歴史興味無ェ! 後編
話が無駄に長ぇので本日二度目の更新です。
注意やらは前回をチェックだ!
ここまで来るとそんじゃあそのまんま【光喜神】が沢山広まって今の『光輝神聖会』に繋がるのかなぁ〜と思うが、まだまだ先は長いらしい。
──うん、長いな!とっても長い!!
それとなくアルスカトリーヌに「お話長いよ〜」とつついてみたりしたのだが効果が無い。
てっきりさっき平然と略して呼んだのを流されたのは、こんな奴と関わり合いになるのは馬鹿と分かってるからだと思ったが……天然?天然か?ナチュラルジオグラフィックなのか??
まぁ……仕方ない。こんなに話すのに夢中になってしまわれたのだ、最後まで聞くほか無いだろう……。
さてさて、そんなこんなで生まれた宗教だが、人々の間で最も栄えたのは当然ながら【光喜神】を祀る『光喜神聖会』だった。
それは単純に争いにおける勝者であるという事にも由来するが、それだけではない。
彼は争いの勝者でありながら「他の神が有る事」を認めた。
それも単純に自分よりも弱かった神々のみならず、最後まで争った相容れぬ宿敵【狂神】までもを。
そのあらゆる物を容認する姿勢に、敗れた者の多くが惚れ込み、入信するものが続出した。
強かっただけで終わらずに、その心を以て取り込んだ。【光喜神】という存在の偉大さを感じるな。
そして、その煽りを強く受けた者がいる。
言わずもがな【狂神】だ。
【光喜神】という絶対者が、あらゆる神を容認する姿勢を見せた以上、多くの者が復讐を望まなくなった。
そして【光喜神】自身も己の過ちを認め、人々に「富はより多くの人に分け与えることで幸福になれる」との教えを広め、独占する事を禁止した。
人々が互いを支え合い、その輪に入れぬ者にも、豊かさを分け与える。
それだけで人は、より一層豊かになった。
それは資源や食材だけの話じゃない。
荒んでいた人々の心までもを、宗教は豊かにしたのだ。
【狂神】に従った人々は元鞘へと帰り、帰らずとも【光喜神】の側についた。
気づけば人々は【狂神】の側から離れていた。
こうして人々と神々は、歴史上最も平和で豊かな時代へと進む事となったのだそう。
……うん!まさしくハッピーエンドって感じだ!
ようわからんが【狂神】も多分喜んでるだろ。好きにやれとか言ってたしな!
喜んでなくてもまぁ、つまんねーのって位のはずだ!
だからもう終わりで良くないですかっ!!
絶対このあと幸せになる事無いよッ!!アフタータイムのはじまりだよッッ!!!
しかしそんな事言っても歴史は続く……続いたからこその今なのだ。
もうハッピーエンドは終わってるので、こっからは地獄に突き進むだけだぜ世界史蛇足編ッ!!
さて、余裕が出てきた人々はある研究を開始した。
それは魔力の研究だ。普段遣いでそこにあって当然のエネルギーだが、戦時下では運用法の研究ばかりで由来の研究はされなかった。
魔力とはどこから生まれ、何のために存在するのか……その研究結果は簡単な物だった。
魔力とは、この星がもつ生命エネルギーだ。
言っちゃえば何にでもなれる万能エネルギーで、人間も生成能力を有するがそのルーツは星の物。
あらゆる生物、あらゆる現象。それらは星の動きの中で生まれる星由来の物で、万象は星に帰結する。
全ての原初は星であり、星こそが最も優れた物だと。
その事実が分かった事で────神が死んだ。
星の根源論が公表されてすぐの事だ。
全ての神から魂、魔力、精神が抜け落ち……生きているだけの肉塊と化してしまった。
────ん〜〜〜なんでやね〜〜〜〜〜んッ!!
どういう事!?急に超理論で超展開始めるのやめてくれますかしらついていけませんことよッ!?!?
意味わかんねぇわなんで死んだスペランカーか神々はッ!!?!?
途中まで設定考えるの頑張ってたじゃんか何で諦めた!?完ッ全に現代まで繋げる為の帳尻合わせじゃねぇか────ッ!!!!
突然の急展開に眉を顰めていたら、流石に説明不足かとアルスカトリーヌが説明をしてくれた。
そもそもの話だ、この世界における神というのは「星の神性が形を成したもの」なのだそう。
この「星の神性」っていうのはつまり、人が自分より偉大だと思った現象に畏れる事らしく……まぁ簡単にするとこうだ。
「雷すげぇ〜!落ちたら木に火がついたぞ!」
↓
「これ絶対俺よりすげぇ奴の仕業だろ……」
↓
「恨まれたくねぇしお祈りしとこ……」
↓
【雷炎神】爆誕
なるほど分かりやすぅい〜〜〜ッ!!
そして神が急に死んだのは、「星の現象で〜す、つか君達の使ってる魔力もそうで〜す」と言われて、その神性という根本が覆された事が原因らしい。
うーん、なるほど。まぁ、納得は行く。
宗教パワーで支えられんモンなのかと思わないでもないが、まぁわかる。
つまり「器」そのものがなくなったのだ。
醤油ラーメンがあったとして、それが入った器だけ消してしまったとする。
そうしたらご飯は続行できないが、そこに入った麺やスープやチャーシューは散らばりつつ残る。
コレが神に移り変わった場合、神性が無くなって信仰した本人の魂は無くなっても、それがあった肉体や、神に対する信仰は残ったと。
言いたいことはそう言うことなんだろう。
わかんないことは一旦ラーメンに変換する事で簡単にする。これをラーメン理論として広めていくことにしようっ!!
