第十八話 エンリデンヌ防衛戦 前編
十二時に何とか間に合いましたので投稿します。明日もがんばれば投稿します!・・・最近なんだか文字数が五千を越え始めました。この調子だとすぐに十万いきそうだ!
ライの言葉を聴いたドール伯爵はそれからの実行が早かった。
すぐに市内に駐屯する兵士を招集、篭城準備を始め商人たちには物資の協力を仰いだ。また非戦闘になる女子供、老人などは近くに町や村に退避を望むものはすぐに移動するように指示した。
しかし中にはここにしか行き先がないという人たちも多く、とどまる人も多かった。ライ達のことをドール伯が誤解だと説得し納得した上で男手はドール伯の手伝いを申し出る人が続出する。
その数は約八百人ほど。
まだ敵が来るか分からないというのに志願した男たちの人数を見ればどれだけドール伯が慕われているか分かる。
ドール伯がそのようなことをしている間、ライはラッシュが待機している場所にいきドール伯の屋敷であったことを話す。
するとラッシュはすぐに兵たちに指示を出してエンリデンヌへと入場していった。
その日は一通り指示を出すことだけで終わるのだった。
夕方までに一通りの指示を出し終えて現在はラッシュの屋敷に主だった人物は集合していた。
集合したのは遠征してきたライ達四人。それからエンリデンヌをまとめるドール伯だ。
現在明るいうちに指示した内容と結果を報告しあっていた。
「全兵士に指示を出して警戒網を敷きました。この町にいる兵士は約千ですが新たに志願してきた町の男手がいましてその人数は約八百になります」
「こっちはジュリエさんの妹さんを無事に救出して、犯人達は捕まえたよー。尋問もしたんだけどどうやら金だけをもらってやってたらしく黒幕は知らないみたい」
「モグモグモグ」
「こっちは全兵士を都市内に入れた後は外出を禁止して疲れを取らせるために休息を与えたぜ。勝手にどこを警備させてもそっちが困ると思ったからよ」
全員の話を聞きながらライは状況把握していく(一人咀嚼音だったが)。
全員が大体話し終わるとライが指示を出し始めた。
「まず志願した兵だけど兵役はあるの?」
「いえ、ほとんどは兵役を受けていません」
「なら兵役を受けたことがいる場合はすぐに部隊に組み込んで、兵役を受けていない人たちは少しずつ分配、主に物資運搬や伝令などの後方支援をしてもらう。すぐに動けないだろうからな。あと配置はドール伯に任せてもいいか?」
「はい、この町は私に言わせれば自分の庭です。お任せください」
「次にティアは尋問の結果を切り上げてこの後作戦を伝えるからそのつもりで。おそらくティアが一番重要な役になるから頼むよ」
「りょ~かい!」
「ラッシュ、お前は城内にいる十三大隊の指揮を任せるよ。お手の物でしょ?」
「ああ、もちろん。だがお前さんはどうするんだ?俺が部隊を動かしたら自由に動かせる人がいねえだろう」
「それは別に考えている。ちなみにこの作戦はこうだ」
そういってライは説明をする。
説明をしていくライは作戦の詳細を伝えるとみな頷く。
「でも、本当に大丈夫なのか?その作戦不安要素が多すぎるが」
「完璧な作戦なんてないよ。相手の規模がまず分からないからな。でも敵は少なくとも三千から五千の兵力を持ってくるだろうね」
「こちらの約二倍以上の兵力かよ」
「普通城壁を持つ所を攻め落とそうとすれば三倍以上の兵力が必要となる。もしこちらの考えどおりの兵数なら勝てる」
「なるほど。ではライ殿が立案した策を忠実に実行すればいいのですね」
「そうすれば勝率は上がるよ」
「わかりました。では私は早速防備の配置と連絡網の構築、警備体制の時間などの調整をさせてもらいましょう。ほかにやることはありますか?」
「今のところはないかな」
「では、ここで私は失礼します」
そういってドール伯はさっさと自分の執務室に戻っていってしまった。
ドール伯がいなくなったのを見計らって残ったメンバーを見る。
「さて、ならそろそろ本題を話してもらおうか?」
「そうだよーライ。まだ何か話していないことがあるでしょ?」
「ん?何でそう思うんだ?」
「だって、リエルちゃんの役割何も決まってないじゃん」
そうなのだ、一つまだ伝えていないことがライにはあった。
「ばれてたのか」
「まあ、ドール伯は気がついてないみたいだけどね」
「しょうがないよ。まだリエルの実力を見たこともないんだから。じゃあリエル。君にも役割を与えるから頼んでいい?」
「(コク)」
いつの間にかお菓子を食べるのをやめ顔をこちらに向け話を聞く体制になっていた。
その後ライはリエルに指示を出していく。一番難しい要になる役。最悪な場合の保険としてリエルには動いてもらうことにしている。
「それで大丈夫か?」
「大丈夫」
リエルも返事をしたのでティアとラッシュにも軽く指示を与えた。
