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文明の〇〇 パンツイッチョマン  作者: 最勝寺 蔵人
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第十話 本物は誰だ!パンツ〇〇マン?(5)

ナレーター(以下、「>」と表す。):ついに来ちゃった枝番5。最勝寺先生が「おかしいなぁ。こんなはずじゃなかったのに……」とボヤいていたので、「いやいや、私も含めて、視聴者の方々は『うん、知ってた』と思ってますよ。」と伝えたら、「いや、誰かが本筋とは関係ない話をベラベラしゃべるせいでもあるんだけどね!」とちょっとキレ気味で返されました。当番組にそんな怖ろしい存在がいるんですね!? というわけで、今週分スタートです。

>パンツの乱での、フリップフロップ・チェリーと銀子先生の様子はわかりましたので、他の人を確認してみましょう。……「やっとパンツイッチョマンか」と思いました? おしい! パンツ()ッチョマンでした。一文字違いでしたね。

>銀子先生にパンツイッチョマンの捜索を中断させた少年がいましたね。実は、あの少年の混入には、パンツマッチョマンが関わっていたのです。あの少年……ずっと少年と言い続けるのも何だか冷たいですね。名前を掘り下げようかな、と思ってはいたんですが、「登場人物の氏名を明らかにすると、語句解説に載せる可能性が出てくるから控えてくれない」と言われていたんですねえ。まあ、他に少年が居なくて混同しないから、しばらく少年で続けてみましょう。


※ナレーターは、「登場人物紹介、語句解説」がサスペンドされている事を知らないようです。……そういえば、目を通していないって、言ってましたね。


>で、あの少年はそもそも別の公園で遊ぶために出掛けたところ、祭りっぽい行列に出くわして、興味を持って少し追い掛けたら、パンツマッチョマンにおいでおいでされて、集団に加わったのでした。パンツマッチョマンに高い高いされた後、肩に担がれて、少年はご機嫌でした。パンツマッチョマンは、子供には優しかったんですね。でも、この優しさは国によっては犯罪に相当するので気を付けましょう。まあ、そんな国だったら、「小学生になったし、一人で公園で遊んで来なさい」と目を離さないでしょうが。まあ、こういう事情で、銀子先生が保護者を探して見つからないのでした。少年はもしかしたら、親について聞かれたせいで、「親に断りなく、知らない大人に付いていってしまった」という罪悪感が湧き上がって、答えられなかったのかもしれません。……あれ? あ、そっか! 少年ではなく、パンツマッチョマンについてでしたね。

>暴漢たちが襲いかかってきたパンツマッチョマンは、果敢に迎撃行動に出ました。少年は公園に着いてから、地面に下ろしていたのですが、危ないから逃げなさい、と注意をしています。そして、パンツマッチョマンは襲いかかってきたむち使いを撃退しています! あの筋肉は見せかけではなかったんですね。ちなみに、むちと言っても、一般の方が想像しがちな……えーと、子供にもわかりやすい表現がいいかな。縄跳びの片側を持ってだらりと垂らしたような形状のむちではありません。騎手が馬を叩くタイプの短めで、しなる棒です。大人の世界では特定のジャンルで女性が振るう事でも知られていますね。おそらく、このむちの入手先はそっちだと考えられます。馬用のむちなんて、需要がないのでほとんど流通していませんからね。……え? お子さんから「じゃあ、人用のムチなの?」と聞かれて困る? ……その場合は、「人をむちで調教することは普通ないから、お猿さんや熊さんなのかなぁ」と答えてはどうでしょう? ちなみに、猿や熊に対するむちの使用は、国によっては厳しく制限されているので気を付けましょう。……え、これだけじゃ動物愛護団体から当番組が動物虐待を奨励しているとクレームが来る? ……いや、別に奨励しているつもりはないのですが、そういう使い方をする人もいる、って言っただけですよ。……そんな言い訳が通用する相手じゃない、ですか? ……では、例の文言を使いましょう!

