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異世界でも強いだけでリア充出来る訳じゃない  作者: 脱力呼吸法
第2章 赤の迷宮と骸骨達の騒乱
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挿話、正中線の大事的な生半可悟りの稽古話

 「どうモ、お前の素振りを見ていて思ったんだが」

 夕暮れ時の河原。路地裏の生活臭漂う場所で、ヤギンは師匠の囁くような声に素振りを止め耳を傾ける。

「はい?」

「正中線がなっていないな」

 なんですかそれは?

 初めて聞く言葉である。一応、真面目に騎士を目指している身としては師匠の言葉は一言一句憶えているつもりだった。

 あるいは、それとも聞き逃したのか?

「うん、言うのを忘れていタ。ごめんね」

「はあ……」

 向けられるゴブリンスマイルには一片の悪気もなく、故に後ろめたさなしにヤギンへと向けられている。

 で、今から教えるからそこに直立しろ、との師匠命令。理不尽でも意味不明でも従うのが弟子の務めらしい。

 なんでも、師匠の師匠様は質問すると……

 あ、

 まさか。

「動くなヨ」

 そんな警告が意味を成したかは果たして疑問である。実際、動く間も何も存在しなかった。

 いきなりである。問答無用と霧崎は腰の太刀を抜き払い、ただ気が付くと恐ろしげな威力を秘めているであろう刃が頭の上に置かれていた。

 らしい。幼馴染の目撃譚である。

 前半のところは見えてなどおらず、瞼すら硬直した後半の刃は、誰もいないと思った曲がり角でいきなり人に遭ったような感じだった。

 刃が落ちてくる。動作は終わっていない。コマ落としのように切り刻まれた時間の中でヤギンは確かに斬り殺された。

 頭頂から背骨を通って、尾骨まで。綺麗に唐竹割りに斬り殺された。

 

 「今のが、正中線ダ。理解したか?」

 幻想の死から現実の岸に引き戻される。

 死んだかと思った。というか、ぶっちゃけ、このゴブリンが何を言いたかったのやらヤギンにはさっぱり理解できない。

 手で振るな。正中線と剣を気とエネルギーで繋げとか。

 敵の正中線を躱して、こちらの正中線を敵の正中線に向けろとか。

 四方八方に正中線を向けろとか。

 なにやらよくわからないことを言われ、挙げ句の果てには、お前はもう今日は動くな。剣を中段に捧げ持って、ゆっくり五〇〇呼吸して終わりにしろと言われる始末。

 とどめに、

「剣の重さは正中線の最下部に位置する丹田で吸収スるんだぞ」

 あらたな謎の用語を残して師匠は去って行くのであった。

  

 いえー!!今回は正中線の話です。木刀を構えてじいっと経っていると、身体がごく細い縦線でくぱあっと縦に割れる感覚がありましたねんねん。

 それが、今まで視覚的に正中線だと思っていた場所から大分ずれていることが判明。

 そんで重い模擬刀振ったら軽くなっていたので今回ご報告です。まあ、その前に重い荷物背負っていたり、オ〇〇ール(失礼)使ったりしたのでどれが原因かは不明ですけれどね。

 いや、しかし正中線は大事よマジで。ここまで正中線について言及した作品はなろう内には無いかもしれませぬよ?はあ、最近のアニメで剣の達人キャラが正中線ブレブレで剣を振っているのが僕のアニメに対する落胆かも。あ、後、霧崎の言っていた稽古法はお薦め…しません。あなたの師匠の指示に従って稽古して下さい。

 では、木刀振ってきます! 

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