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【狂化】スキルに特化にした最強の【狂戦士】になろう!〜知能値-9999を代償に手に入れた力で無双するVRMMO〜  作者: 左ライト
アップデート編!

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どうしてこうなったッ!

──どうしてもこうなった……ッッ!!!!


 槍を握るエスレイちゃんに、対峙する騎士隊とその隊長らしき人。そしてこの聖堂に集まった数十人のプレイヤー。

 彼ら全員の視線を一身に受けながら、俺は内心で唸りを上げる。


 おかしい……ッ!絶対におかしいッ!!

 今回はそういう面倒なパターンじゃなかった筈だッ!!どうしてこんな状況になっているッ!?


 フルンディングを手に入れた時はアレだ……その、ちょっとしゃあない部分があったっ!

 おちゃめな【狂化】くんが何人か人を殺っちゃってて、当然の如く恨みを買っていたからな。これに文句はギリ言えない、俺の監督責任だ……ッ!


 第一回イベントはそもそもそういうイベントだ。

 ロイヤルジュエルを奪い合ったあの戦いは、不倫の野郎の腹立つ言動こそあったがあくまでも戦略。あんなのでも真面目にイベント攻略を目指した結果、これも文句は言えないね。


 だが──今回は違う……!!

 あんまり自慢するモンでもないが、今回は結構頑張ったはずだッ!

 無駄に俺がヘイトを買うことを認知した上で、プレイヤーとカチ合わないよう行動を取った!!NPCに嫌われるのも分かってるから、干渉はしないようエスレイちゃんは放任した!!


 だというのに……ッ!!何故だッ!!?

 なんで仕事を任せた()()()()大問題(カリス・アレクソン)起こ()しているゥ───ッッッ!!?!?!?


 ハイここで問題ですデーデーデデンデンデデデンッッッ!!!!!!


 Q.限定クエストの報酬が欲しかったので、Aさんは部下のBさんにクエストを受けてくるように頼みました。


 Bさんはクエストを依頼してくるCさんに個人的な恨みがあり、クエストの終わりにCさんを殺してしまいました。


 さて、これは

 「Bさんに恨みがあると知らずCさんの依頼を任せたAさん」と

 「Cさんに恨みがある事をAさんに伝えなかったBさん」と

 「Bさんの恨みを買っていながらそれを忘れていたCさん」の内誰が一番悪いでしょうか?


 A.答えは無い。皆等しく互いの事を考えていなかった、いうなれば全員が悪人。

 責任逃れしてェ〜〜〜〜ッ!!俺は悪くないって法廷で言い訳してェ〜〜〜〜ッッ!!!!


 チィッ!!しかし起きてしまったからには仕方がない……大切なのはここからの対応だ。

 大丈夫、俺は元とはいえど社会人──そして上司が起こしたミスの尻拭い謝罪回りを手足の指で数え切れない程行ってきたスーパーカリスマ謝ラーッ!!


 先方のすっげぇ偉い人を一人殺しちゃったぐらい謝りゃ許してもらえるだろっ!!見せてくれるわテクニック────ッ!!


「えーもう一度言わせて貰いますが、こちらとしては一旦話し合いの席を取らせて貰いたい。

お互いに主張したい事、意見の食い違っている部分があるはずだ。今回こうして残念な結果になってしまったが──」

「ッ黙れェ悪人めェえええッ!!貴様等のような者と話し合いだとォ!?出来るわけがないだろうがァッ!!その()()()()()()()を隠してから物を言えェえええ────ッッ!!!!」


 FOOOOOOO!!断固とした拒絶ゥ〜〜ッ!!

 そういやあったね【殺意の塊】とかいうクソスキルッ!最近エスレイちゃんと普通に話せてたからすっかり忘れていましたわッ!!

 コレじゃあ謝罪交渉もままなりませんねクソボケがァ────ッッ!!!!


 困ったなぁ〜!流石に話し合いすらできないとは思ってもみなかったでござるよ薫殿!あの不倫くんでも会話ぐらいは出来たのにネッ!!


 あの反応的に、エスレイが殺しちゃったすげぇ偉そうなジジイは田舎っぺのオラが思っとるよりずっどえんれぇ御方だったのだろう。

 そして事態に対する謝罪を含めた対話の余地はたった今完全に失われた。


 となれば俺達は光輝神聖会と純粋な敵対関係になり、今立っているのは敵陣ド真ん中ってワケっ!

 どうしよう割としっかり終わったな。

 だがこうなった以上は仕方がない、やる事は一つだ──!!