>当番組では動物虐待を一切しておりません。

>ふう、パンツマッチョマンに戻ります。むちたたかれて、体のあちこちに赤いミミズ腫れを創りながらも、パンツマッチョマンはむち使いを仰向けに倒し、さらに馬乗りになって攻撃を続けます。やり過ぎのように見えますが、むち使いが武器を離さず、戦う姿勢を見せている以上仕方ないでしょう。せめて武装解除しないと、また痛い思いをさせられるかもしれない、とパンツマッチョマンは安心できません。厳密に法的にはどうだかわかりませんが、パンツマッチョマンとしては正当防衛のつもりですね。が、ここで横槍が入ります。仮面軍団の援軍です。健闘しているパンツマッチョマンを見て、「アイツこそがにっくきパンツイッチョマンか!」と勘違いして、二人の暴漢が加勢したのです。パンツマッチョマンにとっては残念なことに、彼はパンツイッチョマンより華がありました。行進中も周りに手を振って明るく、体も大きく目立ちました。対して、本物のパンツイッチョマンは、独特の威圧感があり、近寄りがたかった。……この雰囲気を掴みにくい視聴者の方のために、本来ヒーローに対しては使うべきではない表現をしますと、「変態オーラがすごい」わけです。本来襲う方もそういう相手こそ警戒すべきなのですが、深層心理では「近づきたくない」と感じているので、自然と、より組しやすい相手を選択してしまうわけですね。

>いかに膂力りょりょくに優れているとはいえ、三対一では多勢に無勢。防御一方の上からもボコボコに殴られます。なお、増援となったのは、杖を持った男と、なんとトンファーを持った男。え、トンファーって何? ですか? 形状は、大人の肘から指先より幾らか長い棍棒ですが、端から四分の一くらいの場所に直角に飛び出す枝のような短い棒があるのが特徴です。これの持ち方がなかなか意見の分かれるところでして、カンフー映画を見慣れている人からすると、短い枝部分を取っ手として握り、長い棒部分を腕に沿わせるようにします。長い棒が部分の長辺端を相手に向けると、棒としてリーチが稼げます。しかし、クルリと回して長辺端を自分の肘に向けると、腕がトンファーでガードされているので相手の棍棒を止めても痛くない防御的な構えになります。そのままでも拳から棒が少し飛び出しているから、殴るより少しリーチが長くなり、防御一辺倒というわけでもありません。と、まあ、攻防一体に適した武具なんですね。でも、こういう知識のない人が持つと、たいてい長い棒部分を握ります。実は、アメリカで警棒として普及されていたのもあって、こういう使用方法は特にアメリカでは一般的です。枝に近い端側を持つと、枝が護拳ごけんの役目を果たします。時代劇で有名な十手に近い使用感ですね。時代劇では、相手の剣をここで挟み込んで封じる使われ方がされる事もありますが、短い十手でそれを狙うのは危険すぎるので、実際には試みない方が良いでしょう。じゃあ、十手のかぎ部分は何だよ、という問いには、特殊な形状が持つ権威的な表現が一番だったと思います。戦闘面においては、あのかぎ部分で殴っていたとも考えられます。十手は鈍器ですが、かぎ部分は特に拳骨げんこつを固めたような感じになるので、「こいつめ!」ととどめというか、お仕置き的に殴る場合に使われたんじゃないですかね? ダメージ自体は、十手の端で振り抜いて殴る方が大きいと思います。……と、十手に話が大幅にズレましたが、トンファーの枝が近い長辺端を握る使用法も、十手の拳骨げんこつ使用のように、こぶしなぐりの延長として、枝部分を使えますね。逆に、長辺端の枝から遠い方を持つと、枝部分が刃物ではない斧のように使えます。この枝部分で遠心力を使って殴られた場所はへこむので、殺傷力も高くなります。危険です。というわけで、どちらの持ち方――トンファー持ちと警棒持ちと言い分けましょう――も正しい、と当番組では言っておきます。

