貰いもんで装備を作ろう!
その後、俺はサッサカチャッチャッパパパパパパのパパパのパァ〜〜〜ッッ!!!!っとギルドの立ち上げとメンバーの登録を済ませ【グレート・ソード】は正式にギルドとして成立したッ!!
「よっしゃあ!そんじゃあ早速ギルドホームいこうぜ〜っ!」
「うおおお〜っ!!探検するぞ探検ッ!!」
「わ〜!わたしも行く〜!」
早速オッサンの店にファストトラベルを接地すると、オキ・モリとリオが飛んで行った。アラサーが高校生レベルにはしゃぐな。
「問題ないとは思いますけど、一応僕も行きますね」
「あら、じゃあ私もいこうかしら〜?」
「アイツらとリオちゃん言う前に行ったからあれなんだけど、ガチで瓦礫以外なんにも無いぞ!」
獲得後の闘技場はあれだけいたアンデッドも湧かない不毛の地となり、ボロボロで汚れまくっていた建物内も廃墟程度に綺麗になっていた。ギルド拠点化ってこんな感じなんだぁ〜って思ったね!
というか、一応拠点な以上備品とか揃えるべきなんだろうか。でもこのゲームの私室ってどんなもんありゃ良いんだ……?最低限ベッドぐらいは欲しいよなぁ。
「それなら私が家具周りの見積もりやっとくわねッ!建築ゲーも守備範囲なんだから〜ッ!!」
「おぉ〜!それなら頼むわ!俺は特に要望ないから、みんなの意見も聞いといてくれっ!予算は高レベ組で割り勘な──ッ!!」
「了解よ〜っ!」
手を振りながら消えて行くオッサン。まぁ最終決定はオキ・モリも入るだろうし、見た目がヤバいことになる事は無いだろう多分ッ!!もしこの店と同じ惨状になったら終わりだ、あの拠点は捨てる事になる。
さて、ブランとオッサンもいなった。となればこの店に残るのは俺とグレンだけだ。
「グレンくんは行かなくていいのか?」
「ボクは別ニ、この店の自室で十分デスし」
オッサンとグレンくんはこの建物自体が持ち家だ。確かにゲーム内で二つも部屋は要らんか……
それにグレンくんに関してはこの店のデザイン担当。既に用意したこちらの方が環境設備も整っているのだろう。
ともかく、行かないというなら都合がいいなっ!さっさともう一つの予定を進めてしまおうッ!
「ならグレンくん、仕事の依頼をしてもいいか?」
「……用件によりますネ。武器と鎧はベフの担当なノデ」
「あぁ分かってる、頼みたいのは服の装備で……んー直接の方が早いか。王都に行ったことある?」
「ありマス。そちらニ何かあるんデスね」
「オッケー!そんじゃあ早速行くかっ!」
うんうん!最近の若い子は話が早くて助かるねぇ〜!彼はきっと立派な大人に育つだろうっ!銀座に『グレン』の名がブランドとして刻まれ、ほっそい女の子が欲しがる日はそう遠くないッ!左足の脛予約しときますねッ!!
▽▽▽▽
なんか前平然と流したが、この『マジック&ブレイド・オンライン』には当然ながら複数の街が存在する。
俺の生活は主に一つ目の街周りで完結しているし、別に現在地を伝える意味もないのであんまり言及しないが──存在するのであるッ!!
オープンワールドなので街と街は繋がってるが、当然その距離はスゲー遠い!それは俺があの頃好きだったあの子と俺の心の距離の五倍位は遠い……ッ!
あの夏の日、俺に明るく笑いかけてくれた少女──しかし、その微笑みは特別な物では無かったのだ……。
まともなゲームでそんな距離を毎度歩いて移動しろっていうのは流石にヤバみが深い。
カジュアルプレイヤーを切り捨てすぎるからね……
そんな訳なので、プレイヤーは一度行ったことのある街ならばそれぞれの街の噴水広場間でファストトラベルが可能なのでしたァッ!!説明以上ッ!!
