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【狂化】スキルに特化にした最強の【狂戦士】になろう!〜知能値-9999を代償に手に入れた力で無双するVRMMO〜  作者: 左ライト
アップデート編!

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60/72

純粋に激強ボスッ!

──ジ、ジジイ……!案外いつもの調子でやれそうで調子に乗って【突き刺す剣】まで早期に使ったのは少々マズかったようだぜ……ッ!


 目前、引き下げた肉と装備の修復が完了した黒の乙女が杖を構える。

 その瞬間──中空に二十を超える多様な魔法陣が、エリアを覆うように展開された。


 うおおおおおおおおおおおヤベエエエエエエエエエエ─────ッッ!!!!

 避けろナッパッ!!避けなきゃ死ぬぞ今すぐにッ!!最速で回避を続けつつ最短最速であのヤベー女を殺すのだ────ッッ!!!!


「いわゆる発狂モード的なコレソレアレドレだなッ!!理解したけど許せるかは別だファックッッ!!

何故MMORPGで弾幕ゲーをせにゃあならんのだッ!!?!?俺が【狂化】じゃなかったら対象できねぇだろ誰一人ッ!!

初見攻略簡悔運営はこの世から消え失せろ──ッッ!!!!」


 【狂化】くんの五感は今ナーフ前の青春時代を遥かに超えた性能に進化している──その上でコレだッ!!

 どうにかこうにか風切り音や熱を感じ取り、こちらもまた以前より強化されたステータスの暴力でそれらを回避、コレが限界────ッ!!


 俺の筋力値は現状ゲーム内で有数のモンだろう。50レベルで止まっているとはいえ基礎値が違う。


 そして『マジック&ブレイド・オンライン』における筋力値は攻撃力の他に敏捷の役割も担っている──つまり、俺はこのゲームの中でステータスのみで言えば最速の部類でもある訳だ。


 実際しょうもないPK狙いから何度も逃げ切ったりした経験があるし、こうして【狂化】状態では武器装備の割に機敏に動けている。


 技術スキルを失ったにもかかわらず秒間百連撃などという芸当が可能なのも筋力値の高さによるゴリ押し。

 それほどまでに莫大な筋力値を以て、回避に専念して直撃回避がギリの現状──


「絶対に調整ミスだろおおおおおおおおおお────ッッッ!!!!!」


 あり得ないッ!!流石にあり得ないッ!!

 こんな物が許されていいはずが無い……不倫だってもっとマシだったッ!!少なくとも難度7とかいうしょっぱい数字のダンジョンで出ていいボスじゃな─────いッッッ!!!


 展開された魔法陣はそれぞれが魔法を放つたびに消滅し、直後に再度展開する。しかも内容はコチラに合わせて、発射速度の高い魔法が増えている。全てがそれになるのは時間の問題かもわからんね……


 ギリありがたいのはデバフ系の魔法は撃って来ない事だろうか。

 しかし無警戒ではいられない。なにしろ相手は神官だ、コチラの隙を狙ってると考えるべきか。いやこんだけ魔法撃ってくんのに無いなら無いか。無いと考えてもいいか。


「ふぅ……落ち着けクール、ステイクール。素数を数えて落ち着くんだ……あのタイプには雑殴りでは勝てないのはわかる、しかし手札は多少無くは無いが、相手の手札はもっとわからん……それにあの光の盾もまだ出せるかも知れんし、出せなくても他で守りがあるかもしれない──よって一旦はやはり接近して殴ってみる他にない。ここまでがワンセンテンスだ宜しいか?

というわけで行くぞ技能(アーツ)【全霊突貫】────ッッ!!!!」


 弾幕の雨を一気に抜ける。

 次の一秒後には次弾が俺を狙うだろうし、黒の乙女に守りがあるならそれらは確定で被弾するが……それでいい。

 血肉を捧げてでも相手の手札を暴いてやるぜピーピング──ッ!!


 突撃と共に剣を振る。光の盾は出て来ない。

 一日の使用限度でも超過したか【突き刺す剣】を恐れたか。何にしろ都合がいい──ここで使わないのなら、恐らくアレはもう使われないッ!行けェ【狂化】!!振り抜けェ────ッッッ!!!!