>で、パンツマッチョマンを攻撃している男は、トンファー持ち派です。これは、パンツマッチョマンにとっては少し助かりました。というのも、中国拳法に熟達していない一般人として考えた場合、トンファー持ちは警棒持ちに比べて、なぐる際に力をこめにくく、威力が落ちるからです。なお、トンファーと聞いて両手装備と想像する方もおられると思いますが、この男は片手装備です。二刀流ほどではありませんが、両手トンファーも扱いが難しいのです。と、見かけほど威力のなかったトンファーに帳尻を合わせるように、杖の男の得物は、自立できるよう先端に短い四つ脚がついた形状をしていた。ここが重しになるので、四つ脚なしのストレート形状の杖より痛かった。さらに、圧倒していたむち使いも復帰し攻撃に加わった為、パンツマッチョマンは三人から滅多打ち。逃げようにも取り囲まれて、少しでも遠ざかりたい気持ちからかうずくまる。でも、この体勢だと攻撃側は余計に殴りやすくなる悪循環であった。この無慈悲な暴行現場に、猫背の男が声を掛ける。


猫背の男: 助けてほしいか?


>暴行を加えている三人を含むパンツマッチョマンたちの行動が一瞬止まる。特に、暴行側にすると、パンツマッチョマンへの援軍だと警戒します。が、ほどなく三人は乱打を再開します。声を掛けてきた猫背の男を、取るに足らない相手だと判断したからです。そう思われても仕方ないくらい猫背の男は、痩せており、身なりも貧相だった。というか、薄汚れた白パンツをはいているだけ。そう、パンツイッ()ョマンだ! パンツイッショマンは、存在感の薄さとパンツイッチョマンとは違うアブないオーラで、襲撃者を寄せ付けていなかった。というか、デモ隊の中に居ても、ほとんど周りから話し掛けられなかった。無視されていたとも言う。


パンツマッチョマン: いてっ、痛い! た、助けてくれ!


パンツイッショマン: いくら出す?


>出た! 窮地きゅうちにおける、人の足元を見る交渉。そして、この流れからの――


パンツマッチョマン: さん、いや、ご、五千円。


パンツイッショマン: よし、乗った!


>――低価格結着。もっと吊り上げられそうなのに、パンツイッショマンは嬉しそうです。前回より増えたからでしょう。しかし、対象は、銀子先生だったとはいえ女性一人。今は武器を持った男性三人なので、やはり五千円では釣り合わない気がしますね。


パンツイッショマン: 貴様らには恨みはないが、金のため、覚悟!


>そして、指先を曲げた両手を肩の高さまで上げる、シャーの構え!


パンツイッショマン: シャー!


>奇声を上げながら、飛びかかった相手は、鞭使いだ! 脅威と見做みなしていなくて、そちらを見ていなかった鞭使いだったが、奇声と足音で振り返る。で、つかみかかってきたパンツイッショマンを、いなした。体重差から、あっさり弾き飛ばされるパンツイッショマン。しかし――


鞭使い: て、てめぇ!


>鞭使いはパンツイッショマンを押しやった左腕に目を落とす。そこには三本の赤い筋。パンツイッショマンが引っ掻いた跡だ。


鞭使い: ふざけやがって!


>怒りをあらわに、むちを振り上げ、パンツイッショマンへと向かう鞭使い。結果、パンツマッチョマン包囲は薄くなった。鞭使いの離脱に残りの二人が気をらしたのも好機ととらえ、パンツマッチョマンは立ち上がると反撃を開始する。が、未だに戦力差は一対二。おまけに、殴打されてヘロヘロになっているパンツマッチョマンは、立ち上がるだけで精一杯だった。パンチなのか寄り掛かっているのかわからない攻撃が、襲撃者の怒りを買い、またも殴る蹴るの暴行を受ける。……うん、こりゃあ勝ち目ないな。

>一方、パンツイッショマンは鞭使いと激しい闘いを繰り広げていた――と言ってはみたものの、実際は鞭使いの一方的な攻撃に終始していた。しかし、押しているはずの鞭使いの中で違和感が広がりつつあった。普通、人はなぐられると、動きを止める。この点は、パンツイッショマンも同じだったが、その際、縮こまったり、なぐられた箇所を手で覆ったり、という防御反応を取る。しかし、パンツイッショマンにはそれがなかった。もし、鞭使いが格闘技に通じている者なら、パンツイッショマンが微妙に打点をずらしているのに気付いたかもしれない。しかし、明確に気付かなくとも、思ったほどない手応えから違和感として感じ取れていた。


