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第十五話 誕生、フェレス王国 軍師

どうぞお楽しみください!

 「そっちに行ったぞ!」


 突如そのような声が昼食時で賑わっている飲食店街に響き渡る。


 「おらぁ!どけ!」


 「きゃぁ!」


 追われている男はひしめき合っている人々の間を走り、邪魔な人は老若男女問わず突き飛ばしていた。


 「何人かは左に回り込むんだ!」


 後ろの警備隊の声が響き渡るが逃げる男は笑いたい思いだった。


 「(こんなに人がいる所を走ってるんだ。逃げ道もいくつもある。絶対につかまるはずがねぇ!)」


 そう思いつつ適当なところで狭い路地に入った男は、人通りが少なくなったので全速力でそこから逃げる。


 「ぐがぁ!」


 しかし、全力で逃げようとした瞬間男は何かが目の前でぶつかり鼻から血を撒き散らす。なにやら目の前に硬い壁にあたったような感じだ。


 「くっそ!なんなんだよ!」


 何も壁がない路地裏で顔面を強打して血を流している男は鼻を押さえながら目の前を睨みつける。


 「もう諦めたらどうかな?逃げられることはできないんだし」


 男は声がしたほうを見るとそこには赤い髪と赤い瞳をした女兵士がいた。追いつかれたのかと焦りすぐに逃げようとするが、やはり見えない壁があるようで先には逃げれない。


 「ほらー私たちも忙しいんだから大人しくつかまってくれないかなー」


 「う、うるせぇ!お前を倒してそっちから逃げればいいだろうがぁ」


 自暴自棄になりながら男が襲ってこようとしたところで今度は隣に青年が現れる。突如現れた青年に目標を変えたが


 「おっと」


 青年は半身でかわし足で引っ掛けて倒した。


 男が倒れると同時に後ろから大勢の兵士がやってくる。


 「捕まえたのか!」


 「捕まえたよー」


 「こいつでいいんだろ?」


 二人は地面で倒れている男に視線を向けると兵士たちは頷いた。


 「そいつで間違いありません、どうもありがとうございます!後のことはこちらで引き受けますのでお二人はお休みください」


 「なら頼んだよ」


 「頼んだねー」


 そういって兵士たちは男を捕まえて連れていった。

 

 「上手く行ったね。ライ」


 「当たり前だろ。ティアが逃げ込む道を絞り込んでいたんだからそこに壁を張るだけでいいんだし」


 男を捕まえた二人の男女、ライとティアは何事もなかったように歩き出す。


 「まあ、警備隊の仕事は私のほうが長いからね。けどそれを活かすことがライの仕事だよ。隊長殿♪」


 「はぁ」


 ティアの言うことにライはため息をつく。


 ライがなぜ警備隊の仕事をしているのか、それは国王に条件としていった経験を積むという内容を実行したからだ。


 あれから約二月の間ライは警備隊の仕事をしていた。おかげで町のことは詳しくなることができた。また経験を積むというのは警備のことだけではなく、他にも内政、軍略など色々な部署に出向き現在の国の情勢や軍部の内情なども勉強している。


 「けど何で隊長にするんだか。ずっとやるわけでもなく、他の部署にも行くからといってたのに」


 「それもしょうがないんじゃないかな?」


 ライとしては警備隊の仕事は末端、下っ端でやることを想像していたのだ。


 しかし、ライが警備隊に出向くとそこでいきなり一つの担当地区を任されて統括隊長に任命されたのだ。


 もちろん最初は抗議した。確かに経験を積むという観点から言えばいいのだろうがいきなり地位が高すぎるではないかと。でも警備隊の総括長も引くことはできなかった。ここのいる警備隊の兵士はライとイウル伯が争った模擬戦を見ていたのだ。そんな有名人を末端においてしまったら色々とまずいと考えのだ。


 渋るライにティアは助け舟を出す。


 「ライも他の部署にも行くし長い間いることはできない。それなら独立で隊長ってことにしちゃえば?」


 この一言に総括長とライは頭を捻る。


 「だからライを遊撃隊長にして部下を配置、自由に動いて何かあったら出動する。そうすれば配置された兵も少数だし、ライ自身も自由に動ける。あまり困らないでしょ?」


 この提案からライは自由に動くことができる遊撃隊長になったのだった。


 ちなみにライの部下にはなぜかティアが在籍しているが他にはいない。たった二人だけの部隊だ。


 「って、今考えても二人の部隊じゃ経験積むとか効率的に悪いだろ」


 「そんなことないよ。実際に町の構造や時間帯、鎮圧の仕方や交渉術も経験できたでしょ?」


 そういわれライは反論できない。


 ティアに言われ用に揉め事を解決することで色々な経験はできた。部隊を率いるということも実は代理でする機会もあったので問題はない。


 「誰か!そいつを捕まえてくれぇ!」

 