『──技能(アーツ)【属性防御・風】』


 乙女と俺の丁度狭間、魔力の蕾が花開き緑の花弁が展開する。振り上げた大剣が接触すると、衝撃で俺の身体は遥か後方に吹き飛ばされた。


 直後に立ち上がらない辺り身動きが取れないらしい。実際それなりのダメージを負っている。このまま魔法に被弾すれば、流石の【狂化】くんでもお陀仏だろう。


 なるほどね、理解できた。

 序盤はあの光の盾で絶対防御で受け切る防御特化形態。正直見当もつかないが、何らかの手段で破られたなら第二形態に移行──魔法の無限連打・光の盾でなくスキルによる攻性防御という攻撃特化形態に変化する。


 なんちゅー純粋な強ボスだ……ッ!

 近接特化には破れん守りに、遠距離特化でも受けきれない攻撃。恐らくは前衛・後衛・援護を持った三人以上のパーティによる攻略を意識してるのだろう、剣士・魔術士・神官的な。


 ……あれ、でもコレパーティだともっと強化されるんだよな。

 この前モリとオキ言ってたもん「パーティで挑むとボス強くなんのに【狂化】とかいう無能入れられるかよ!ギャハハ!お前は俺達Aランク冒険者パーティー【無窮の剣】には要らねぇ、とっとと出てけッ!!」って言ってたもんっ!

 コレがもっと強くなるとかあるぅ……?強すぎへん……?普通に考えてパーティでの攻略とか無理なのでは……??


 ……まぁともかくだ。属性と攻撃性の付加された防御スキルだけならまだしも、それによる弾き飛ばしなど毎回喰らってはいられない。

 こんなボス、まともなプレイヤーではソロ攻略は不可能だ。


「さっきも言ったろォ────ッ!!?俺は狂化特化狂人おじさんだァ────ッッッ!!!!」


 無理を通して道理をブッタ斬るッ!!それが俺の受け売りの信念だァ──ッッ!!!


 手札は見えたッ!少なくともこの第二形態における近接防御はスキルのみ……!

 何故なら黒の乙女はスキルを使う。そして言葉を話した以上知能もある。


 であるならば、俺の【突き刺す剣】がまだ使えない事はわかる筈だ。

 何故ならあれは技能(アーツ)──すなわちスキル。発動型のそれには発動後のクールタイムが存在する。


 彼女が同様の力を使う以上、その事はちゃんと理解してるはず……なのに乙女は魔法の守りではなくスキルの守りを使用した。


 縛りなのか何なのか、ミスリード狙いの可能性も大いにある。ここぞという時を狙っているかもしれない。


 だが一つ確かな情報は、彼女がスキルを使った事……!!


技能(アーツ)【固有付与】ッ!!【戦神の守護】オォッ!!」


 ここまでの思考はゲーム内時間で凡そ1.5秒ッ!思考加速のおかげでじっくり考える事ができたねぇ〜っ!!

 【戦神の守護】の効果が付与前にまで及ぶのかは正直賭けだったが──運は俺に味方してくれたァ〜〜ッ!ありがとうねェ攻性防御を使ってくれてェ〜〜〜〜ッッ!!

 魔法の威力は凄まじいがダメージおかげで五秒は稼げるッ!!


「【狂化】くん復帰ィ────ッ!!あっぶねェ肉体側がダメだったらこっちでどんだけ頭回しても勝ちよう無いからな頼むでほんまの蒲焼き〜〜ッッ!!!

さぁ結界が砕けると共に技能(アーツ)超跳躍(スーパージャンプ)】と【虚空踏覇】のコンボで華麗に抜け出すッ!!上空から攻め込ませて貰うぜ神官の女ァ〜〜〜〜ッッ!!!!」


 上空からの攻撃って別に利点は少ない。

 自由に身動きは取れないし、それ故に攻撃の来る範囲が絞られる。精々一瞬ビックリさせられる程度の利点しかない。

 だが、この場においてはもう一点。


技能(アーツ)──【裂ける槍】ッ!【荊棘の毒】ッ!!」


 バリバリと大剣が八つに分かれ、スキルの効果によってそれぞれが、俺の投擲と同じ勢いで連続して黒の乙女へと放たれて行く。

 しかし当然、乙女がそれを甘んじて受ける訳も無い。


技能(アーツ)【属性防御・炎】──技能(アーツ)【属性防御・水】──技能(アーツ)【属性防御・土】──技能(アーツ)【属性防御・光】──技能(アーツ)【属性防御・闇】──【技能(アーツ)属性防御・天】』