やって来た王都噴水広場から徒歩10分。やって来たのは王都内でも貴族街に近い通りに建てられた、要人NPCなども利用するという宿屋。内装とかほぼホテルっすね!事前に部屋を予約して、ここで持つように伝えておいたのだ。
この宿屋を選んだのは、その客層から魔法的な干渉に対する備えが万全であるという話を聞いたから。
含み無く言えば面倒に巻き込まれるのが嫌だったのです!俺って何故か恨み沢山買ってるからなっ!下手に認知されると矛先がそっち向くかもしれない、とても面倒だ。
それにほら、街で【狂化】使うと器物損壊とかで怒られちゃうし……
使う事自体には何とも思わんが、先に避けられるんなら避けるのが賢いボクの思考なのさ……ッ!!
「お初にお目にかかります、バサラ様の雇用NPCのエスレイ・B・ドレイクと申します。どうぞよろしくお願いします」
というわけで待たせていたのは当然彼女、スキル回収を任せたおっぱいですッ!!
うーん顔を合わせた直後にこの反応、俺へのカスバイトみてぇな話口調が嘘みたいだなっ!!
「……驚イタ。話題のNPCっテ、アナタの雇用NPCだったんデスね……」
「ん?なんか話題なのか?」
「一応トッププレイヤーなんデスから、掲示板の話題程度追って下サイ」
自己紹介に続けて話そうとしたら、グレンからそう驚いたように聞かれ、呆れられた。
いやだって掲示板とか【狂化】に美味い情報載ってないからクソの役にも立たねぇんだもん……俺に見る価値ねぇよ……
「まぁいいデス、つまりボクは彼女の服を作れば良いんデスね?」
「そういう事になるな。当然普通とおんなじ様に報酬は払う、仲間割とかも言わない」
「今の彼女ナラ、寧ろこっちが払っても良いぐらいなんデスがネ」
そんなニューヨークのカリスマみてぇな感じなのコイツ……?一応の上司に舌打ちと塩対応初手から続けてる奴だぞ……?
やれやれ……一般プレイヤー達はちゃんと心眼を高めて行かなきゃダメだな。ま、俺は彼女のそんな所も気にしないけど──さッ!!
「装備は新造デスか?それとも今の物をベースに?」
「今のをベースでいいな。最初っからアレなのに、急に別物にするのまぁまぁ意味わかんないからな」
つってもアイツ生誕10日ぐらいだからあんま変わんないけどな〜〜ッ!ガハハハッ!!細けぇ事ァ良いんだよ頭軽く行こうぜッッ!!!!
「デザインの方向性について何か希望ハ?」
「希望ぅ〜?おっ……エスレイちゃんはなんかある?」
「特に要望はございません。主様の要望に従います」
ケ──ッ!なんでもいいが一番困るってお母さんいつも言ってるでしょうッ!!毎日毎日ご飯考えるこっちの事も少しは考えてよ……ッ!!お母さんもう疲れちゃった……実家に帰らせていただきマンモス────ッ!!
しかし何もないもんは仕方ない。いつぞやにオッサンを通してデザインを頼んだ時のようにお任せで……
そのように考えた時だ。
ふとあるアイテムが頭によぎった。
なんだこれは天啓かね?しかし色々考えたらアレなのではないか、うーむ。
まあいいや、どうせ何も浮かんでなかったんだし!せっかく思いついたんならこの案を採用っつー事でい〜こおっとっ!
「グレンくん、これ」
「──これハ……希少な装飾品デスね。どこで手に入れた物デスか?」
俺はインベントリからそのアイテム──『狂気に堕ちし姫の首飾り』を投げ渡す。
「っ、それは……!」
「知人からの貰い物だ。変なものじゃないと思うから変な物じゃない筈だ──安心してくれッ!」
「呪い由来のアイテムデスが、問題は無いでしょウ。これと合わせるようなデザインでいいデスか?」
「あぁ、それで頼む!」
エスレイちゃんがなんか変な顔してたが、まぁ問題ないだろうっ!