「ふぅ……なるほど、交渉の余地は無さそうだな。残念だよ、アンタ達と敵対したくは無かったんだが──」

「ッ防御陣形──ッ!!奴と男、両方の攻撃に備えろォおおお───ッ!!」


 俺は手に持つフルンディングを構え、騎士隊のいる前方を見据える。

 その数は精々二十人前後か……だがその全員が手練れなのだろう。声のデカい騎士隊長の言葉を受けて、即座に盾を構えて陣形を取った。何かの詠唱をしている者までいる。すげ〜騎士っぽ〜。


 互いの視線をぶつけ合いながら俺は姿勢を更に深くして、地面を強く踏みしめる。動きに合わせて盾部隊もその結束を一層高めて────今だな。


「来るぞォおッ!!絶対に受け止めろォおおおお────ッ!!」

「「「【聖盾】ッ!!」」」 


 地面を蹴り上げようと言うその瞬間、それを見極めた騎士隊長の声に続いて魔法部隊の詠唱が終わる。

 盾部隊の目前には巨大な光の盾が現れ、守りの構えは二重構造化。魔法と騎士のタッグにより、その防御陣形を完全な物となった。


 流石は鍛えられた精鋭部隊だ、突然の戦いでありながらこうも完璧な連携とは。まともにぶつかり合っては流石に防がれていただろう。

 だが──


「うおおおおおッ!!【超跳(スーパージャ)────(ンプ)】ッッ!!!!」

「なっ何ィい────ッッ!!?!?」


 そもそも戦う気なんてないんだなぁ〜これがッ!俺は陣形の上を飛び越えるゥ〜〜〜〜ッ!!

 アホめッ!!防御構えてる奴等に突撃キメる馬鹿がいるかよヒャーハッハッハッハ────ッッ!!!!


「っとよしとっとと逃げるぞエスレイ!」

「はいっバサラ様っ!」

「っやめろッ!!待て──ッ!!」


 文字通りアホ軍団を下に見てから颯爽と着地。

 何度も言うが光輝神聖会と争い合いになどなりたくないのだよ、奴ら国とズブズブだからね!


 せっかく拠点にしてる国から犯罪者扱いで追いかけ回されたらたまったもんじゃないっ!

 こちとら既に悪質ストーカーセルフで数人飼っとんのじゃ……!!これ以上平和を乱されてたまるか────ッ!!


 なんか抱っこを要求してきたエスレイを軽く片腕に抱えつつ、今度はステンドグラスを叩き割って逃走だッ!!

 うおおおおお自分で走れド戦犯ッ!!なんちゅう時にデレ期入ってんねんッッ!!!!


 そしてなぜ俺はそれに従っている……?視界の半分を占めながら揺れる豊かな双峰に目を向けつつ首を傾げた。


「そうでしたバサラ様お口を」

「オームをぬちににれないねうれぬ?」


 なんか言われたのでしゃあなしに口を開いたらスキルオーブを突っ込まれた。自分を抱えながら走ってる人間に対してする所業かこれが?


 このままモゴモゴしてる訳にもいかんし、ポッケに入れる余裕も無いのでもうこのまんまで使ってしまおう。視線操作でポチポチと。


 くゥ〜〜!スキルの定着する感覚染みるゥ〜〜ッ!

 なんでこんなスキル一つの為にクソデカ組織を敵に回さにゃならんのだろうッ!

 まさか策略?策略なのか??全てはルイス氏から【神祷霊奇】について教わった時から始まっていたッ!??そんな訳無いねごめんなさい。


「追手は見えるか?」

「私の視界の限りではいないかと」


 せっかく抱えてるのでエスレイに背後の様子を見させるが、どうやら一人もいないらしい。

 本当かと軽く目を向けてみるが、確かにそのようなものは影も形もない。目に映るのは突然の事態に困惑する市民NPCの姿ばかりだ。


 おかしいな……あの騎士共がそう安々と俺達を見逃すものか?

 特にあの騎士隊長は激情家に見えた。だというのにあの状況で追わないというのは異常に感じる。


「よし!俺ここに残るから、エスレイは噴水広場から一の街にGOだ!向こうには迎えを呼んでおこう」

「……防御スキルはもう消費してしまいましたが」

「最高位神官のいる時に主教会外へ戦力を置くとは思えん。向こうさんの主戦力があの程度とすれば、まぁ逃げるだけならいけんだろ」

「了解しました、それでは」


 目の前で起きる異変にせっかく作ったアイテムのロストやエスレイの拘束、様々な危険を鑑み天秤にかけた上で最終的に直感を選択。エスレイを噴水広場へ向かわせ、俺は殿として残る事にした。


