第二十五話 目覚め
どうも、明日ようやく休みですね。書き溜めればいいのですが……がんばります!ということで本編をどうぞー
エスティアとの会談?のあと、彼女の言うとおり周りが暗くなったと思ったら、次に見えた視界はどこかの天井だった。
天井は白く寝ているのはベッドなのだろう。後ろが柔らかくふかふかしている。
そして、横にも柔らかい感触があった。今までは寝袋を使って寝ていたことが多く、エンリデンヌでベッドを使わせてもらったが何度使ってもよいものだ。
しかし、少しおかしいような?
ここでライは本気で意識が覚醒始めた。
柔らかいだけならいいのだ。うん、柔らかいだけなら。
ただその柔らかいものが耳に息を噴きかけ、胸が上気し腕を掴んでこなければ決しておかしくない。
さて、ではここで問題です。この柔らかい物体はなんでしょうか。
そう思い隣見るとそこには
「んぅ・・・」
なぜか隣には眠っているリエルがいた。
女の子特有の甘い匂いを漂わせ、こちらが少しだけ動くとしがみつく様に腕に力をいれて逃がそうとはしない。
「この状態はなんだろうか」
まさかそんな仲になったのだろうか。
「・・・ないか」
一瞬考えてしまったが普通に考えてないだろう。リエルも服を着ているようだし今まで俺はエスティアと出会っていたのだから。
考えれば簡単に分かることだ。おそらく倒れた看病をしてくれたのだろう。
ただ、その過程で眠くなって目の前には柔らかそうなベッドがあってふらっと潜りこみ、あまつさえ抱き枕代わりに俺の体を代用していたと。
なるほど
「おかしいだろ」
いや、すべてが違うのか分からんが眠くなったからって入り込んで抱き枕代わりって、無防備すぎだし。あれ、でもならなぜここで寝ているのか説明はどうつける?
「んー」
未だに左腕に感じる女の子の柔らかさにドキドキしながら、どうやって逃れるか考え、リエルのほうを見ると
「じー・・・」
お姫様は眠りから覚められていたようです。
「あー、おはよう?」
自分でじーっていいながら見てくる人始めて見たよ。
とりあえず挨拶をしてみるとまだ「じー」といいながらこちらに視線を向けてきていた。
どうすればいいのか分からなかったので体を起そうとしたら
「だめ」
そういって、リエルからこちらの肩を押しベッドに寝かせる。
「あのさ、どうすればいいんだ?」
「ここで寝とく。絶対安静」
「あー」
リエルからは意地でもこの状態から動かさないらしい。腕にこめる力も強くなるし。
「とりあえずさ、他の人を呼んできてくれないか?状況も聞きたい。それと水帝の宝玉はどこにあるかわかる?」
「(コク)」
どうやらこちらが動かないことを了承して安心したのか腕を放しベッドから降りていった。
そのまま後姿を見送るとため息をつく。
「俺も男なんだからさ」
まだ残る温もりにドキドキさせるも、それが裏返せばそれほどに心配をかけたんだろうと、心配してくれたんだろうと伝わってきて自然と顔が綻ぶ。
約一月前にはほとんど仲間という仲間はいなかった。でもこういうのもいいものだなと思う。
ほんのりと心の中が暖かくなっていることを感じながらしばらく時間がたった後、扉の外から足音が聞こえてきた。
数人が走っているようで音は徐々に大きくなり扉は開かれた。
「ライ!」
最初に戦闘で現れたのはティアで、後ろにラッシュやいつ来たのかドール伯もおり、最後に呼びにいってくれたのだろう、リエルもいた
後ろにいる男性二人はライの姿を見て無事なことに安心したようでこちらに笑いかけてきた。
でも前にいたティアはそれだけではなかった。
「ライー!」
突如こちらにかけてくると飛びつくように飛んできて抱きついてくる。
リエルとは全然違う柔らかさや香りが漂ってくるが、それを気にする暇はなかった。
「ライ、ライ、ライ!本当によかったよー・・・・」
よほど心配してくれたのだろう。抱きつく腕の力を後ろに回しライの胸に顔を埋めていた。
ライはティアを安心させるように声をかける。
「ごめん心配かけた。けどもう大丈夫だからな」
「もう!本当に心配したんだから、それに大丈夫といっても少なくとも今日は動いちゃダメ!絶対に!いいね!」
きつい口調で言ってはくるが、心配した裏返しと思うと嬉しい。
そう感じていると後ろからラッシュが話しかけてきた。
「そうだぜライ。戦後処理は俺らでもできる。だからおめえは安静にしてな」
「そうですよライ殿。戦力面は軍師が活躍します。ですが、こういう仕事は文官や後衛の仕事。私はエンリデンヌを統治してきました。活躍ぐらいはさせてください」
「ドール伯の言うとおりだ。まあ、もし動こうとしてもここにもお前のことを監視しようとする奴がいるけどな」
ラッシュが見ると、監視をするもう一人であるリエルもずっとライの様子を見ている。
ライは肩をすくめ。
「さっきも起きようとして阻止されたから身をもって知ってるよ。ほら、ティアも離れてくれよ。無理はしないからさ」
「むー」
こちらを上目遣いで見つめ本当か視線で訴えてくる。
視線にライは縦に頷くとようやく納得してくれたのか離れてくれた。
「なら、安静にはしておくけど状況を聞くぐらいはいいだろ?色々と教えてくれ」
「わかったわ」
ライが近況状況を聞くために催促するとティアが返事をして説明してくれた。
説明を聞いて最初に驚いたことは今日があの戦いから約三日過ぎたということだった。
