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第十二話 第二戦目の開始 後半

夜に書いていたのですが終了が深夜になってしまったので、翌日に出すことにしました。

あと、後半のほうは部隊戦の表現を扱っているので文字数としては少なくなっております。

ではお楽しみください。

 城壁付近の平原で開催された優秀者決定戦。ここで今銅鑼鐘が鳴り響き二つの部隊が動き始めていた。


 王都から向かって左に展開している部隊はイウル伯が率いる部隊。こちらには赤い旗が立てられていた。


 対して反対側にいる部隊はライが率いる部隊。こちらには青い旗が立てられている。


 まず最初に動いたのはイウル伯だ。陣形を構築し始める。


 イウル伯の陣形は鳥が羽を広げたように構える陣で敵が中央本陣に攻撃してきたら左右を包み込むように包囲できる陣形。


 ジギル国王は無難な選択をしたと判断して次に動き出したライの部隊を確認する。


 すると軍関係者を含めたものたちは驚いてしまう。なんとライたちの部隊も同じ陣形を構築し始めたのだ。


 これに周りはライの評価を落としてしまう。


 相手の陣形を見てから動かしたはずなのに同じ陣を構築するのは、ライが平民の出という先入観もあって真似をしたと思われたのだ。


 これにはエミルやジギル国王、ティアでさえなぜという疑問が出ていた。


 見下した評価をした中の一人にはイウルも含まれていた。


 「ふっ、いくら腕がたとうが軍を率いたこともない素人にはこれが限界か」


 ましてや人員の工作をして兵の質が違う。もしこのまま正面衝突すれば実力差で相手は総崩れになるだろう。


 「相手は愚考の策に出たぞ!全軍前進!左舷、右翼、中央、同じ速度で正面の敵に攻撃せよ!」


 イウル伯の号令と同じくしてライも進軍を開始する。


 特に変わったこともないことから勝利をほぼ確信したイウル伯。


 でもイウル伯は思慮に欠けている。あれだけ先日見下して負けたのにまだ相手を見下しているのだ。しかもいくら工作をしたからといって絶対に勝てるとはいえない。


 お互いの陣営が全面的に細長く縦に伸び、互いの距離が縮まりついに戦闘が起きるかと思われた矢先ライの陣形に変化が起きる。


 突如左右に開いていたライたちの部隊が敵とはぶつからずに左右に別れ展開し始めたのだ。


 これを見てイウルは驚愕するがすぐに思い直す。あのように部隊を完全に分けてしまったら、指揮を伝えることはできないのだ。


 だったらこちらは落ち着いて対処するのみ。


 「少し驚いたが所詮悪あがきだな。敵に惑わされるな!左右の兵は正面の敵をそれぞれ追撃!中央の部隊は敵本陣に向かって前進せよ!」


 さすが騎士として小規模だが部隊を率いたことがあり冷静に対処できている。


 しかし、イウルは再び選択を迫られる。


 再びライの部隊は四つの部隊に別れ背後に回ろうとしていた。


 「くそっ!ちょこまかと!右翼左翼はそれぞれに攻撃!中央は直進をやめ敵襲撃に備えるぞ!」


 そういって、イウル伯がいる中央部隊は防備を固め左翼、右翼の部隊は敵に攻撃を仕掛ける。


 初めて二つの部隊は激突した。


 「おらぁ!」


 「こんちくしょう!」


 訓練とはいえ、いつもは先輩や実力で上回っている同僚に対し今回勝てるのではと希望を持てていた為にライの部隊は指揮が高かった。


 しかも左翼と右翼の陣は二部隊ずつ攻撃していていくら実力差があっても数の暴力と勢いには勝てずに最初の一手はライに軍配があがる。


 とここでイウル伯は奇妙なことに気がつく。中央を防備させて実力差で左右を押そうと考えていたが、一考に中央に攻撃が来ないのだ。


 周りを注意深く見てみるとライという小僧の本陣にいくらかの兵が待機してるのみで動こうとしてはいないのだ。


 「一体何を考えている?」


 自分ならばこの混乱を気に中央に部隊を当ててくるはず。


 イウルはこの状態で二つの選択を迫られる。


 一つは中央を動かし敵本陣に強襲して小僧を駆逐する。


 もう一つはあの本隊を警戒しつつ両翼の敵を撃破するか。


 「……」


 イウル伯は選択した。


 「両翼の部隊はそのまま戦線を維持!中央部隊は前に突出して敵の本陣を叩く!中央部隊進めぇ!」


 イウル伯が号令をかけると両翼の部隊が戦線構築している中、イウル伯が突出し始めた。


 小僧の本陣には多く見積もって百人程度。実力差で勝っている兵二百ほどで攻めれば勝ているだろう。


 「これでお前の負けは確実なものとなった!」

 

 だが、再び変化が訪れる。


 今まで両翼に広がって正面の敵相手に戦っていたライの部隊が前衛数百を残しイウルたちの背後に詰め寄っていたのだ。


 それに気がついた兵士がイウル伯に叫ぶ。


 「イウル様!敵の部隊が背後から迫ってきております!」


 「なんだと!」


 イウルとしては本陣に対して攻撃がうまくいかなければ裏を突かれる危険性も考慮に入れていた。しかし、それにしても早すぎる。これはもう本陣を蹴散らしそのまま直線で逃げるしかない。


 「全員前方の敵に集中するんだ!」


 そう叫びついにイウル伯が率いる本陣二百とライの本陣に配置していた兵士百人との戦いが始まる。

 

 イウルの考えてとしては勢いで簡単に蹴散らすことができるであろうと考えていたのだ。兵数も少なく実力も低いのだから。


 でもそれは前提条件が間違っていることになる。


 ライの本陣にはイウル伯が連れてきた二百の兵士と同数の数がいる。


 この二百の兵士たちと最前列にいた部隊長(ライが戦闘の兵士を仮の部隊長としていた)二人に出していた指示は相手の攻撃を耐えること。


 部隊戦でお互い殲滅を目的とした戦いならば戦線が早々にどちらが崩れるかもしれない。しかし、片方が防備を固め防ぐ戦いをするとなれば兵数が同じ場合、実力差が違ったとしても早々崩れることはない。


 「なんでだ!何で崩れないんだ!」


 苛立ちを隠そうともせずにイウル自身も敵の防衛網を突破しようと攻撃するがなかなか成功しない。


 その間にも後ろからライの部隊が迫ってきていた。


 「おい!後ろにいる両翼の部隊は何をやっている!敵がこちらに来たならその分 敵を後ろから攻撃できるだろう!」


 だが、イウル伯が後ろを向き見た光景は未だに戦っている兵士たちと迫ってくる敵だけだった。いくら叫んだところで距離がありすぎて指示はできない。


 「どうして相手は手足のように動けているんだ!」


 軽い混乱に陥り始めたイウル伯の叫びに返事をした声がいた。その声は後ろから迫ってくる部隊から聞こえてくる。


 「それは俺一人ですべてを動かしているわけじゃないからだ!」


 再びイウル伯は驚く。本陣にいるはずのライがなぜか後ろにいるのだ。


 どうやって後ろに


 この原因を調べようと考えようしたがそれは無理であった。


 いくら実力差があろうと前後から自分たちより大きい兵数で攻撃されたら壊滅するのは時間の問題で、新たに指示を出せないイウル伯は負けるしかない。


 それからしばらくして最初と同じように銅鑼鐘が鳴り響き模擬戦は終了するのであった。

 


 



 




 

できれば10時、18時 21時、22時を目安で投降しようと思っております。よろしくお願いします。

追記

18時に最新話を予約中ですよろしくおねがいしますー

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