「こっちも任せてくれ」
「お任せだよ」
「よし、じゃあ頼む。俺も予定通りに動くから」
そういって今日は今度こそ解散になった。
その日から数日後
エンリデンヌから少し離れた場所にライが予想したどおり軍団が現れることになる。
その様子をラッシュとドール伯は城壁上から見ていた。
「本当に来ましたね」
「だな、それに予想通り兵力は五千といったところか」
「ですね。まったくあの軍師殿はどこまで先を見渡せておられるんでしょうか」
「さあな、だがこれだけはいえる。絶対に敵には回したくねえ人物だわ」
ドール伯も苦笑する。
「同感です」
「はは、まあ雑談はこれぐらいにして兵を配置させようか。『俺の』部隊は半分をここにおいて他は予備部隊とする。いいか?」
「はい、よろしくお願いします」
二人は同意しながら敵の部隊を見る。
そんな中ラッシュは心内でここにいないほかの仲間に語りかけるのだった。
(さて、一体どうなるのかわからねえがうちの軍師のお手並みは拝見って所か)
そんなことををラッシュは考えるのだった。
場所はエンリデンヌ城壁から少しはなれ、エンリデンヌの前にある平原に整列している軍の中に司令官と思われる一人の貴族がいた。近くにも二人の貴族がいるが階級ではこの男が上だ。
この男の名前はグリム・エンデステン。階級は伯爵で今回、五千の部隊を用意してエンリデンヌを攻略するために来ていた。
現在ここでは密偵の報告をきいていた。
「では敵に動きはないということだな?」
「はっ、そのようでございます」
「例の部隊はどうしているのだ?敵は頭の切れる指揮官がいると聞く。暗殺の報告も聞いていないが」
「それがこちらには成功の一報は入ってきておりません。おそらく失敗した見たほうがよいかもしれません」
「ふん、使えぬやつだな。所詮はごろつきということか。まあいい、他に報告は?」
「敵の部隊は報告で『聞いていた通り』千しかいないようです。ですが部隊は第十三大隊。油断はしないようにということです。現在町には千人が駐留しているのを確認してきました」
「うむ、ならこちらの勝ちは揺るがないな」
「はっはっは、そうでございますな。この戦我らに勝利の女神が微笑むでしょうな!」
「まったく持ってその通り!少し頭が回ろうが所詮平民上がり。まったく問題はないですな!」
「もし不利になれば合図を送るだけで大混乱になるだろうしな」
そういってグリム含む三人は笑いあうのだった。
その様子を一匹の猫が見ていたことに誰も気がつくことはなかった。
数刻後、グリムの軍から三人の騎馬が前に出てきて大声を張り上げる。
「我が名はグリム・エンデステン!階級は伯爵だ!エンリデンヌの総指揮官に言い渡す!即刻武装解除して下るがいい!命は保障してやる!」
「私の名前はドール・ヴァン!グリム伯爵にお聞きする!一体なにの権限がありこのエンリデンヌを責めるのか!ここは国王陛下から自治を任された土地!ここを攻めるということは国王陛下に弓引くことになるぞ!」
ドール伯が言うとグリムは声を上げて笑った。
「どうやらまだ情報が届いていないらしいようだ!」
「一体何のことだ!」
「ではお教えしよう!今この国では革命軍として多くの貴族が各地で武装発起した!国王の圧政に苦しんだ民達も続々と槍を持ちすでに南にあるリューネリスはすでに制圧したという連絡をきいた!ここもすぐに占領して新しい指導者の下、国を盛り上げていこうではないか!」
この言葉には多くの兵士、ラッシュですら驚いていた。自分達が出立したあと国ではそのようになっていたとは。しかも、多くの土地で反乱が起きているらしい。
それに、ラッシュは疑問を覚える。現在の王であるジギル国王は暴君ではない。賢君のはず。しかも、直属の土地では税も比較的低かったはず。他の貴族にも指示をして民達に圧政をしいてはいなかったはず。
なのに、野望を持つ貴族や兵士ならまだしもどうして民達が武装蜂起を?ラッシュの疑問は尽きなかった。
でも、ここで色々と考えている暇ではないかと考え直す。もし、軍師であるあいつだったら真偽も分からない情報を考えるより、こういうだろうな。
動揺しているドールの代わりにラッシュは声を上げた。
「グリム伯!おめえの言葉はここの全兵士が聞いた!その言葉は国王陛下に弓引くことを肯定したも同然だ!罪としては国家反逆罪に相当するんだそっちこそ覚悟はいいだろうな!」
「ふん、どことしらぬ雑兵が。これが最後の通告だ。降伏しないのか?」
「へっ!降伏するぐらいなら死んだほうがましだ!お前らもそうだろ!ここで国王陛下を狙う敵を倒せば俺達は国を救った強兵の一人になる!しかも手柄を立てれば少なくとも貴族の席が三つ空くことになるぞ!これはチャンスだ!全員きばりやがれ!」
おおおおおおおおおおおおおおおおおおお!?
