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第十六話 十三大隊リエルとラッシュ

今回投稿をどうしようか迷いましたができてしまったので投稿しておきます。

 命令を下されたライとティアは早速自分の部隊となる第十三大隊に向かっていた。

 

 早速軍部にいくとすぐに軍の分隊長の兵士が案内してくれることになったのだ。


 この兵士の名前はトム・ジリエドというらしい。ライが模擬戦をしたのを見ていたらしく色々とよくしてくれる。


 「いやーそれにしてもジュリアール軍師殿の指揮官としての手腕、私は感服いたしました」


 何回同じことを言うのだろうかとライとしてはウンザリしていた。ティアは何が面白いのかニコニコとしているだけだ。


 「それよりもトムさん、この先にいる十三大隊のことについて教えてほしい」


 「おお、そうでしたな。ですが・・・国王陛下も思い切ったことをなさる」


 トムは突然不安な言葉を発する。


 不安そうになったのが表情に出たのだろう。トムは慌てて首を振る。


 「あ、実力的には問題ないです。それどころかここに駐屯している大隊クラスで言えば陛下直属の近衛騎士、あと精鋭のみで固められた部隊 赤騎師団 と同等の力はあるかもしれません」


 「ならなぜ思い切ったことと?」


 「まあそれはですね、少し我が強いといいますか我侭というか」


 「簡単に言えば性格に難があるということなんですか?」


 後ろからティアがずばり聞くとトムは頷く。


 「そうなのです。おかげで何回上官と対立して、担当するはずだった指揮官は全員やめていきました。そういえばその中には軍師殿の対戦相手であったイウル伯も指揮しようと試みたようです」


 「結果は?」


 「着任するどころか会ったばかりの頃に対立して激怒したという話です・・・っと着きましたな」


 ここでとある扉でトムは立ち止まり、ティアとライも立ち止まる。


 「中にこの部隊を率いている分隊長が二人おります。後はご自由になさってください」


 「あれ?トムさんは入らないのですか?」


 「それが今日中にいる二人に連れて行くといったら、着任する二人以外を入れるなといわれているのです。ですからこの先は私は入れません」


 トムも同じ分隊長であり立場的には同じなのだ。これからは十三大隊の領分になるので立ち入ることはできないのだ。


 トム分隊長と別れ廊下の先を見えなくなるのをライは確認する。

 

 そして、呼吸を整え後ろのティアに頷いてから扉を開く。


 キィン!


 扉を開けた瞬間ナイフが飛んできてそれを打ち落とすティア。


 ティアが打ち落とすのを見てライは姿勢を低くして左右に両手を突き出す。


 すると扉の左右にいたのであろう二人は吹き飛ばされ壁に激突していた。


 「まったく手厚い歓迎で」


 呆れながらも奥のほうを見ると席に座る一人の男と傍に立っている一人の少女がいた。


 一人はがっしりとした体つきで腕も太くいかにも力が強そうな印象を受ける。体にも所々古傷があり、これだけを見れば傭兵といわれたほうが納得できる。


 そしてもう一人は、男とは対照的で小柄な女の子であった。


 銀色の髪をツインテールに結え、目はぱちくりとこちらを見ていて小動物を連想させた。歳はおそらく自分たちより下だろう。肌も白くなんだか人形のようにも思えるほどだ。


 ただ、人形には似合わない剣を腰に下げているが。


 「よくよけなぁー。どうやら少なくとも自衛できるぐらいの実力はあると」


 男は椅子に座りながらこちらに話しかけくる。


 「実力を測るってのはいいけどいきなりはやめてくれ。下手したら死人が出るぞ」


 「そうだよー。私がナイフを弾く場所がまずかったら怪我していたよ?」


 そういう二人に男は驚く。この目の前にいる二人はこういっているのだ。自分たちではなく扉で待ち伏せした二人の部下が怪我をすると。


 自分達が怪我することを微塵も考えていないらしい。


 男は一度視線を少女に移すと、少女は無言で頷く。


 「ご忠告どうも。それで?ここにはどういった用件で?」


 「俺の名はライ・・・ジュリアール。先ほど軍師として陛下から拝命した。これから北にある都市、エンリデンヌの調査及び不穏分子の排除、鎮圧任務をするために第十三大隊を率いることになった」


 「私はジュリアール軍師の補佐官として任命されたティアリス・フロレンスだよ」


 「そうか、ご丁寧にどうも。俺はラッシュ・ガーリネック。十三大隊部隊長をしている。そこにいるのは俺の従妹で名前はリエル・シュリエルだ」

 

 そういってリエルはぺこりと軽く会釈する。


 「・・・そうか」


 少しした間を開けてライは頷いた。このまま何も言わないで『茶番』に付き合うか。それとも指摘するか。


 「どうした?何か納得してなさそうな顔をしてるな」


 「いやさ、茶番に付き合うべきなのか迷ってね」


 その言葉を聴いてラッシュからは殺気が放たれる。


 「・・・茶番ってぇのはどういう意味だ?」


 声が低くなりドスが効いた声をしてくる。


 「茶番も茶番だろ。まずあんた隊長じゃないだろ?おそらくそっちのリエルという子が隊長または代行みたいだ」


 「何を根拠に言ってやがる」


 「なら聞くけどわざわざ何かしらの確認を取るために従妹に視線を送るのか?あと、ただの従妹が剣を携えているっておかしいだろ」


 「俺が剣を教えたんだ」


 「そういっても体格が違いすぎる。あんたの武器は筋肉の付き方からハルバート(斧)か大剣だ。に対して細い剣の扱いを教えるにも護身用になるだろう。けど、そこにいるリエルからは殺気というか戦闘意志を感じるんだよ。足に力を溜めているしすぐに襲い掛かろうとしているのがバレバレ」


