↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
暴走列車 清水ユリ 第2部  作者: トモサン


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
7/16

暴走列車 清水ユリ 第2部 7


 が、


 これは、運命…


 運命だと、思った…


 運命だと、覚悟した…


 そうでなければ、ならない…


 運命だと、思わなければ、この先、やっていかれないからだ…


 せっかく、父が、大金を出して、アタシの行く高校を探してくれたんだ…


 嫌だも、なにもない…


 行くしかないのだ…


 アタシは、覚悟した…


 悲壮な覚悟をした…


 そして、その覚悟に、この警官が、気付いた…


 年上の警官が、気付いた…


 「…お嬢さん、凄い顔をしているね…」


 と、言って、気付いた…


 「…今の俺たちのやりとりを、聞いて、ビビった?…」


 と、聞いた…


 直球で、聞いた…


 私は、素直に、


 「…ビビりました…」


 と、告白した…


 「…まさか、そんな高校だったなんて…全然、知らなくて…」


 と、続けた…


 が、


 しかし、返って来た言葉は、


 「…お嬢さんは、気にしなくていいよ…」


 と、言うものだった…


 「…どうして、気にしなくて、いいんです」か?…」


 と、私。


 「…だって、今、話した話は、選抜クラスの話…お嬢さんには、関係ないだろ?…」


 そう、言われると、ぐうの音も、出なかった…


 たしかに、そう…


 そうだ…


 アタシは、選抜クラスではない…


 一般クラス…


 その他大勢の一般クラスだからだ…


 「…いづれにしても、お嬢さんは、もう、これで、帰っていいよ…」


 と、年長の警官が言った…


 「…帰っていい?…」


 と、私。


 「…いつまでも、ここにいちゃ、まずいだろ? お嬢さんは、これから、学校に行かなくちゃ、ならないだろ?…」


 と、年長の警官。


 「…それは、そうですが…」


 と、アタシ。


 「…で、このひとは、どうするんですか?…」


 と、アタシは、アタシの乳を揉んだ、この村井を指差した…


 「…このひとは、もうちょっと、ここで、調書をとってからだ…それに、いくら、お嬢さんと、同じ高校に行くと言っても、まさか、痴漢の被害者と加害者が、仲良く、いっしょに、登校することは、できないだろ?…」


 そう、言われると、アタシは、なにも、言えなかった…


 たしかに、その通り…


 その通りだからだ…


 「…いずれにしろ、今日は、ご苦労様でした…また、なにか、あれば、よろしくお願いします…」


 と、言った、型通りの、お決まりのセリフを、年長の警官から、聞かされ、アタシは、駅員室を出た…


 なにやら、追い出された感じになった…


 