光輝神聖会の神官だから呪いの類には敏感なのかな。しかし天啓には従ってもらう、俺に従うとは君の言だからねェ〜~ッ!!
ん……?そういえばさっきからまともにエスレイちゃんと話せてるな。光輝神聖会への派遣による影響かな?
確かプレイヤーから話題とかなんとか言ってたし、そこでクソ客の怒られない対応でも学んだか……!エスレイちゃん、成長したな……ッ!
さて、俺の返答に頷きで返したグレンくんは、インベントリからスケッチブックとペンを取り出した。デザインのイメージをまとめるのだろう。
首飾りとエスレイちゃんを何度か交互に見てから、ペン先を顎に当てて難しそうな表情を浮かべる。
目も瞑って頭も傾けてと、すごくわかりやすい考えポーズだ。沢山案を出してくれてるのかな〜
そしてしばらくすると再度頷いて、サラサラと紙にペンを走らせ始めた。
ワシは美術に関して興味・関心・意欲それぞれ及第点の評価を学生時代与えられていたほどなので詳しい事は言えんが──上手いねっ!俺の同級生が描いた修学旅行のしおりの50倍は上手いぞッ!!
軽いタッチで描かれていく神官服は、神官らしく節度を保って露出低めでありながら、女性的魅力の感じられるデザインだ。
しかも元の宝晶シリーズの印象を残しながら、確かに『狂気に堕ちし姫の首飾り』との合わせらしい意匠まで組み込んでいる。
流石はオッサンの選んだ相方……これでまだまだ若いって言うんだから恐ろしい子。
やはり将来はザギンのシースーか……ッ!!
「────こんな所デスね、確認をお願いしマス」
「うんうんオッケーオッケーッ!最高のデザインだッ!!将来デザイナーにでもなったら養ってくれよな──ッ!!」
「嫌デス」
こうしてエスレイちゃんの装備デザインは決定された!
今の物と比べるとどう考えても邪教堕ちしたみてぇなデザインだけど問題ナイナイッ!だってフツーに考えて黒い方のがカッケーし〜~ッ!!
「効果についてハ……本人に聞いたほうがいいデスね。要望はありますカ?」
「別段、現在の物に不満は無いのですが……」
おっと平然と蚊帳の外。しかし装備使う人がそこは考えるべきだもんな、甘んじて受けよう……!
「……そうですね。その首飾りを、見せていただいても?」
「いいデスか?」
「もちろん、好きなように」
しばらく悩み顔だったエスレイちゃんはそう言って、グレンくんから首飾りを受けとる。
浄化でもされるのかと思ったが、しばらく全体を眺めてから何もせず返却。そして……
「グレン様、お耳を」
「……ハイ」
なんか急に耳舐めASMRモードが起動した。なによッ!私には聞かせたくないって言うのッ!?この私をだれだと思っているわけ、雇い主は私なのよ────ッッ!!!!
「……なるホド、理解はしまシタ。しかし本当にそれでいいのデスか?」
「はい、それが一番かと」
「であレバ、止めはしまセン。最大限要望に沿いましょウ」
ハンカチをもぐもぐする時間もないぐらいソッコーで話は終わったらしく、グレンくんが変な顔しつつ要望を受け入れていた。
エスレイちゃんはどんな効果を望んだのか……真相は君の目で確かめるんだッ!俺は完成した装備受け取ったら先に見るよっ!!
「素材デスが、【呪詛】【怨念】【信仰】の特性を持った素材が必要になりマス。手持ちにはありますカ?」
「おう!特性とかは分かんないけどそういう感じのアレは持ってるぞ!」
そうだ、そもそも今日エスレイちゃんの装備を強化しに来たのは他でもない。
アルスカトリーヌから貰ったアイテムや素材を使ってみようかなぁ〜という俺のお試し感覚が六割なのである────ッ!!