さて、こうして人々は神のいない生活を送る事を余儀なくされ、世界に激震を走らせた。
当然ながら、最初は神がいた頃のように運営を続けようとしたし、実際それで上手く行った。
しかし残念ながら人間とは愚かな生き物なのです。そもそもの話、最初の争いも人の行動が発端だしね。
神々が頑張った程度じゃ人間の本質は変わらなかったらしい。
まず最初に、神の影響力が消えた。
つまり神がいたから成り立ってた教えが成り立たなくなった。これは主に【光喜神】の教えが中心の事だ。
率直に言って、彼の教えには無理があった。
支え合え、分け合えなんてのは理想論。
結局現実なんてのは搾取する側とされる側なのだ。俺はよ〜く知ってるぞッ!!
それを信仰パワーで維持できてたのは凄かったが、結局死んだらおんなじだった。そんだけの話。
こうして世界最高に栄えた『光喜神聖会』は神に代わって権力を握り、市民からのスーパー搾取を開始した。
可能な限り搾り取り、還元するのはスズメの涙。残りはポッケにナイナイする。
初期から更に悪化しててえげつねぇなッ!!
神の目も無いなら市民のことなど知ったこっちゃない。可能な限り私腹を肥やす悪の大神官が国を取り仕切る宗教のトップ。地獄絵図過ぎてお涙出るわ。
しかし、こんなになっても市民はめげない。
神官達がカスになっても、自分達は神からの教えを守り続けた。
なにしろあの偉大な人がくれた教えだ。守っていれば、良いことがあるに違いない。
そう信じて、人々は圧政に耐え続けた。
早く死んだ者は幸せだったろう。幸福があると信じて逝けたのだから。
残された者は教えに縋りながら、来るはずもない幸福をずっとずっと待ち続けた。当然、報われる事は決してない。
さて、ここまで行っても神官の欲は止まらない。もっともっとと富を求めた。
となれば次に始めるのはそう侵略。国内での利益では足りなくなって、ほかの国にまで手を出し始めた。
【光喜神】がもっとも嫌った事を【光喜神】が嫌った事の為にする。
彼らの頭には、もはや彼の教えなど、ありはしなかった。
侵略する土地とは、当然他の神を信仰する地だ。
【光喜神】の許しによって繁栄を許された他なる神達……彼らに着いて行った人々の信仰は相当だ。土地を奪われようとも、その祈りだけはそう簡単に折れたりしない。
だからこそ『光喜神聖会』は、他教の廃絶──宗教弾圧に力を入れた。
得た土地の宗教を『光喜神聖会』と定め、従わぬ者には厳しい罰を与える法を敷いて睨みつける。
【光喜神】でない神像を飾った者に罰を。
【光喜神】でない教えを説いた者に罰を。
【光喜神】でない救いを願った者に罰を。
聖会騎士に連れられた者は、二度と帰っては来なかった。
捕まらず、逃げ延びた者もいた。
しかしすぐに追手が来た。家族ごと全員殺された。
徒党を組んだ市民もいた。
聖会騎士に敵うわけもなく、その全員が処刑された。
侵略と廃絶。
侵略と廃絶。
侵略と廃絶を繰り返し、いつしか大地にあった神の名は、殆どが【光喜神】の名に塗り替えられた。
その頃から【光喜神】は【光輝神】へと名を変えられ、同じく『光喜神聖会』も『光輝神聖会』へと名を改めた。
この時、遂に【光喜神】すらも歴史上から姿を消した。
圧政を受け続ける民と、侵略され続ける国、失われ続ける宗教と教え。
人々はそんな悪逆に対し諦めるばかりではなかった。
かつてあらゆる怨念を容認する神がいた。
あらゆる復讐を容認する神がいた。
世界は平和となり、この世から一切の負の心が消え、多くの人が彼の側を離れた。
しかし、誰もいなかった訳では無かったのだ。
国を作らず、街も持たず。ただ脈々と受け継がれてきた神の意思。神の教え。
それらが『光輝神聖会』に仇なす唯一の天敵として、力を増して行った。
その名も──【狂忌神霊会】
失われし神に悲しみ、祈り、復讐を誓う者たちの宗教と言っていい場所となっていた。
話によるとアルスカトリーヌはそこで七人の強者の中に名を連ねた【狂神】の信徒だったのだそうだ。
ほぇ〜って感じだな……まぁ、納得は行くが!!発狂モードあったもんなお前なッ!!
しかし彼女たちもまたかつての【狂神】と同様に力を蓄え、時を待ち、万全の備えで挑み────なお、敗れた。
それ故に表舞台にはそんな宗教の名前は無いわけだ。
しかし少なからず爪痕は残したようで、教会が直接国を管理するような場所は現代には殆どないのだそう。
確かにウチの国もでっけぇ教会がひとつあるし影響力も強そうだが、教会自体は直接関わっては無さそうだったな。
▽▽▽▽
『──私達【狂忌神霊会】は敗れながらも、次の一手への布石を残した。
それがここ、奈落の教会……システムとしては【地底眠る狂信の墓窟教会】だったでしょうか。
ここに私達は、こうして古の歴史を遺したのです』
ながいはなしだった。かんどうした。
自然と手をパチパチと叩いているのはこれ洗脳なのだろうか。ずっと正義の味方【狂神】マンの英雄譚を聞かされてた。
俺もそっち側に連れて行くつもりなのか?
アルスカトリーヌ──恐ろしい子ッ!いやガチでなッ!!




