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ファンタジアン  作者: おさかなちゃん
勇者様いらっしゃい編
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19 勇者様は巨乳


「勇者殿、よくぞいらした。砂鉄の皇子、ビッグスと申す」


「え、ええー!何コレー!?」


 褐色赤毛親父に呼び出されたのはタオルを巻いた女性。

 火照った肌と濡れた髪を見るに、どうやら風呂上がりの様子。


 突然男だらけの空間に放り出されたポニテ女性は、悲鳴に近い叫びを上げた。


「脱衣所の扉を開けたはずなのに、何なの?ドッキリ!?」


 キョロキョロと辺りを見回し、何かを探す彼女。

 動きに合わせてタオルに包まれた胸がぷるんと揺れる。


「慌てずともここに勇者殿に危害を加える者はいない」


「皇子、視線に説得力がありません」


 真面目を装っていても、ビッグスの目線はしっかり彼女の胸を捉えていた。


「いや、あんたの手の形もどうなのよ」


 賢者は皇子をたしなめつつグッジョブ!と親指を立てていた。

 指摘されて初めて気付いたのか。


「おのれ悪魔の仕業か!」


 などと良く分からない責任転嫁をしていた。


「ホント何なの、コレ」


 黒髪ポニテ女性はがっくりと肩を落とした。

 零れ落ちそうなぷるるんボディに思わず注視する男性陣。


 運命のイタズラか、巻かれたタオルの端がずれている。

 ビッグスの野性的な目がキラリと光った。


「勇者殿!!」


「えっ!?」


 いきなり大声で呼ばれた彼女は勢い良く顔を上げた。動きの拍子にはらりと、タオルが外れていく。

 豊満なバストが露わになろうとしていた、正にその時。


 パーン!と彼女の前で何かが炸裂した。


「わっ!」


 白い煙が彼女の体を包み込み、裸体を綺麗に隠す。

 皇子と賢者は音の発せられた方向に体ごと振り向いた。


「危ない所でしたネ、お嬢サン」


 ほこらに設置された背の高い石像の先端部分に、白いシルクハットとマントを纏った人物が現れた。


 先の尖った靴と、手に持ったオモチャの銃には黄色い星の飾り。

 真っ黒な猫目が特徴の男は口だけの笑みを浮かべていた。


「お助けに参りまシタ」


 優雅に礼をする男を見た巨乳女性は、慌ててタオルを拾って巻き直す。

 しゃがんだ時にも白い煙が鉄壁のガードを誇っていた。


「悪魔の手先だ!」


 紅の賢者の声で兵達が一斉に白い男を取り囲む。


「貴様ァー!!」


 マッチョ皇子が怒りも露わに、手にしていた金の錫杖を投擲した。

 しかし、杖は男をすり抜けて後ろの壁に激突。石壁に見事に突き刺さる。


 マジシャンの様な猫目の男は、涼しい顔でマントをはためかせていた。


「では確かに、お返し頂きましタ」


 男は軽い音と煙を立てて消えた。 

 同時にポニーテールの女性も一瞬で姿を掻き消された。



「あれが、巫女を襲うという悪魔の使いか!」


 拳で壁を叩きつける皇子。パラパラと白い石壁の破片が落ちる。


「間違い無いでしょう。しかし、噂では黒い男のはず」


「おのれ!許さんぞ」


 更に強く壁を殴る赤毛皇子。ビキビキとヒビが広がってゆく。


「せっかくのチャンスを!」


「違うだろ!!いや、ある意味合ってるけど!」


 ほこらに残されたのは欲求不満の男共のみとなった。



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