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バルディオス 反動

膝をついたセイル。

血が、地面に滴る。

「……ゴミが……」

低く、震える声。

その目には、明確な怒りが宿っていた。

「欠陥品の分際で……」

吐き捨てる。

だが――

次の瞬間、表情が切り替わる。

冷静さが戻る。

「……」

判断が速い。

この場に留まるのは危険。

そう結論づける。

「……今回は退くよ」

小さく呟くと同時に――

魔法陣が展開される。

「待て――!」

シンが踏み込む。

追撃。

だが――

「……っ!?」

身体が、軋む。

激痛。

内側から裂けるような感覚。

「がっ……!」

膝が落ちる。

武技の反動。

無理やり引き出した力の代償が、一気に返ってくる。

「くそ……!」

視界が揺れる。

その間に――

セイルの姿は、掻き消えた。

逃走。

静寂が、一瞬戻る。

残ったのは――

ガリューン。

「……」

ゆっくりと、立ち上がる。

吹き飛ばされた衝撃は残っているはずなのに、

その視線は、ただシンだけを捉えていた。

「……なぜだ」

低い声。

怒りを押し殺したような。

「なぜ……貴様ごときに……!」

その言葉には、明確な歪みがあった。

苛立ち。

そして――

焦燥。

「……!」

シンが息を整えながら構える。

足は震えている。

だが、下がらない。

ガリューンは剣を見つめる。

わずかに、握りを強くする。

「……鍛えてきた」

ぽつりと呟く。

「斬って、斬って、斬り続けて……」

静かに。

だが、その奥にある感情は重い。

「それでも……届かん」

視線がシンに突き刺さる。

「選ばれた者だけが持つ力……!」

武技。

自分には無いもの。

どれだけ積み重ねても届かなかった領域。

それを――

目の前の“ガキ”が。

「……ふざけるな」

吐き捨てる。

そして。

ゆっくりと――

剣を、鞘に納める。

「……」

空気が変わる。

静かに。

だが確実に。

殺気が、研ぎ澄まされていく。

居合の構え。

「……来い」

低く告げる。

シンは、歯を食いしばる。

痛みで感覚が鈍る。

それでも――

短剣を構える。

(やるしかねぇ……)

息を整える。

視線を外さない。

一瞬の静寂。

次の瞬間――

――ズンッ。

空気が裂ける音。

「……は?」

シンの口から、間の抜けた声が漏れた。

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