 ライはそうやって説明をするとリエルはジッーとらいのことを見ていた目をしばたかせて、そのまま見ていたが何か納得がいったのか足に力を溜めるのをやめラッシュが座る椅子に近づく。


 それから机の上にあったお菓子を二つとるとライの目の前にやってきてライとティアに渡してきた。


 何をしたいのかと思いつつお菓子を受け取るとリエルは満足したのかトテトテと椅子に戻り、今度は自分でお菓子を取りカリカリと食べ始めた。その姿は小動物みたいで可愛らしい。


 その様子を見ていたラッシュはいつの間にか殺気を消して笑い始めた。


 「わっはっは!そうか、隊長がそういうなら俺も認めるしかねえな!」


 「やっぱり隊長ではないんだな」


 「ああ、俺は分隊長、であそこで菓子を食べている奴が第十三大隊の総隊長だ」


 「えーっと、このお菓子はどうすればいいの?」


 ティアが状況についていけずにおずおずと聞いてくる。


 「遠慮せずに食べてくれてかまわない。隊長は気に入った人物にしか自分のお菓子を渡さねえんだ。二人は気に入られたんだよ」


 そういって、リエルのほうを見るとリエルは二人のことをジーと見ていた。ライ達と視線が合うとリエルが座っている反対側の椅子に視線を向ける。どうやら、座れということらしい。


 ライは苦笑しながら指示に従いティアも座ると満足したのか再びカリカリとお菓子を食べ始める。


 それを見計らってラッシュが話しかけてきた。


 「さっきは悪かったな。いきなり襲って」


 「まったくだ。怪我をしたらどうするんだ」


 「そうだよねー。これから任務に向かうのにあの二人がかわいそうになっちゃうよ」


 やっぱり自分の怪我は心配していないのかと思いラッシュは苦笑する。


 「いやな、じつはこれには訳があるんだ」


 「訳?」

 

 「ああ、以前きた貴族だか騎士だかわからねえ奴がきてよ確か名前はイウルとかいったか。いきなり「この私が指揮をとるのだ。光栄に思うがいい。・・・ほう、ここには可愛らしい女子がおられるようだ。丁重に指揮をしなくてはな」とか言い始めたんだ。それでリエル隊長も嫌悪感があっていきなり襲っちまって」


あの貴族はそんなことを言い出したのかとライとティアは呆れながらラッシュに聞く。 


 「それで次から来る指揮官に厳しくいこうと」


 「まあそういうこった。でも隊長も気に入ったみたいだからこれからよろしくなライ軍師、ティアリス副官」


 「俺のことはライでいいよ」


 「私のことはティアでいいよー。ってこのお菓子すっごくおいしぃ!ねえねえリエルちゃん!このお菓子ってどこで買ったものなの!」


 いきなりリエルのことを馴れ馴れしくティアは呼んだが、リエルは嫌な顔をせずにお菓子が入った皿をこちらに差し出してきて


 「町にある武器屋の隣のお菓子屋さん」


 「へぇそうなんだ!私も今度買いにいこっと♪」


 「買うなら早くしとけよ。これから遠征に行くんだから。ってその前にリエル隊長も遠征の件はいいのか?」


 「・・・・リエル」


 「え?」


 「リエル」


 ジッっと長時間見られたら保護欲というかなんというか我慢できないものがありそうな瞳で見られて、ライは観念する。


 「分かったリエル。これでいい?」


 リエルはコクッと頷く。


 「ならよろしくなリエル」


 「よろしく、遠征の件は大丈夫」


 「ああ、ならよろしく頼むよ」


 二人は意思疎通を果たしリエルはティアと話に花を咲かせ始めていた。


 その様子を一部始終をみていたラッシュは心底驚いていた。


 リエルが自分から喋ったこともだが名前を呼び捨てにしろと初対面で要求したことは今まで、自分を含めてたった一度もなかったのだ。


 喋ることも信頼した者達しか話さない。自分でもこの小さな隊長と話すのにどれだけの時間が掛かったのか。


 「ラッシュはそれでいいの?」


 もしかしたらこの若い軍師ならばうちの隊長を。


 そんな期待が持てることを感じつつも大きな声で了承する。


 「ああ、隊長が頷いたんならもんだいねぇ。おら!扉にいる二人!さっさとおきねえか!久しぶりの遠征だ!全兵士に準備と支度をするようにいってこい!」


 「「はっ!」」


 最初に襲ってきた兵士二人に怒鳴るとその二人はすぐに立ち上がり部屋を出て行った。



 視線を戻すと、机の上ではグイグイと皿をライのほうに差し出している小さな隊長と困った顔で頬をかいている若き軍師、その光景を見てからかっている副官を見ていた。


 その様子をみてラッシュは楽しそうな遠征になると心の中でそう思うのだった。


 

 

お楽しみいただけたでしょうか!次回はようやく軍を率いて遠征いたします。お楽しみに!ちなみに明日投稿できるとしたら21~23時だと思いますのでよろしくお願いしますー

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