに質問する。


 「私たちは貴方がどこかに出かけていると聞いていました。ですが、ここにいるとは聞いていません。これはあなた自身の意志ですか?それともローレンス伯の命令?」


 「これは私の意志です。話し合う前に私がなぜここにいるか気になりますよね。ですから最初に私の説明を聞いていただけませんか?あ、それと堅苦しい口調じゃなくて普通の口調でしゃべっていただいてもよろしいですよ?」


 「わかった、なら最初に説明していほしい」


 「はい」


 そうしてリミュールは説明を始める。


 説明をまとめるとこうだ。

 

 以前グリム伯爵からローレンス伯爵の砦に使者が来たと。そして、父親であるレイン伯爵はその話に乗り気であった。


 でもリューミルとしては決して許容できる話ではない。王国に反逆をするということはそこの領地に属している村も巻き込まれるのだ。しかも、何か侵略や自衛のためならば仕方がないとしても、こちらから無意味に攻撃するのはとてもおかしいと思えた。


 なのでリューミルは砦から抜け出してエンディル村に向かったらしい。


 そうしたらレイン伯爵はリューミルを取り戻そうとするが、近くにいた部隊フードを来た少女の部隊と出会って助けてもらった。


 するとレイン伯爵は兵士を五百ほどエンディル村に差し向けて力ずくで奪い返そうとしたのだ。結果はエンディル村側の勝利で終わるが、伯爵と村の言い分で発言力はどちらが高いといえばそれは伯爵のほうが高い。


 結果、エンディル村は反旗を翻したとして反逆者とみられ対するエンディル村はいつ攻めてくるかわからないために、警備を固めたのだ。


 もちろん戦火を嫌う住民もいたために馬車をリューミルが用意し逃がしもした。だから馬車の人たちは相談に乗ったライたちにリューミルを助けてくれと言っていたのだ。


 「以上がことの顛末です」


 「そちらの状況はわかりました」


 ライは状況を把握したと返事をする。


 レイン伯爵の言葉よりは筋が通っていると思ったからだ。それに、もしこちらをだまそうと思うならば自分がレイン伯爵の娘だと公言しなくてもいい。


 「ではそのことを含めてこちらから要求をしてもいいか?」


 「はい」


 「こちらの要求は反乱の原因を解決すること」


 「……それは力ずくでという意味でしょうか」


 「端的に言えばそうですが誤解をしないでほしい。俺は話を聞いて原因はレイン伯爵にあると感じた。だからレイン伯爵に対して説得または拘束をさせてもらう」


 この言葉を聞いて、リューミルは驚いた顔をしていた。


 「よろしいのですか?」


 「もちろん、それにグリム伯の誘いを受けたのなら反逆をしたも当然見過ごせない」


 「できれば穏便に済ませたいのですが」


 「それはあちらの対応次第。そっちのフードの人もそれでいいか?」


 ずっと成り行きを見守っていたフードの女は床をうつむいたような仕草を見せたが、一度だけ頭を縦に振り頷いた。


 「ならこれから俺らは村の手前で陣を取る。一応鎮圧のために来たというのだから中に駐屯したらすぐにばれるしな」


 それにリューミルとフードの女は頷く。


 「よし、一応の方針は決まったとして……リューミル嬢少し聞きたいことがある」


 「リューミルで結構ですよ。それで一体どのような要件でしょうか?」


 「あなたはもしかして丸い水晶のような宝玉を持たれているのではないですか?」


 ライが質問をすると今まで笑みを浮かべていたリューミルは突如警戒心を露わにした。ライが宝玉目的で近寄ってきたと思ったからだ。


 でもライは相手の警戒心を解くためにいう。


 「別にあるかを聞きたかっただけだ。目的の一つとして関係あるけど無理やりするつもりはない。こちらを信頼できると思ったら話してほしいかな」


 「……」


 とりあえず、すぐにどうこうしようという気はないことが確認できたので警戒を少しだけ緩めるリューミル。しかし、次は困ったような表情を浮かべながらも返事を返す。


 「わかりました。その時には」


 「頼む。なら一度俺らは戻るよ」


 そういってライが立つとティアとリエルが立ち上がる。


 そして家を出ようとしたときに、一人の人物に裾を引っ張られた。


 引っ張られた方向を見るとそこにはフードの女が立っていて顔を近づけてこういってきた。


 「見てくださいね」


 それだけを伝えて何かの紙をライに私すぐにリューミルのもとに去って行った。


 家を出たライは渡された紙を見るとそこにはこう書かれていた。


 (夜に一人でこの家に来てください)


 と条文に書いてあった。


 内容を見てすぐに紙をしまう。


 ティアとリエルに気づかれないようにだ。


 ティアとリエルもフードの女が話しかけてきたことは気にしていた。


 「あのフードの人、何を聞いてきたの?」


 「?」


 でもこの二人の反応を見ると幸い紙を渡したことを見られてはいなかったようだ。


 「これからの打ち合わせを後日するからと言われただけだよ」



 そういって二人には誤魔化す。


 誤魔化した理由としてはいくつかあったが、紙に書かれた最後の文章がとても気になったからだ。


 最後に書かれていた文章それは



 《孤児院の者より》


 ライたちが昔いた孤児院ことを指す言葉が載っていたからであったのだ。

 


 

すみません、今日はこれから用事があり隣にいる友人も待たせている形になってしまっているので少ししか書けません。下手したら今日帰ってこれない可能性もあるために、急ぎ本編を作ったところです。

ですので最後のほうが締まらない終わり方になっているような気がしましたが、後日修正をするかもしれませんのでご了承ください。

ではまた明日更新しますのでお楽しみに。

それではまた明日。

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