 直線に並ぶ大剣に対して、あちらもまた全てを受け切る構えで残る全ての【属性防御】を並べて来た。

 驚きはしない、先程の守りは俺を弾いた時点で消えている。アレは強力故に一回限りの防御なのだろう、それ故に大剣の投擲に全てを注ぐのは理解できる。


 だからこそ、そんな行動は全部が全部読み通りなのだよワトソンくん────ッッッ!!!


技能(アーツ)【魔剣水撃】ッ!技能(アーツ)【魔剣土撃】ッ!技能(アーツ)【魔剣風撃】ッ!技能(アーツ)【魔剣闇撃】ッ!技能(アーツ)ッ!【魔剣光撃】ッ!技能(アーツ)【魔剣天撃】────ッ!!!!」


 やることは殆ど不倫への物と変わらない──投げつける大剣に魔力を注ぎ属性効果を上乗せするッ!!

 違いは属性の順番。展開されたそれぞれの【属性防御】に対して、もっとも有効な属性大剣によってそれを叩き割る、ただそれだけ────ッ!!


 水が火をッ!!土が水をッ!!風が土をッ!!闇が光を光が闇をッ!!そして天は天を互いに砕くッッッ!!!

 結果全ての属性剣は乙女に至り、その靭やかな肢体を貫──


技能(アーツ)──【衝風防覇】』


──かない。乙女の周囲を塞ぐ風の防壁が覆う。展開された瞬間の衝撃にによって、その全てが遥か後方へ弾き飛ばされた。


「────残念だったな、()()()()ッ!!」


 弾き飛ばされる十本の内、二本の剣を両手に掴むッ!!そして残った一回の【虚空踏覇】で空を蹴り前進────ッ!!


技能(アーツ)【魔剣炎撃】ィ───ッ!!」


 【魔剣炎撃】が防壁を切り裂くッ!マジック&ブレイド・オンラインにおいて、炎は風に優位な属性ッ!!

 この角度ならば乙女にも届くが──


技能(アーツ)──【属性防御・無】』


 流石にそこまで甘くは無い。

 隠していたか、無属性の防御を。属性を持たないという属性……故にどの属性に対しても有利不利を持たない、絶対発動の守りを。


 展開された花弁は風を割いた【魔剣炎撃】の残り火を防ぎきり【属性防御】の効果によって俺は後方に弾かれる───。


「そう思っただろう、黒の乙女?」


 ()()()()()()

 何故なら俺は最後の一撃、()()()()()()()()()()()()───ッ!!


 そして弾かれるよりも前に効果時間の終了で【裂ける槍】の効果は消え、大剣は塵となって消滅する。

 残るのは右手に握った一本のみ。


 おぉ!至近距離だからかもわからんが、初めて表情が変わったなッ!!


 乙女の身体がぶれる、恐らくは後方への回避が目的。

 つまり守りの手札は無くなった────ッ!!

 【狂化】くんは地面を踏みしめ剣を握り、最後の力で突進する!!行くぞブラン────ッ!!


技能(アーツ)!【剛斬撃波】ァ────ッ!!」


技能(アーツ)【衝撃反転】』


 吹き飛ばされる。本日二度目──いや、三度目にもなる後方への弾け飛びだ。 発動の直前に薄ら笑う乙女の口元が見えた。

 コレが本当の奥の手、最後の最後の守りの一手。

 展開された魔法陣の砲門が、俺の推定落下地点を睨みつけている。二十、三十、その全てが──そこに。


「────それが、底か」


 あぁ〜〜()()()()()()()……!!

 読み通り、予想通り、想定以内で収まった────ッ!!!


 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()ッ!!喰らったッ!!

 そして【狂化】くんは、既に二回も飛ばされている───ッッ!!