鞭使い: くそっ、こいつ、しぶといな。


>息を切らしてきた鞭使い。闘いは押しているはずなのに、後ろに下がるのは鞭使いの方になっていた。疲労から威力が弱くなったのか、ついにたたいてもパンツイッショマンは一瞬すら止まらなくなった。押し返し、再度鞭を振るうスペースを確保するが、鞭使いの心は動揺していた。両腕はパンツイッショマンに引っかれた跡が幾筋も走っていた。しかし、その傷より鞭使いの心をえさせたのは、自身の傷よりはるかに多い、パンツイッショマンの全身にミミズ腫れとして浮いている鞭打ちきずだった。


鞭使い: こ、こいつ、まるでゾンビだ……。


>鞭使いは、これまで映画やドラマで見るゾンビをバカにしていた。「見かけがグロいだけで、あんだけノロけりゃ怖いわけないだろう」と。しかし、攻撃が通用しないという実感は、思ってもみなかったほど大きな絶望感を発生させた。以降、この男はゾンビものを震えるほど怖い対象として忌み嫌うことになる。


パンツイッショマン: シャー!


>戦意が失われていく隙を突かれ、鞭使いはパンツイッショマンに手首をまれる。とっさになぐりつけ、振り払ったが、それが鞭使いの戦意を完全に奪い去った。


パンツイッショマン: シャー!


なぐりつけられた口の端から血筋を垂らしながら、変わらないシャーの構え。鞭使いは鞭を手放すと、ひざまずく。


鞭を手放した男: ま、参った。降参だ。


パンツイッショマン: シャー!


>またパンツイッショマンが吠えるが、これは威嚇いかくだったようだ。飛びかかることはなかった。しかし、鞭を手放した男は、「ひえっ」と情けない声を上げると、跳びあがり、そのまま後ろへ逃げていく。


パンツイッショマン: 一人。


>傷だらけのパンツイッショマンがつぶやいた。普通の人なら心を折られかねないほどの負傷だが、パンツイッショマンはまだまだやる気だ。揉み合っている間に、いつの間にかパンツマッチョマンのいる方向へ背を向けていたパンツイッショマンは、振り返り、硬直する。そこにはもう、倒すべき相手はいなかったからだ。代わりにいたのは黒いパンツの半裸の男。そう、パンツイッチョマンだ。パンツイッチョマンは、地面に転がっているパンツマッチョマンに手を差し伸べていた。


P1: よく頑張ったな。立てるか?


パンツマッチョマン: いててて……。あ、ありがとうございます。


>差し出された手をつかむパンツマッチョマン。そこに駆けてくる、子供の手を引いた若い女性。そう、これは銀子先生だ。


お銀: パンツイッチョマンさーん! 無事だったんですね。――というか、やっぱりもう倒しまくったんだ。すごい!!


>確かに、周囲にはまともに立っている半裸の男はいなかった。逃げ去ったか、倒れてうめいているかだ。もしかすると、倒れている半裸の男の何人かは、イッチョマン・スラップ・タイフーンに巻き込まれた可能性はある。しかし、銀子先生は、ついにパンツイッチョマンの本物を認識する能力が……いや、この状況か。半裸の男がいっぱい居ると、ゴツゴウ・ユニバースの人たちには個人識別が難しくなるが、最後に立った一人がパンツイッチョマンだと信じていれば、見つけられる。一応、もう一人居たのだが、存在感の薄さから目に入らなかったかもしれない。


P1: 君は、確か……


>左手の人差し指を向けられて、銀子先生は嬉しそうに両手を胸元に添える。引きずられる形だった少年はホッとした顔をした後、迫力のある半裸の男に後ずさる。


パンツマッチョマン: え! 本物?