 しかしながら、ここで、めげているわけには、いかない…


 一刻も早く、高校に行かなければ、ならない…


 アタシは、気持ちを切り替えた…


 必死になって、切り替えて、学校に、向かった…



 学校に着くと、予想通りというか、相手にされなかった…


 真っ先に、職員室に行った…


 学校の校舎の中に、入ってから、職員室を探した…


 当然、わからない…


 すでに、授業中だからだ…


 だから、廊下には、人っ子ひとり、いない…


 誰も、いない…


 皆、授業を受けている…


 アタシは、困った…


 実に、困った…


 …どうしよう…


 と、考えた…


 …どうしよう…


 と、悩んだ…


 と、そのときだった…


 偶然、廊下を歩いている生徒を見た…


 男の生徒を見た…


 アタシは、その男に駆け寄り、


 「…職員室は、どこですか?…」


 と、聞いた…


 息せき切って、聞いた…


 アタシは、焦っていたから、余計に、息せき切っていたのかも、しれない…


 呼吸が、荒かったのかも、しれない…


 その生徒は、目をまん丸にして、驚いた…


 アタシを見て、驚いた…


 それが、わかった…


 その生徒の顔を見て、わかった…


 それゆえ、アタシは、すぐに、


 「…転校生なんです…」


 と、言った…


 と、説明した…


 「…だから、真っ先に、職員室に行かなきゃ、いけないんだけれど、場所が、わからなくて…」


 と、アタシが、息せき切って、聞くと、その男は、硬直した…


 なぜか、硬直した…


 アタシを見て、なぜか、硬直した…


 だから、


 「…てめえ、早く、教えろ!…こっちは、今、急いでいるんだ!…」


 と、言ってやりたいところだが、それを、グッと抑えて、


 「…お願いします…職員室の場所を教えて下さい…」


 と、頭を下げた…


 それを、見て、その男は、言った…


 ようやく、言った…


 が、


 それは、想定外の言葉だった…


 アタシが、予期しない、言葉だった…


 その生徒は、一言、


 「…キレイ…」


 と、言った…


 「…まるで、お人形さんのように、キレイ…」


 と、言って、顔を赤らめた…


 アタシは、それを、聞いて、なんと言っていいか、わからなかった…


 たしかに、アタシは、キレイだ…


 美人だ…


 でも、そんなことを、今、聞きたいわけじゃない…


 今、聞きたいのは、職員室の場所…


 どこに、職員室があるかだ…


 アタシは、イライラしてきた…


 もう少しで、その生徒の首根っこを掴んで、


 「…さっさと、教えろ! この野郎!…」


 と、やるところだ…


 アタシの本来の性格は、そうだ…


 しかし、その本来の性格を抑えて、


 「…よろしく、お願いします…ぜひ、教えて下さい…」


 と、言って、頭を下げた…


 アタシは、頭を下げながら、


 …これで、教えてくれなければ、実力行使しかない!…


 と、腹に決めた…


 そう、腹に決めた…


 さすがに、この学校の生徒で、職員室の場所が、わからないわけは、ないからだ…


 アタシが、そう、覚悟していると、その生徒が、


 「…あっち…」


 と、言って、この廊下の向こう側を、指差した…


 「…この廊下の向こう側…行けば、わかるよ…」


 と、続けた…


 それを、聞いたアタシは、


 「…ありがとうございます…」


 と、頭を下げ、駆け出そうとした…


 が、


 その生徒が、アタシに、


 「…転校生…」


 と、声をかけてきた…


 さすがに、それを、無視することは、できない…


 アタシは、


 「…ハイ…」


 と、答え、


 「…今日、転校してきました…今日が、転校初日です…」


 と、言った…


 すると、その生徒が、


 「…だったら、考え直した方が、いいよ…」


 と、言った…


 「…考え直す? どうして、ですか?…」


 と、アタシ。


 「…まあ、入れば、わかるよ…」


 と、その生徒は、答えた…


 アタシは、それを、聞いて、不吉な予感を覚えた…


 が、


 さすがに、それを、口にするわけには、いかない…


 その代わりに、


 「…失礼ですが、アナタは、ここで、今、なにをやっているんですか?…」


 と、聞いた…


 なぜ、聞いたのか?


 それは、この生徒が、目的もなく、この廊下を歩いているように、思えたからだ…


 アタシの質問に、すぐに、


 「…散歩…」


 と、その生徒が、即答した…


 「…散歩?…」


 アタシは、返した…


 「…でも、今は、授業中じゃ…」


 と、アタシが、戸惑って言うと、その生徒が、


 「…それが、できるのが、この高校…だから、こんな学校、来るのは、考え直した方が、いいよと、言ったんだ…」


 と、答えた…


 続けて、


 「…この学校が、欲しいのは、選抜クラスの生徒だけ…他の一般の生徒は、おまけだから…」


 と、言った…


 「…おまけ?…」


 と、アタシ。


 「…っていうか、金づるというか、寄付金目当てに、入れてもらった奴ら…オレを含めて…」


 と、自虐的に、言った…


 それを、聞いて、さっき、アタシに痴漢をした村井を囲んで、やって来た警官たちが、言ったことと、まったく、同じことを、言っていると、思った…


 そして、すぐに、大変なところに、やって来ちまったと、考えた…


 自分でも、思っても、みない大変なところに、やって来ちまったと、思った…


 思ったのだ…


               <続く>



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。