ラッシュの言葉に動揺していた兵士は闘志を燃やし始め、手柄を立てれば自分でも褒章と階級がもらえるかもしれない。
利と義がこちらにあると知り雄たけびを上げる。
さすがにこの雄たけびにはグリムたちはたじろいた。
「お前達正気なのか!後ろの兵士が見えないと見える!こっちには五千の兵がいるのだぞ!そちらには多くて二千勝てる気か!」
「だから言っただろうが!お前らに従うくらいなら死んだほうがマシだとな!さっさと尻尾を巻いて帰りやがれこの反逆者が!」
ラッシュは近くにあった槍を持ちグリムの近くに槍を投げた。
投げられた槍はラッシュの剛力によりグリムの近くに刺さる。それに驚いた馬は驚き三人の貴族を落とし逃げてしまった。
「はっ!いいざまだな!それみんなも笑ってやれ!」
落馬した三人を兵士達が笑うと、三人は顔を真っ赤にして言い捨てる。
「このようなことをしてただで済むと思うな!?後悔するがいい!」
そういってグリムたちは走って陣地に戻っていった。
その様子を見てラッシュは隣にいたドールに謝る。
「すまねえな。本来はお前さんの仕事なのにとっちまって」
それに対してドールは首を横にふる。
「いいえ、私も動揺していたのです。とても助かりました。それにあれだけ怒り心頭なら周りも見えないでしょう」
「だといいな。まあ後はあいつらに頼むしかない。俺達はできることをやればいいさ」
「ですね。ここからが正念場ですね」
そういって二人は頷きあった。
場所は変わって反乱軍陣地、ここで徒歩で帰ってきたグリムは怒鳴り散らしていた。
「あの雑兵が!私らを馬鹿にしおって!すぐに思い知らせてやる!おい!戦闘と開始からしばらくしたら合図を送れ!容赦するなよ!全兵を蹂躙するのだ!攻略した後はしばらくは目を瞑る!好きなようにするがいい!」
「おおおおおおおおおおおおおおおお!」
反乱軍陣地からも雄たけびが上がる。今のグリムの内容はエンリデンヌを攻略した場合略奪などをしてもよいと安易に認めたのだ。
「降伏しなかったことを後悔させてやる!全軍前進せよ!弓兵たいは城壁上にいる部隊を狙え!歩兵部隊はそのうちに城壁に取り付き梯子をかけろ!そのまま一気に攻め込むのだ!」
そうしてついに反乱軍が動き出す。
「敵が動き始めたぞ!おめえら予定通りに動けよ!俺達の底力をみせてやろうぜ!」
「こちらの部隊もいくぞ!弓隊は城壁に取り付く歩兵を狙い打て!陛下に弓引く愚かな輩を一歩たりとも中に入れるな!」
「「「「おう!」」」」
二つの陣営の指揮があがり徐々に城壁との距離は縮まっていく。
後にこの史上最大の内乱といわれる戦い、そして最初の戦いとして呼ばれることになるエンリデンヌ防衛戦の戦いに火蓋が気って落とされた。
お気に入りにもよろしくお願いします><・・・ちょっとこれを書いてて思ったんですが後書きと前書きの各内容に前後していたり各場所が違ったりと違和感を感じ始めたんですが、大丈夫ですか?何かあったら意見ください!もちろん内容についても意見をくださるとうれしいです!ではまた明日です!