>半身を起こしたパンツマッチョマンは、慌てて手を離す。ちなみに、暴行のせいで黒いスイミングゴーグルはずれていた。メガネだったら吹き飛んでいただろうから、これは良いチョイスだったのかもしれない。パンツマッチョマンは、あらわになっていた細い目を再びゴーグルで隠す。パンツイッショに対してパクっている自覚があるのか、ちょっと罪悪感のある挙動だ。そのパンツマッチョマンを、ムスッとした顔で睨みつける銀子先生。せっかくパンツイッチョマンが名前を呼んでくれるかと期待していたのだろうが、話の流れをさまたげられからだ。


お銀: ちょっと、あなた……。ああっ! 保育園に来た変態!


>途中で記憶に重なったようで、パンツマッチョマンを指差す銀子先生。もちろん、非難めいた雰囲気だ。


パンツマッチョマン: え! あの時の保育士さん?


>パンツイッチョマンに驚いた次は、銀子先生にビビるパンツマッチョマン。


P1: ふむ。知り合いだったか。


>納得したように、フロントラットスプレッド風の姿勢をとるパンツイッチョマン。


お銀: いや、違います! こんな奴と知り合いなんて……なんというか被害者なんです。


>そう主張しつつ、パンツイッチョマンにすり寄る銀子先生。パンツイッチョマンの顔がこちらを向き、バイザー型サングラスの向こうから睨みつけられた気になったパンツマッチョマンは、慌てて目を逸らし、避難先を見つけた。


パンツマッチョマン: あ、坊主! 無事だったのか!?


>呼び掛けながら、おいでおいでと手招くと、肩に乗せてもらった経験から親しみがあるようで、ちょこちょことパンツマッチョマンに近づく少年。ただし、隣に立っているパンツイッチョマンからはなるべく距離を置こうとしているぞ。子供だけでなく、動物も警戒しているのは、動物園の事件でも確認済みだ。――あ、これは未公開エピソードでしたね。


パンツマッチョマン: 怪我はしなかったか? ……そうか、良かったなあ。


>少年の頭をでる表情は、普通に穏やかだ。過去の行動に問題はあったが、やはり子供に優しい人らしい。それを見て、銀子先生の表情からも険が取れる。少年に免じてほこを一旦収めたのだろう。


女声: あ、パンチョさん!


>次に、駆け寄ってきたのは友庫ともこさん。途中でフリップフロップ・チェリーを置き去りにするほどの熱気だ。それに対して眉をひそめる銀子先生。


P1: 君は確か……


>アニメだったら絶対流用される繰り返しで、友庫ともこ さんを指差すパンツイッチョマン。


友庫ともこ : あ、友庫ともこ 史織しおりです。先日も危ないところを助けていただいてありがとうございました。


>ペコリと頭を下げる友庫ともこさんに、頷いて応じるパンツイッチョマン。ただし、本当に覚えているかは不明確だ。


FFC: シオリン、足早い~。


>もちろん、本気を出したらフリップフロップ・チェリーの方が足が速いに違いないが、そうしなかったのはそれほどパンツイッチョマンにがっついていない証拠だろう。


P1: 君は、確か……


>え、これ何度目? もう絵だけじゃなく、声まで流用するんではなかろうかと思うほどのコピペ反応。


※ なお、書くのはコピペではありません。コピペするより、書く方が早いので。


FFC: フリップフロップ・チェリー――


♯ シャララ~~ン、パンパパンッ!


>なかなかさまになってきたフリップフロップ・チェリーの名乗り。パンツイッチョマンは向けていた手を下ろす。


P1: いや、人違いか。


FFC: いやいや、人違いじゃないです。新しく名前を決めて……。そう、そこのシオリンと一緒に考えて……


>しかし、パンツイッチョマンにはいまいちわかったような反応が表れない。


FFC: だからぁ……。


>そこで、何かを思いついたかのように、ピクリと少し背を伸ばすと、フリップフロップ・チェリーは自らのおでこをでた。


FFC: 『出るか出ないかわからないビーム』の――


>その瞬間、パンツイッチョマンは腰を落とすと、両手をハの字に構える。しかし、フリップフロップ・チェリーの額に輝く結晶のような物体から光線は出ない。


FFC: あ、今のは声だけ。思い出した?