単純に貰った量がアホみたいに多いんだよな、トランクルーム借りて押し込むにも二個は必要なぐらいある。
本人が言ってた通りガラクタも多いが、使える素材だけでも一財産。せっかくこんなに貰ったならパーッと使った方がいいだろうパーッとっ!!ってなわけでド────ンと素材を提出ゥウ〜~〜〜ッッ!!!!
「えーとりあえず【悪霊の黒骸布】【黒の忌旗】【呪染糸】【怨血晶】……他にもあるけど、必要か?」
「十分デス。エスレイさんには代替装備を渡しますノデ、今着ている物と取り替えてくだサイ」
「了解しました」
エスレイちゃんの装備も渡して準備は終了!
あとは完成を待つだけだ!グレンくんの事だ、しっかりやってくれる事だろうっ!
「それでは作業に取り掛かるノデ、ボクは店に戻らせて貰いマス」
「了解だ!楽しみにしてるぞっ!」
「期待に沿えるヨウ、がんばりマス」
そう言ってグレンくんは大きい体を屈ませながら部屋を出ていった。完成したら連絡をよこしてくれる事だろう。
さて、そうなるとこの部屋に残るのは当然俺とエスレイちゃんの二人だけ。予定してたお話は終わったので、彼女は帰って貰っていいのだが……
「──エスレイちゃん、任せた仕事の進捗はどうなってる?」
「つつがなく。対象の次第では、数日の内に達成できるかと」
頼んだ仕事──【神祷霊奇】の回収任務。その進捗の具合は確かめておこう。
しかしなるへそ、2週間程度でクリアね。流石おっぱいが大きいだけはある。
今の俺にとってスキルは生命線だ。以前より力を衰えさせた【狂化】では、あの不倫男のような格上のプレイヤーには刃が立たない……かもしんないっ!
【第一回イベント】を突然の週末開催予告したような運営だ、次にいつ【第二回イベント】が開かれるかなど予想できた物ではないからな。対策するに越したことは無い。
「了解だ。下手に急ぐ必要もない、君の予定で事は進めて欲しい。その後の指示は改めて出す」
「はっ」
へへへ……次は何にしよっかな……!
ギルドホーム手に入れて鼻は明かしたからね……あのアホ共の知識も借りちゃって、クエスト系ならエスレイちゃんに獲ってきて貰うんだっ!!
「それとご報告が1つ」
「なんだ、言ってくれ」
「私のレベルが24に達しております。後1レベルで上位職への昇格が可能ですが……」
今後に夢を膨らませているとエスレイちゃんからそんな報告が。
嫌味か?嫌味なのか?アンタ私をパーティに入れたまんま追い出したから経験値付与アイテムの効果でレベル上がりましたよって言いてぇのか?ハッ!随分と丸くなったな……!以前のお前はもっと強かったぞ────ッ!
「そうだな。エスレイちゃん、この後に予定は?」
「教会への潜入は、指示に合わせ事前に『顔を見せない』と」
「そうか、ならギルドホームを案内しよう。そこでレベルを上げる」
「はっ」
フ、ここは予定通りとさせて貰う。お前には主の真意すら読み取れない愚か者のレッテルをプレゼントだ──。
そうと決まれば早速レッツゴー!なんもねぇボロ闘技場でつまんなそうにしてる奴らに有名人らしい我が配下を紹介しちゃうぞ〜~っ!!
とか思ってたけど、そもそもここに来たのはエスレイちゃんと俺の繋がりをバラさない為ではなかったかな?
一緒に出てったら繋がりバレかねないのでは?
……まぁ、なんとかなるかッ!!上手くやるのでヨシヨシヨ───シッッ!!!!
何故か異常に難産だった(9日)




