みんなであそぼうっ!
なんやかんやとありつつギルドホームへの帰宅に成功したワシと乳は、特にホームには用事が無いのでレベル上げに直行しようと思っていた。
しかし当然ながらここには先に来たメンバーがおるわけで、既にインテリアを買いに行ったらしいオッサン以外のメンバーに遭遇。
ほならまぁ紹介しない理由も無いので紹介する事にしましたまるッ!
「今日付けで転校してきたエスレイちゃんだー。校内のルールとかわかんない事もあるだろうから、困ってそうなら積極的に話しかけてやれー」
「エスレイ・B・ドレイクです、どうぞよろしくお願いします」
「ハイハイハイハイッ!!俺らもここのルール今日来たばっかりなので分かってないのに何を教えろって言うんですかッ!!」
「うおおおお────ッ!!おっぱいがデカすぎるッッ!!!!」
「黙れええええええ────ッ!!新入りの女性に対して青少年のいる場で体型に対する指摘をするなど恥を知れッ!!貴様等にはほとほと愛想が尽きたッ!!このAランク冒険者パーティ『無窮の剣』から追放させて貰うッッ!!!!」
「覚醒展開キタコレ」
「なんかの理論でお前弱くなるから気をつけるんだな──ッ!」
もうなった後なんだよアホ共め……ッ!!
言うだけ言ってトッタカどっかに逃げやがって、エスレイちゃんがびっくりしちゃうだろうが!
うん?口で言われるぐらいはいい?別に慣れてるから気にしてない?やさしい……でもそれ以上に哀しいコ、日常がセクハラだったはず……
「エスレイさんって言うんだ!よろしくね〜っ!」
「最近話題のNPC、バサラさんの雇用だったんですね」
「なんか分かんないけど話題らしいな。このゲームのプレイヤーはエロって事だ」
ブランよ、そう変な顔をするな……世界とは案外狭い物なのさ──。にしてもリオちゃんに手をブンブンされて見たことない顔してんのワロですわね!
普段スケベプレイヤーに囲まれながらエロ親父の近くに居るんだもんな……彼女みたく純粋なタイプは珍しいか。ヨシッ!二人が仲良くなれるよう、おじさん一肌脱いじゃうぞッ!!
「これから地下の個人ダンジョンに行くんだけど、二人も来るか?」
「……個人ダンジョンってなんですか?」
「ドロップは無いけど、経験値稼ぎができるらしいぞッ!蘇生はギルドホームだッ!!」
下手に触んのもアレかと思ってギルドホームにしなかった【墓窟教会】はなんかそんな風になったのだ俺もよく分からん────ッ!!
しかし分からんもんを放置する程愚かしき事も無い。故にみんなで個人ダンジョンに行ってみようの会って訳ですねぇ〜〜!賢山賢子ッ!!
ちなみに推奨レベルの設定もできる。最低10最大50で、なんかダンジョンレベルをアップするともっと色々変わるらしい。知らねぇ〜〜っ!!
「すご〜い!私いきた〜いっ!」
「なら僕もついてきます」
「ようし決まりだなッ!んじゃあ早速行くぞ〜〜ッ!!」
ウィンドウを開いてポチポチッ!シャーッとやってパーッとすれば、目の前に紫色のゲートが現れるッ!
驚く三人についてくるよう合図をしつつ、俺はその門の先へと進んで行ったのでしたッ!!
▽▽▽▽
入った先はいつもの洞窟、つまり上位ダンジョンだった頃のそのまんまだ。【墓窟教会】なんだからそんなもんですわな。眺める内に三人も来たぞ!
「ここって、もしかしてダンジョン時代の?」
「上位ダンジョンだった場所だな。前は難度7とかだったけど、今は推奨レベル30ぐらいだから安心しろなっ!」
「ここが──」
俺の反応を見てかブランが不安そうに言うのでちゃんと説明する。俺は新人のバックアップができる上司なのさ──!
レベル設定もちゃんとやったぞ!ブランはレベル30半ばらしいがリオちゃんの方は25手前、エスレイちゃんとおんなじ位で丁度いいはずッ!それなりの難易度はあるはずだッ!!
「まぁヒーラーのエスレイちゃんもいるし死にゃしないさ、程々に気合い入れるぞ〜っ!」
「頑張りま〜すっ!」
うんうん!元気な事は良いことだねっ!