 魔法陣が最大光量──発射されるその直前に【狂化】は地面に着地した。

 そもそもが衝撃反転。自分の攻撃に耐えられないほど【狂化】スキルはヤワじゃない────ッッ!!!


技能(アーツ)【推進力発生】────ッ!!」


 直後、駆ける。魔力の光が満ちるより速く、最高速度で駆け抜ける。

 純粋な疾走に【加速】自体を付け加える……【狂化】の自動操縦でなければ、耐えられる訳のない無茶。そしてそれを通すからこその【狂化】────ッッッ!!!愛しているぜ最高の相棒ォ〜〜〜〜〜〜ッッッッ!!!!


『──────』


 捉えた時にはもう遅い。魔法は虚空を狙い、防御スキルは無くなった。だからこそ【衝撃反転】を使って無理矢理距離を取ろうとした。お前は神官で魔術士だからな。

 詠唱できるキャパシティ、その全てが詠唱完了前に外され、距離をこうして詰め切られた時点で、勝ちの目は全て無くなった。


「俺の───勝ちだ────ッ!」


 剣撃一閃。乙女の首が宙を舞う。 

 長い髪は全てが地に落ち、身体は地面に崩れ落ちた。


 屋根のように広がっていた魔法陣も、その全てが光の粒となり霧散した。

 【突き刺す剣】の爆発と違い、再生するような気配もない。


 ……終わった。終わらせられた。

 今度こそ、完全に、絶対に────。


「か、勝てたぁあはぁあ〜〜〜〜っっっ!

自分でもびっくりするぐらい情けない声が出たぞぅ!!コレじゃあママ系視聴者層が伸びちゃうなァ〜〜っ!!

くぅ〜〜困ったなぁ〜〜〜っ!!最近遂に登録者数が二万を超えたんだ、こうなるとそろそろ他チャンネル間でのコラボも近い……ッ!!

しかしこのままでは「ウチのバサちゃんをお願いします!」「ゆっくり教えてあげてください!」みたいな視聴者が向こうに流れて人類全滅……ッ!!無の大地……ッッ!!俺の私生活が終わってしまう……ッッッ!!

これ以上俺の可愛さを世に知らしめるわけにはイカ────ンッッッッ!!!

よって、撮影終了とするッ!!バイバイ彼氏君ッ!!またビデオ送るからね────ッ!!」


 ため息を堪えて撮影終了のボタンを押す。それと同時に【狂化】の効果時間が終了した。

 ……本当にギリギリだったんだなと冷や汗を一つ。ブランおすすめの効果時間延ばすやつ獲ってくればよかったかな……。


 あぁ〜〜〜にしても頭痛いッ!!正直今すぐにでもぶっ倒れそうな気持ちだ。さっさとログアウトしてスヤスヤしたい……。


 黒の乙女───なんか変に名前が聞こえたが、確か「アルスカトリーヌ」だったか?

 想定してた五百倍は強敵だった。手札0枚になった拳で殴りつけて勝ったような気持ちだ、もう二度とこんなバトルはやりたくないッ───!!


 にしてもあんな強かった癖に対してなんも通知とか無いのな。

 まぁ思えばここの下位ダンジョンのほうでも同じだったけど、なんか達成感が薄いぞなんとかしろ運営!!


 まぁでも経験値も入ってきたし、ちゃんと殺せてはいるんだろう。

 上位ダンジョンの攻略報酬ってやつはダンジョン出たら貰えるのかな?何が貰えるのかワクワクだなぁッ!!


 そんじゃまとっとと帰りますかっ!帰還の魔法陣はこっちかな〜〜ッ!?


『もし、狂気の勇者。神にして神に至らぬ人よ。私の声が聞こえますか?』


 吹き飛ばした教会を探ろうと向いた横。目と鼻の先に、五体満足のアルスカトリーヌが立っていた。


──俺は全力で駆け出した。

 こんな場所にいられるかッ!!私は自室に帰らせて貰う────ッッッ!!!!

2026/8/16 属性防御と属性剣が何故か初期案に戻ってたので直しました。

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怒涛のアーツ合戦。血に飢えた視聴者彼氏君とママたちもにっこり。これまでと変わりなくいい感じのストーリーフラグを全部無視するブレないバサラ君が好きです。
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