 アイツの装備品は相当な代物だ。

 イベントの限定衣装にA〜S級のレア素材を注いで、ゲーム内でもトップクラスだろうプレイヤーによって編ませた……製作者(グレン)曰く「知る限り最高性能の神官服装備」


 ゲーム内のプレイヤードロップの仕様が戦闘NPCにまで及ぶかは不明だが、同様の物とするならば彼女を倒せば相手に奪われる可能性は低くない。あれを失うのは惜しい。

 それを抜きにしても、友人に作ってもらった装備を無くす可能性は低くしておきたい。


 それらを考えた上での判断だ。

 俺の勘通りなら俺達を追ってくるのは相当な手練れ。しかもプレイヤーだ。


 騎士隊長が急に止まった要因を考えるなら教会で何かが起こったと考えるのが道理だろう。

 なにしろ事態の状況は俺達を追い始める瞬間までに外部には漏れていない。

 下手な動きをすればエスレイに最高神官を殺されかねない状況だったからな。結局死んだけども!


 そしてその後は一直線。

 攻撃と反撃と回復と襲撃と逃走、これらの動きには一切の余白は無かった。

 となれば当然、外部に状況が漏れる隙は無かったという事。だと言うのに止まる必要は全く無いはずだ。


 他教会からの連絡・指示の線は無い。

 この状況において、光輝神聖会が最高神官殺害の犯人を追う以上に優先する事柄はないだろう。キレてる騎士隊長が指示に従うとも思えないしね!


 他NPCによる指示・連絡も同様。

 キレてる人間がそういうのはあっても全部後回しにするのは実体験から見て明らか……ッ!!


 ここから推測できるのは「相手がNPCではない事」と「最高神官殺害者に繋がる物事への対応」であるという事。


 イコールは────強敵ッッ!!!!


 俺は無法レベルといえどNPC戦のアルスカトリーヌですらカツカツだった身だ。しかもあの時と違い事前の経験値強化も無い。


 あれ以降にも少なからず新スキルも獲得しているが、大きな強化は【神祷霊奇】だけ。

 ナーフ前の【狂化】でも不倫相手に苦戦してから絆パワーの勝ちだかんね、流石にエスレイよ面倒までは見切れない。


 故に最適解はコレ──ってゆー判断ってワケ。

 流石に雑魚は邪魔なので、姿の見えん強敵は俺がここで受け止めてエスレイは逃げる。それが俺の回答だ────ッ!!


 ピポパピとログインしてたブランにフレンドメッセージでエスレイの回収をお願いしつつ、俺は教会方向へ注意を向ける。

 オラオラさっさと出てきやがれっ!こちとら特化構築だから何が来ようとやれる事変わんないんじゃいっ!!


 その瞬間、割れたステンドグラスから一つの影が飛び出したのを目視する。

 即座に大剣を構えて応戦の構えを取りつつ周囲を警戒。もう【狂化】を使ってしまってもいいが、他の誰かに反応して応戦できなくてはかなわんので至近距離まで寄ってからだな。


 視覚と聴覚に全力で集中。

 風音とそれに揺れる木々のさざめき、鳥の鳴き声、虫の羽音──床石を強く踏み切る音ッ!!


「──ふんぬァッ!!」

「ッ──受けられるか、意外だな」 


 ッシャアッッ!!!!八割運ッッ!!!!

 スキル宣言の間もなく視界になんか見えた気がしたからダメ元でぶち込んだらなんとかなったぜヨッシャラッキ────ッ!!


「ふぅ……残念だったな、殿ぐらいはこなさせて貰う」

「それも意外だ、アンタみたいなタイプは作戦行動は取らないと思っていた」


 下手に攻撃を受けたくないので余裕ぶりつつ、俺の事を馬鹿だと思ってる失礼な襲撃者を目視する。


 軽装の鎧装備を纏いつつ、両手には剣と小盾。全体的なカラーは明るめだ。

 外見の年齢は二十代後半ってところかな?まぁゲーム内の外見に意味とかかないけども。


 そんくらいかなそんくらいだねっ!ハイ分析終了ッ!さっさとブチ殺しタイムに入ってしまおうか──ッ!!


「──俺はログレス、ソロプレイヤーだ。できればだが……戦う前にアンタと話がしたい」


 ……そう思考して口を開こうとした時、襲撃者──ログレスは突然自らの名を口にして、構えた剣先を床へと下ろす。

 余りにも無防備な姿勢だ。今叩きに行けば確実に殺れるだろう。


 突然そんな無防備を晒してまで話したいとか……コイツ、一体何を考えているんだぁ〜〜?

なんと、日曜日なので2回更新。

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