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第二十六話 グリム伯の最後

あと二分で日付が変わる!なのであまりかけませんがご了承を!何とか毎日書くというノルマを達成できました!では本編をお楽しみください!

 ライが目覚めてから翌日、ライは現在朝食をとっていた。


 朝食は昨日から寝ている部屋で現在はもう食べ終わっている。

 

 食べ終わった後、今はティア達を待っているところだ。


 すると、丁度いいタイミングでティア達が扉を開けて入ってきた。


 「来たよ、ライ」


 そういって、後ろにはティアのほかにラッシュとリエルがいた。ドール伯は手当てや事後処理により忙しいみたいだ。


 「なら昨日は約束守ったんだから今日はもう動いていいよな?早くグリム伯に会わないといけないからさ」


 「昨日も言ったとおり狂っちゃってるんだよ?」


 「それでもだよ。少しでも情報が引き出せるなら恩の字だ。あと、これをもっていけば反応するかもしれないしね」


 そういって手に持つものは昨日リエルから受け取った水帝の宝玉だ。


 先ほど水帝の宝玉を白帝の宝玉に近づけており、その時は光が発光して驚いたがすぐに収まった。


 それからは再び水帝の宝玉を白帝の宝玉に近づけても発光しなかったのであれでよかったのだろう。エスティアの言うことが本当なら数日後に話せるようになるはず。


 だからもうライには水帝の宝玉を必要とはしなかった。


 水帝の宝玉を取り出したライの意図を読めずティアは質問してくる。


 「確かにそれをもってはなかったけど」


 「だろ?グリム元伯爵はこの宝玉を持っている間、少しだけ狂ったような兆候はあっただろ?なら完全に狂ったとしてもこの宝玉には反応すると思うんだ」


 「うーん」


 「まあ、反応しなかったらしなかったでいいさ。とりあえず行こう」


 ライはベッドから立ち上がりティアのそばにまで行く。


 近くにいたリエルが無言で大丈夫かといってきているような気がしたので、安心しろという意味も込めて頷いた。


 「わかったよ。昨日約束をライは守ったんだから今度は私達が約束を守る番だよね。でも本当に無茶はしないでね?」


 「無茶する場面が思いつかないけどな」


 そういってから四人は地下牢に向かっていった。


 地下牢に着いたときライは顔をしかめる。


 まだ狂ったグリム伯を見つけたわけではないのだ。グリム伯は奥の牢に入れられているらしいので姿は見えない。


 でも地下牢に入る近くの入り口では守衛が二人いた。だが、そこについたとたんに色々なうめき声や叫びなどが聞こえてくる。


 「これは一体……」


 戸惑うライに守衛の一人が説明する。


 「現在ここにはグリム伯爵のほかに以前から入れられていた重罪人などがいるのです」


 「だとしてもこの叫び声は」


 「……実は、以前はこうではなかったのです。ですが、グリム伯が牢屋に入れられ一日たったとたんに数人が狂い始めてしまいまして」


 「グリム伯が原因だと?」


 「はい、私達は正気を保てているのでおそらく何かしらの条件があるのかもしれませんが、グリム伯と合うときにはお気をつけください」


 「分かったありがとう」


 守衛が説明をしてくれた後に礼を言うと、守衛は牢屋に続く扉を開けて案内してくれた。


 通路の左右には鉄格子が幾重にもはめられていて一つの牢屋に少なくとも三人ほどの囚人が入れられて、全部の牢屋を見ればここには約二十人ほどの人間がいる。


 そして、一つの牢屋のうち半分以上の牢屋の中では狂った人間が出ていた。


 しかも、狂ったと思われる人間は奥に進むほど増えているようだ。


 そんな中を歩いて、ライ達はついに目的の場所にたどり着く。


 たどり着いた牢の目の前に立ち中を見ると中央に片腕を失っているグリム伯の姿がある。


 「私が……玉……無敵……負けな……」


 声が小さくてすべてを聞くことはできない。しかし、なにやらブツブツ独り言ずっと言っているようだ。


 「私達が牢屋に入れた後はずっとこの調子なの。色々と聞こうとしてもダメだった」


 「なるほどな」


 これなら昨日言っていたとおり、ライが来ても意味がないと言うのは当然かもしれない。


 「ごめん、君は扉の前に戻ってくれないかな。ここは俺達で十分だから」


 そういうと、案内してくれた守衛は一度お辞儀をして扉の方へと歩いていく。


 ライは無駄かもしれないと思いつつ水帝の宝玉を取り出し声をかけてみた。


 「グリム伯。こっちの声は聞こえてるか?」


 周りの人物達は何回も声をかけて反応がなかったために今回も無駄だろうと思っていた。


 しかしライの声に反応したのか、それともライが持っている水帝の宝玉に反応したのかピクリと体を反応させゆっくりと顔を上げるグリム伯。


 「お久しぶりといえばいいのかな?」


 そうやって相手の反応を待っていると。


 「あぁ……ああああああぁ!」


 突如グリム伯は言葉にならない声を上げて襲い掛かってきた。


 ティアやリエルがびっくりしていたがライは冷静に半歩だけ下がる。


 その瞬間、グリム伯の手がライのいた場所を空を切った。まだ前に出られれば捕まえることも可能かもしれない。しかし、硬い鉄格子が邪魔をしてそれ以上腕を伸ばすことはできない。