 どこかで再び大声が上がる。


 「またか、ティアいこうか」


 「うん、あ、そういえば今日お城に行くんでしょ?忘れてないよね」


 「もちろん忘れてない。約束だしな」


 二人はそんな会話をすると大声が上がった方向に走っていくのだった。



 それからしばらくして



 無事に犯人を捕まえて警備隊に引き渡した後二人は王城に来ていた。


 今日はエミルから二月という条件を出されてからちょうど二月目。ジギル国王にも経験を積んでから本来の副賞と特権を受けるといっていた。


 それをエミルから聞いていたジギル国王はライを今日呼んでいたのだった。


 王座の間に行くとそこにはジギル国王の他に王子二人に王女であるエミル、将軍、大臣が勢ぞろいしている。


 以前ゲームの優勝候補者として集められたがその時よりも人が多いような気がする。あと以前と違うといえばなんだか空気がピリピリしていると所か。


 ライが姿を現すと全員の視線が集まる。後ろにいるティアも一緒に呼ばれていたのでここにいるのは問題はないが視線が集まったことで畏縮していた。


 ちなみにティアはライの副官兼補佐官として任命されていた。これはまだよく分からないことが多いということから、配置されたものである。といいつつエミルが推薦してこの座に収まったのだ。


 推薦して副官になったティアにエミルは「ただ補佐として推薦したんだからな!別の意味はないんだぞ!仕事だけの補佐だけをするように、いいかわかったか!」といっていた。それに対してティアは「保障はできないかな~」と二人だけに分かる内容だったらしい、けど仕事以外の補佐とは一体なんなんだろうか?


 「よく来たなライ、こちらに来るがいい」


 余計なことを考えていたら国王に呼ばれ近くにより臣下の礼をとる。


 「顔を上げるがよい」


 「はっ」


 そういえて顔を上げるライ。


 「それで、お主に軍師の地位を与えるといってから今日がちょうど二月そろそろ受けてくれまいだろうか。これから忙しくなると思うのからの」


 「以前国王陛下は私の条件を受けていただき経験を積むため期間をくださいました。約束を守っていただいた以上、私くしめも約束を守るのが礼儀、ありがたく軍師の地位を受けさせていただきます」


 「うむ、では二月前に渡すべきだったものを今渡すとする。例のものをここに」


 ジギル王が言うと近くにいた大臣は一度下がり、再び戻ってきたときにいくつかの物を持って来ていた。国王はそれを受け取る。


 「お主には優秀候補者として五百万フェルを与える。それと同時に伯爵の爵位を与え、わがフェレス王国の軍師として迎える。また、わが娘エミルの相談役兼騎士に任命する」


 「ありがたく拝命いたします。拝命するからには我が命が尽きるまでこの国、国王に忠誠を尽くしていく所存です」


 「うむ、励むがよい。それからこれがお主の階級を表すマントだ」

 

 渡されたマントの色は蒼色であった。


 「陛下、この色はどういった意味を表しているのでしょうか?」


 本来周りの将軍、騎士などを見ても単色の色しかない。将軍たちは黒のマントを、文官たちは白の着物を着ている。


 「それは軍師であることを証明するものだ。この国にたった一つしかないマント。それをつけているものには戦時の作戦立案、行動基準、などの主に軍部について発言する権利が生ずる。もちろんすべてを決定することはできない。最終的な決定は国王である私がやる。だがもし戦場に立つことがあったら旗本である将軍の補佐、あるいは軍を率いてもらう。わかったか?」


 「分かりました」


 「よしでは軍師ライ・ジュリアール伯。おぬしに最初の任務を与える」


 ジギル国王が出す最初の任務を聞く。


 「最近北のほうで不穏な動きがあるという連絡が入った。地方責任者に詳しく聞くと反乱の可能性もあるという。なので、ライ・ジュリアール伯。お主に千の兵を与える。その兵を率い北の町エンリデンヌに向かい原因を取り除くように。もし緊急性が高ければ近隣の貴族たちにも応援を要請するように。副官としてそこにいるティアリス・フロレンスをつける。よいか?」


 「千人の兵数で北の町エンリデンヌに向かい原因究明、及び排除する。その任確かにお受けいたしました」


 「うむ、では早速準備に取り掛かるように。おぬしに預ける千人の部隊は特別な部隊でな。少し癖のある人員がそろっているが実力は保障する。そして、将来は直属の部隊にと考えている。今日明日にでも会っておくがよい。部隊の名前は第十三大隊だ」


 「了解しました」


 「では行くがよい出発は準備ができ出発する前に報告だけするのだ。よいな?」


 「分かりました。では早速準備をいたします」


 「よし、では次は―――――」


 そういってライ達は王座の間から退出し一息つく。


 「とりあえずおめでとうかな?ジュリアール伯?」

 

 「ティアまでやめてくれよ。いつもどおりライで頼む。じゃないと副官ティアリス殿とか言うぞ?」


 「うわー、それはやだね」


 「だろ?」


 二人でそんなことを言いながら話していると

 

 「コホン!」


 また前回と同じように王座の間の前に立っている衛兵に咳をされた。


 二人とも苦笑しながら歩き出す。


 「じゃあ、早速その第十三大隊にいっているか」

 

 「うん!一癖あるって行ってたけどどんな感じなんだろうなー」


 そういいながらライ達は第十三大隊がいる軍部へと行くのであった。


 

 

 

これから先ちょっと忙しくなるのですができるだけ毎日更新していことうは考えております。ですが少しだけ間が開いてしまったときはご了承ください。

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