自分自身ではエスティアと出会ってすぐに起きたつもりでも数日間の誤差が起きているようだ。
次に、説明されたことはこの砦を占拠してからのことだ。正確にはライが倒れた後のこと。
ライが倒れてその場は騒然となっていたようだが、ラッシュ達がうまく兵を統率してくれたのとすでに敵味方動ける状況でもなかったらしく、戦闘はなかったらしい。
城内に入れず待機していた部隊と、外のほうに最初からいた二百の兵士を招集して事後処理を開始したみたいだ。
すでに敵はあきらめ、また水帝の宝玉による津波の被害で重軽傷者が多くいた。なのでまず兵達がしたことは城内探索と負傷者の手当てだった。
城壁上で難を逃れていた兵士達も降伏し今は拘束して監視している。敵兵の処分については軍師であり、この部隊の総指揮官であるライが起きるまで保留にしていた。
そのようなことをしていて、兵士達と城内の整備、手当てをしているうちに三日などあっという間に過ぎていったらしい。
ただ、ライにとっては少し疑問に思う。
「なぜここにドール伯が?」
そうなのだ。以前エンリデンヌを出立するおり、防衛兵力が少なくなる理由から断っていたはず。ドール伯もそのことに納得して食料などを提供してくれたのだ。
それに、倒れる前に連絡を取るよう
理由をドール伯に聞くと、笑みを浮かべながらドール伯は
「現状の防衛兵力が少なくなければ駆けつけても問題ないですよね?」
逆に質問をしてきた。質問というよりは確認に近かったが
その一言で大体の意味を悟るライ。
「兵力が戻ってきたんですか」
「はい、色々とグリム伯爵・・・いえ、元伯爵ですね。元伯爵が手を回して妨害していたらしいのです。しかし、エンリデンヌ攻略が失敗のことを聞いたと単にすぐに撤退して帰ってこれたそうですよ」
「では今エンリデンヌには?」
「まだ帰ってきていない部隊がいくつかありますが、約五千ほど。私は五百の騎兵を率いて参りました。現在は昨日救護物資が足りないということでしたのですでに二日前エンリデンヌに騎兵を飛ばして、明日には到着するでしょう」
この付近で一番大きい貴族、グリム元伯爵家でも五千。周りにいた二人の貴族も合わせて四千に満たなかったはず。しかも、すでにエンリデンヌでは五千を率いて、半分以下の兵力で攻略したのだ。早々攻撃しようとは思わないはず。
「ドール伯。迅速な対応ありがとうございます」
「いえいえ、私達の町を守っていただいた英雄に恩返しをするのは当然です」
英雄といわれどういう反応をしようか迷ってしまう。そのことに気がついてティアもクスクス笑っていた。
少しだけ照れくさく感じたライは話を変えるために重要な話題に変えた。
「それで、あえてここまで聞かなかったけど事後処理は聞いた。でもならグリム元伯爵は一体どうなった?」
ライが覚えているのは腕を切り落とされて絶叫を上げている姿だけだった。
「グリム伯は……」
説明していいのか迷うような困ったような表情をティアはしていた。
「もしかして殺したのか?」
それにティアは首を横に振る。
「違うよ。ちゃんと生きているし今も地下牢に閉じ込めているよ。ただね……」
「ただ?」
「実際に見たほうが早いぜといっても今日は許可できないから明日になるだろうがな」
実際に見たほうが早い状況とは一体。
少し考え込むがラッシュが言うように見たほうがいいのかもしれない。
「わかった、なら見てみようか」
そういって体を起すライ。
でも二人の少女達が近寄ってきて起すのを阻害しようとする。
「ライ、約束忘れたわけじゃないよね?」
「今日はダメ」
ティアとリエルが言ってくるがライも今回は強く否定する。
「でももしかしたら王国の全体を揺るがすことになるかもしれない。だから」
「それでもダメ。安静大事」
「リエルの言うとおり今のライには安静にすることが大事だよ。王国全体のことだとしても一日二日でどうこうなるとは思えないんだから。体調をしっかりと直してからやったほうが効率もいいよ」
「でも」
まだ渋るライにドール伯がいさめるように言ってくる。
「ライ殿。確かに貴方の考えることなのだから重要な案件なのでしょう。しかし、貴方は軍師なのです。そのような立場にいる人物が一度した約束を無視して反故するのはどうかと」
「ぐっ」
ドール伯に言われて反論できない。今まで人に指示をして町を治めることをして生きた経験もあることから重みが違うと感じたのだ。
「……はぁ。ドール伯のいうとおりですね。ならこのまま寝ておきます」
「それがいいよ。ライ。それにどうせ今の状態のグリム伯に質問しても意味ないと思うし」
「ん?」
ティアが同意してくれたことは別に問題はないが、その後の言葉『今の』ドール伯に聞く意味がない?
「なぁティア。そういえばささっきグリム伯を見たほうが早いといっただろ?質問しても意味ないってのも言っていたし。明日見に行くとしても状況は教えてくれないか?」
「絶対に今日は動かないと約束するなら」
「約束するから」
「わかったよ。実はあの後ね腕を斬られたショックか分からないけどグリム伯は……狂っちゃったみたい」
その言葉を聴いて、ライは顔をしかめて頭を抑えるのであった。
また明日更新したいとは思っております。今別のことでネガティブになってしまいあまり後書きと前書きの文章が少ないですが、がんばります。
ではまた明日です!




