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失踪事件 制圧

「……増援、か」

 ザードが小さく笑う。

 だが、その視線は鋭い。

 ディルクと契約魔物を観察している。

「面白い」

 その瞬間。

 ザードの姿が、再び消えた。

 空気に溶けるように。

 完全な不可視。

「……来ます」

 ミレアが目を閉じる。

 集中。

 位置を捉える。

「右――」

 言いかけた、その時。


 ――バチィッ!!

 雷光が走る。

 上空から一直線に落ちる電撃。

 サンダーバード。

 狙いは、ただ一点。

 “そこにいるもの”。

「……なっ」

 ザードの姿が、強制的に現れる。

 身体が痺れ、硬直する。

 回避も、防御も、間に合わない。

「が……っ……!」

 声にならない声。


 その直後。

 ――ズンッ!!

 スカルリザードが踏み込む。

 巨大な腕で、ザードを地面に叩き伏せる。

 逃げ場はない。

 骨の爪が、確実に動きを封じる。

「……終わりだ」

 ディルクが静かに言う。

 抵抗は、もうできない。


 戦いが、終わり風の音だけが残る。

 ニクスが大きく息を吐く。

「……はぁ……はぁ……」

 レイも剣を下ろす。

 ミレアは、その場に座り込んだ。

 全身から力が抜ける。

「……助かった……」

 誰ともなく漏れる声。

 張り詰めていたものが、一気に緩む。


「……で?」

 低い声。

 一瞬で空気が変わる。

 ディルク。

 腕を組み、見下ろしている。

「誰の許可で来た」

 静かだが、重い。

 ニクスが視線を逸らす。

 レイも言葉が出ない。

 ミレアも俯く。

 正論だった。

 本来、彼らは来るべきではない。

 守られる側。

 それが当たり前だった


 誰も答えない。

 答えられない。

 分かっているからだ。

 無茶だったことも。

 危険だったことも。

 そして――

 もし一歩違えば、死んでいたことも。

 ディルクが、小さく息を吐く。

 少しだけ表情を緩める。

「……まぁいい」

 ぽつりと。

 そして。

「…無事でよかった」

 それだけを言う。


 ミレアの目が揺れる。

 ニクスが顔を上げる。

 レイも静かに息を吐く。

 責められると思っていた。

 叱責されると思っていた。

 だが――

 違った。

「……はい」

 小さく返事が返る。

 それで十分だった。


 ディルクが視線を地下へ向ける。

「まだ終わっていない」

 短く言う。

「本命は下だ」

 レオン。

 その名は出さない。

 だが、全員が理解している。

「動けるな」

 三人が頷く。

 疲労はある。

 だが、止まる理由にはならない。

 戦いは終わっていない。

 だが――

 確実に、前に進んでいる。

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