 「落ち着いてくれるとありがたいんだけど」


 「私の、私のだ。私のだ。それは私のだああああああああああ!」


 「こっちの質問に答えてくれたら返すことも考えるけどどうする?」


 ライの提案に周りの仲間が驚いていた。


 「返し、返し、返す?こちらに、私に、宝玉返す、返すのか?」


 「どうする?」


 質問するライに対してグリム伯は少しだけ瞳の奥に光が戻ったような気がしていた。


 グリム伯は頷く。


 「ライおめえ……」


 どうやらラッシュにはこちらの意図が分かったらしい。あまりいい表情を浮かべていなかった。でもそれ以上は聞いてこない。口を出すつもりはないようだ。


 しかし、他の二人ティアとリエルは違うようだ。まだ分かっていないらしくラッシュの言葉に首をかしげていた。


 二人には城壁の上で勇気をもらった。だから俺はこのまま突き進むことを決意したのだ。だから必要なことはやっていく。


 ……ただ、本心を言えばここからの会話はあまり聞かせたくない。途中の会話はいいのだ。最後を聞かせたくない。


 「ティアとリエルはここで帰ってくれ言って帰ってくれる?」


 「ないね」


 「ない」


 二人は即座に否定してくる。


 それを見て戸惑いの表情を浮かべつつラッシュのほうに助けを求めると


 「んー、俺もこの二人を返したほうがいいかも知れねえとは思う。でも、強引に連れ帰ったとしても後が大変だぞ?しかも、俺一人で二人を外に出すなんていうのも骨が折れるしな」


 「そうだよな」


 困った顔で二人の顔を見ていたが折れたのは、ライ。


 「はぁ……二人とも、絶対に動かない?」


 「うん」 「はい」


 「なら一つだけ約束してくれ。絶対に口は出さないこと。それと、この結果どうなったとしても手を出さないことを」


 「「……」」


 その条件を聞いて少しだけ不安になったのかこちらの意図を探るが、少しの時間が空いてようやく頷いてくれた。


 「わかった。なら二人はそこで聞いてて」


 そういって、ライはグリム伯に質問し始めた。


 「ならまずグリム伯は反乱を起したといったけど、たった五千の兵力で他の貴族を丸め込んだとしても王国相手に無理なはず。だったら、他にも仲間がいるはずだけど一体誰だ?」


 「……」


 この言葉を問いかけるがグリム伯は無言だ。


 「質問している意味分かるか?」


 「わわわ、わかる。でももも、わかからない。ただだだ、さそわれれただけ。くろろいきききぞくから」


 「誘われた?黒い貴族?」


 「そそそうだ」


 まだ言語には問題あるようだが、ライは次々と別のことを聞いていく。


 そして分かったことは、黒い貴族から王国に対して反乱を起し現国王を打倒するという誘いが来たという。そして、それには沢山の貴族が参加しているらしいのだ。


 貴族の名前は数名聞いたことがある名前で、その中にはなんとあのゲームの優勝者候補である対戦相手イウル伯の名前もあったのだ。


 ただ、他にも聞いたことがない貴族がいたが黒い貴族と名乗る男の話だけで伯爵家ともあろう人が誘いに乗るはずがない。


 しかし、グリム伯がエンリデンヌで言っていたこと、王国各地で反乱、蜂起、革命が起こっていた場合嘘とは言えなくなってしまい現実味が増してくる。


 ライとしてはここまで聞いた内容を頭に記憶し水帝の宝玉について聞いた。


 でもこれに関してはただ商人から運よく手に入れたものだったらしく、詳細は知らないらしい。


 他の宝玉のことも聞いても有意義な情報を得ることはできない。


 「そうか、なら他に話すことはあるか?」


 「わわたしの知っているるる、ことはは、話した」


 「わかった。情報提供ありがとう」


 そういって、ライはその場を立ち上がりその場を去ろうとする。


 その行動を見てグリム伯はわめき始めた。

 

 「やや約束は!宝玉、宝玉、宝玉は!」


 「ん?ああ、約束って?」


 「渡すって、渡すって、渡すって言った。言った。言った」


 「いいや言ってないな。俺は考えるといったんだ。グリム伯、丁度いいからこれからのことを教えておく。自分たちは各地の反乱鎮圧のために明後日ここをいなくなるけど、その前日に斬首にする。執行はおれ自身がするよ」


 「なんだだだと」


 いつものライとは考えられない言葉に女子二人は驚き硬直している。相手をだますような言動。そして、城壁ではあれだけ人を殺すことを嫌がっていたのに、そんなライが自ら斬首するといい始めたのだ。


 「ライあの」

 

