表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/66

見えない境界2

帰り道。

 古い罠の場所に差し掛かる。

 カーシュが足を止めた。

「……壊されてるな」

 木で組まれた簡易的な罠が、無残に崩れていた。

 踏み抜かれたというより、叩き壊されたような状態だ。

「獣じゃないよね、これ」

「ああ」

 カーシュは短く答える。

「こんな壊し方はしない」

 しゃがみ込み、木片を拾い上げる。

 断面は粗い。

 力任せに破壊された跡だ。

「……複数いるな」

「え?」

「足跡の数が多すぎる」

 淡々とした声。

 だが、その中にわずかな緊張が混じっていた。

 レオンは喉が渇くのを感じた。

「……村、大丈夫かな」

 思わず口に出る。

 カーシュは一瞬だけ視線を向けた。

「だから戻る」

 それ以上は言わない。

 だが、その言葉だけで十分だった。

 村に着いた頃には、空はさらに重く曇っていた。

 風が強くなっている。

 家々の間を抜ける冷気が、やけに鋭い。

「おう、早いな」

 入口付近で、男が声をかけてくる。

「今日はもう終わりか?」

「森の様子がおかしい」

 カーシュが簡潔に答える。

 男の顔から、笑みが消えた。

「……どんなだ?」

「獲物がいない。足跡は増えてる」

「……そうか」

 短い沈黙。

 村の空気が、わずかに変わる。

 まだ“異常”とは言い切れない。

 だが、無視もできない。

「夜は見張り増やすか……」

 男はそう言って、他の者に声をかけに行った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