杖を掲げてルンルンなリオちゃんに和みつつ少し進むと早速モンスターが登場した。うおおおおっ!!みんな〜〜ッ!!殺せぇ〜〜〜〜ッ!!
「リオ、いつも通りで!」
「は〜い!」
現れた五体の剣持ちゾンビに対し臆する事なく二人は行動、リオは詠唱を開始する。
そしてそのままブランが疾走。向かってくるゾンビに対して急接近し──
「──【属性付加・火】っ!」
「技能、【斬撃】!」
リオによって属性効果が付与された剣で、技能によってゾンビを脇腹から横裂き。炎上と共にゾンビの上体が地面に落ちる。
それの光景を視界に捉えたか、仲間がやられた事に気付いた他のゾンビも迫り剣を振るうが、そこは実力でしっかりガード。
更に【誘導】の技能を使って後衛に向かうヘイトを自分に移す丁寧なスキルコンボを決めていく。というか丁寧すぎるくらいだな。
「【ホーリー】」
「──【ファイアー・ボール】っ!」
ヘイト先が変わりブランに続こうとした二体はリオちゃんとエスレイちゃんが対応。
天属性は霊体・死体に効果を発揮し、火属性は屍肉を焼き尽くす。ゾンビにとってはまさに天敵。
対応を取る間もなく、赤い炎弾と白光に包まれゾンビ達は消滅した。
「技能【剣払い】、【貫撃】ッ!」
そしてブランも受け止めた二体目を技能によって払い除け、体勢の崩れた所をもう一つの技能でトドメを刺す。
そして最後の一体は───
「うおおおおおおおおおお殺す殺す殺す殺す殺すッ!!」
俺の獲物だァアアア────ッッ!!!!ヒャッハァアアアッ!ドンドンドンッ!!ハイ殺害完了ッ!!ふぅ〜〜一仕事だぜ……!!経験値しょっぺぇ〜〜っ!!
「流石普段からパーティなだけあって、二人のコンビネーションは抜群だな!」
「でしょ〜っ!いっつも頑張ってるからねっ!」
「……頑張ってるの、どっちかといえば僕だけどなー」
おっとブランよ、ここは爽やかに褒めて流す所だぞ。初心者とは褒めて伸ばすものだ!
いやでも一月近くやってんだもんな……初心者感は薄いし実際合わせるように動いてたのはブランだし。確かに頑張ってるのは君だ、ちゃんと俺はわかってるぜ……!
「リオさんの魔法は……威力が弱いですね。詠唱も遅いですし、【不意打ち】の補正がなければ威力が足りなかったやも」
「ギ、ギクッ」
「あー、リオは魔法特化のステータスじゃないんですよ。僕が教えるより前にアバターを作っちゃったので」
エスレイちゃんからのドギツイ指摘にブランが返す。なんでも通常魔法職が上げる知力値よりも、他のステータスを優先した万能型……言ってしまえば器用貧乏型のステータスになっているのだとか。
このゲームにおいて知力が魔法に与える影響は多いと聞きおよんでいますっ!
知力が低いとそもそも習得できないし、詠唱も伸びるし、威力も下がる。百害あって一利なしとはまさにこの事……!!
そりゃあブランが主力になる訳だ。必要以上にヘイトを稼いでたのは、彼女の詠唱時間を稼ぐ為だったのだろう。
「それなら上位職選択は待ったほうがいいんじゃないか?今のまんま魔術師方面に進んでも限界があるだろ」
「え〜?でもわたし魔法使いたいよ〜!」
「……まぁしばらくは情報集めですね」
ここで否定しない辺りいい奴だよなブランっ!まぁ単純にこっから方向展開しても意味ないからかもだがッ!!
確か初期職のままレベル25を超えても、後から選択したら25以降の分は上位職分に換算されるからな。思う存分に悩めばいいだろう!
「ま!ここで考える必要もないし、まずはとっととレベル上げだなッ!」
「もっともっと倒すぞ〜っ!」
という訳で俺達は奥へ向かってズイズイと進んで行く。どうせ出てくんのは上位時代の雑魚以下だからな!俺の素の実力もチマチマ上げていくぞ〜っ!