 ティアが思わず声をかけようとしたができなかった。


 ライが手を前にして制したからだ。


 だからこそこの話を聴かれる前に口出しと手出しをしないように条件と出したのだ。


 「なあライ」


 しかし、口出しをとめられなかったラッシュが言う。


 「俺としてはこいつを殺すことには異論はない。でもだ、お前自身がやる必要はねえんじゃねえのか?」

 

 「いいや、俺がやるよ」


 そういうとライは牢屋を歩き始めた。その後をなんともいえない表情で三人は付いていく。


 四人が去った後には背後からグリム伯が狂ったように騒ぎ、鉄格子を叩いて暴れていたが誰もどうすることもしなかった。


 その日、ライはドール伯の事後処理の手伝いや負傷者に会って状況を見たりと今まで休んでいた分を取り戻そうとするように働いていた。


 そして次の日も同じように過ごし、ライはティアやリエル、ラッシュにも笑顔で接して挨拶を交わし出発の準備をし始めている。


 次の目的地はまだ決めていないが数日後には偵察をすでに出しているので他の場所の状況が入ってくる。それを聞いてから行き先を決めるのだ。


 だからそれまでは本当はライは暇だったが準備だけでもしようと思っていたのだった。


 ただ、思ったより偵察兵が帰ってくるのが遅れていたのでライはついにあることを実行した。


 それはグリム伯の処刑だ。


 ライは砦の中央に兵士やティア達を召集した。そして、集まってからしばらくすると手と足をつながれているグリム伯がやってくる。


 手が片手しかないので後ろ手には縛れないが足にある鎖と連携していたためにたいした動きはできない。


 役者がそろったことでライは確認した後に声を張り上げる。


 「全員、集まってくれたことに感謝する!今回ここに呼んだ理由はだいたい想像ついているだろうが、改めて説明する!これから俺自ら元グリム伯爵を処刑する!全員には処刑の証人になってもらいたい!」


 ライの声に全員が息を飲むのが分かる。いくら反乱を起したとしても相手は伯爵家だった男。それを王が刑を実行するのではなく軍師であるライが処刑を実行しようとしたからだ。


 「皆はなぜ俺が処刑をわざわざするか分からないだろう。王に伺いもせずに独断で。しかし、現在の王国は各地で反乱が起きていて非常事態なのだ!私は自ら元伯爵家の人間でも、王家に弓引くものには容赦はしないとここで宣言したいのだ!決して裏切らないと。自らやるのはその表明であり決意を見てもらいたいのだ!そして、周りの兵士達諸君にも心に留めてもらいたい。私は、敵には容赦しない。しかし、味方は必ずできる範囲で助け勝利を導かせていくことを!」


 一息置いて、再び話す。


 「もう一度言おう。私は貴族が相手でも反乱を起したものは決して許さないと!言葉だけでは分からないだろう!これから行動で示す!グリム伯を前へ!」


 そういってグリム伯が前に連れてこられひざまづかされる。


 「グリム伯。言い残すことはあるか?」


 ライは問いかけるが前日牢であったときとは違い、反応がなかった。


 これ以上聞いても無駄と判断して、ライはエミルからもらった剣を抜く。


 「では、見るといい!これが俺の覚悟だ!」


 そういってライは剣を振り上げグリム伯の首を落とす。


 せめて苦しまないようにライは思い切り振り下ろした。


 そのおかげか綺麗に首と体は離れ返り血を浴びているライがそこにはいた。


 一瞬だけ、人の血や剣の感触に眩暈を起し吐きそうになるが何とか堪えて声を上げる。


 「ここに俺は行動を示した!これで分かってもらったと思う。俺が本気であるということを!そしてもう一度言おう。この刃は敵を屠るものであると。また味方を守るためのものであると!全員これからも俺についてきてほしい!」


 そういって、周りの反応をうかがうと周りの一人が歓声をあげ、それがまた一人また一人と広がっていく。


 瞬く間に歓声は広場を埋め尽くした。


 ただの平凡な指揮官であったらこうはならなかっただろう。しかし、ライは実際に軍師といわれながら、自分が先頭に出てエンリデンヌを守り、この砦攻略を落とす際には光の壁で矢から守ってくれたのだ。


 後ろで指示している指揮官より、前で支持してくれる指揮官に兵士は絶対的な信頼をおくのだ。士気の意味合いでも大きくなる。


 「では、今日はここで解散とする!」


 そういって広間から人々はいなくなっていく。


 兵士達の士気は上がりほとんどの兵士が同じ思いをしていた。


 敵になれば恐ろしい指揮官かもしれない。でもこの指揮官が味方であればこの先も大丈夫だろうと。どのような絶望的な状況でも勝利をもたらせてくれるだろうと。


 だがそんな中、数名は演説を聴いて心配そうにしていた人物がいた。


 その人物はライが去っていく通路を見えなくなるまで今は見守るしかできなかった。


 

また明日も書くと思います!できれば書き溜めれればいいですね!

そして、お気に入りのほうもよろしくお願いします!

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