>パンツイッチョマンは、大きく息を吐くと、頷いてフロントラットスプレッド風の格好へと戻る。パンツイッチョマンをして、最大限の警戒をさせてしまう、出るか出ないかわからないビーム。やはり、何かと地味めな本作では規格外の技のようです。それはそうと、フリップフロップ・チェリーは、「出るか出ないかわからないビーム」と叫ぶ時、声質がちょっと変わるんですね。カッコ良くなるというか、真面目モードになるというか。そのあたりも、出るか出ないかわからないビームは特別なようです。


FFC: しっかし、相変わらずムチャクチャ強いよねぇ。私とそこのお姉さんで、何人か倒したけれど、その間にその他大勢倒しちゃったんでしょ?


>なお、その他大勢の中には、とばっちりを受けた人を含む。「そうなのか?」と言いたげに、パンツイッチョマンが銀子先生を見ると、銀子先生は慌てて片手を顔の前で振る。


お銀: いえいえ、私なんか全然。パンツイッチョマンさんに守ってもらわないとダメな非力な女です。


>言いながら、ピタリとパンツイッチョマンに寄り添う銀子先生。今日は攻めているぞ。それに、ショックを受けた顔をする友庫ともこ さん。


友庫ともこ : あの、もしかして、パンチョさんのカノジョさんですか?


お銀: いや、カノジョというかぁ――


P1: いや、違う。


>照れたように頭に手をやった銀子先生が、早々の否定に硬直する。


友庫ともこ : あ、そうなんだぁ。良かったぁ。


>ホッと息を吐いた友庫ともこ さんに、銀子先生は鋭い目つきを向ける。


お銀: 良かった、ってどういう事かしら?


友庫ともこ : あ、いえ、こっちのことです。


>養老家の「蛇のにらみ」に、友庫ともこ さんは気付かず、フリップフロップ・チェリーと顔を合わせるとクスクス笑う。銀子先生はそれも気に入らないらしく、なおもからむ。


お銀: それに、パンチョさんって何よ。パンツイッチョマンさんでしょ!


P1: あだ名か?


>言葉を投げつけられて、ようやく友庫ともこ さんも、養老家の蛇のにらみに気付いたが、直後にパンツイッチョマンに声を掛けられて、怖がる前に笑顔になってそちらを向く。パンツイッチョマンは小首を傾げて、確認を取っているようだった。


友庫ともこ : あ、はい。パンツイッチョマンさんを短くしてパンチョです。


>資料によると、パンツイッチョと言うのが恥ずかしく考えた呼び名らしいが、周りでこれほど「パンツイッチョ」が飛び交うと口にするのも恥ずかしくないようだ。パンツイッチョマンが頷くと、ほぼ公認が得られた事案をこれ以上攻められず、銀子先生は一旦口を閉じた。

>よ、ようやく、隙ができた。女性たちがワチャワチャ話し出すと、カメラが向けられなくなって、男たちの様子を語れなかったが、もちろん存在が抹消まっしょうされたわけではない。この間、パンツマッチョマンは地面に尻餅をついた姿勢のまま少年を抱き寄せて、ささやいていた。


パンツマッチョマン: いいか、坊主。こういうのを修羅場しゅらばって言うんだ。下手に手を出すと火傷やけどするから、ジッと黙ってやり過ごすんだ。


少年: しゅ、しゅら?


パンツマッチョマン: そう、修羅場しゅらば


パンツイッショマン: 五千円。


パンツマッチョマン: どわっ!


>耳元でボソリと言われて、跳ねるように立ち上がるパンツマッチョマン。微妙な緊張感がみなぎっていた女子会話に突入した形になったパンツマッチョマンは、集まってくる視線にアワアワして、驚いた対象を指差す。


パンツマッチョマン: あ、あっちあっち。


>そこには、こっそり戻ってきていた猫背のパンツイッショマンがいた。


P1: 君の仲間か?


パンツマッチョマン: いやいやいや、違います!


>変態の仲間なんかじゃない、と全力で否定するパンツマッチョマン。しかし、他人からしたら同じ穴のムジナだ。


パンツイッショマン: 五千円。


>話の流れや女子軍の視線など気にせず、パンツマッチョに片手を出すパンツイッショマン。自然とみんなの視線もそちらへ集まる。


パンツマッチョマン: あ、五千円ね。


>そう言いながらパンツマッチョマンは自分の体をまさぐるが、当然裸の肉体にはどこにもポケットなどない。


パンツマッチョマン: あ、今は持ち合わせないから……


パンツイッショマン: ……だましたのか?


>一歩詰め寄られ、一歩下がるパンツマッチョマン。体格差では圧倒的にパンツマッチョマンの方が強そうだが、貧相なはずのパンツイッショマンには謎の迫力があった。


パンツマッチョマン: いや、だますつもりなんか、全然なくて……でも、実際はこのパンツイッチョマンに助けられて、君は三分の一だったから、報酬ほうしゅうも三分の一が妥当かなーなんて……


パンツイッショマン: 途中で助けが入るとか知らない。俺は五千円の為に戦った。


パンツマッチョマン: うん。それはそうだけど、こっちも細かく条件を確かめている余裕がなかったから、本来取引としては成立しているとは言いがたい――


パンツイッショマン: シャー!


>言い訳をつのらせるパンツマッチョマンに我慢ならなくなったのか、パンツイッショマンはシャーの構えから、パンツマッチョマンへと跳びかかる。


P1: イッチョマン・スラップ!


♯ パチン!


>パンツマッチョマンの前に立ち塞がり、左手を一閃させたパンツイッチョマン。


>女性たちからどよめきが起きる。イッチョマン・スラップを目の当たりにできた興奮というより、それを受けて、よろめいただけで倒れなかったパンツイッショマンへの驚きのようだ。


P1: 詳しい事情は知らないが、いきなり跳びかかるのは、いささか暴力的に過ぎる気がするな。


>そう言うあなたも、なかなかどうして、暴力的だと思いますよ。しかし、女性たちが驚いたとおり、イッチョマン・スラップを受けて倒れなかった人は、『第二話 桜吹雪とパンツイッチョマン』で登場し、今回の第十話でもチラッと登場した黒牛くろうしさんくらいしかいないのじゃないでしょうか? 黒牛くろうしさんは、タックルで組み付いた姿勢からのイッチョマン・スラップだったので、不十分だった可能性は高い。今回も、シャーの構えが意外にもガードの役割を果たしたのと、話した内容からパンツイッチョマンが本気ではなかった可能性は高い。そうだとしても、イッチョマン・スラップを食らって立っている状況はまれだ。


パンツイッショマン: う、うぅ。お前がうわさのパンツイッチョマン。


>数歩下がると、猫背で上をうかがうようにパンツイッチョマンへ向かい合うパンツイッショマン。……さあ、大変だ! 視聴者の方々が既にお気づきのとおり、パンツイッショマンとパンツイッチョマン。並んだ絵は一目瞭然だが、言い方は似ているのでどっちがどっちかややこしいでしょう。そういう意味では、会ってはいけない二人だったが、出会ってしまったからには仕方ない。ここは、表現方法を変えて、このように【パンツイッチョマン】と強調表現してみましょう。これまでどおり普通に表されているのがパンツイッショマンです。


P1: いかにも。そういう君は?


パンツイッショマン(では、こちらも呼称を変えて、以後「P一」と――え、ややこしい? あ、やっぱアラビア数字と漢数字じゃややこしいですか? ん、それだけじゃなく、漢数字の一と長音符ちょうおんふ(伸ばす音「ー」)と区別がつきにくい? ……それ、P1との混同では関係ないですよね。ま、とりあえず従来どおりで行きます。): パンツイッショマンだ!


>パンツイッショマンはシャーの構えで応じる。


パンツマッチョマン: そして、俺がパンツマッチョマンだ!


>パンツマッチョマンも、サイドチェスト――はすに構えて、両手を繋いで胸筋を強調するように高めの位置で組む――の格好で加わるが、当然周囲の女子からは白い目で見られる。


パンツイッショマン: 【パンツイッチョマン】、勝負だ!


>おっと、ここで、一旦中断。後の展開を加えると長くなりすぎるので、続きは次回に持ち越しだ。ただし、分けただけで、やる気がある視聴者の方は続けて視聴していただいても構わないぞ。では、次の章で会いましょう!


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