魔鉱岩探索⑥
「くそっ!!」
アッシュが歯を食いしばる。
亀裂の向こう側。
ユージンとヒルデの背後から、悪精達が迫ってきていた。
「今行く!!」
飛び出そうとした瞬間――。
ゴォンッ!!
ラヴァルシザーの巨大な鋏が、アッシュへ向かって振り下ろされる。
「っ!?」
だが。
ガギィィィンッ!!!
レオンが割って入った。
剣を両手で握り締め、真正面から鋏を受け止める。
凄まじい衝撃。
足元の岩が砕け散る。
「レオン!!」
「行けアッシュ!!」
レオンが叫ぶ。
その横をレイが駆け抜けた。
「はぁっ!!」
鋭い突き。
狙いは関節。
ガギッ!!
硬い甲殻の隙間へ剣が食い込む。
「グギャァァァッ!!」
ラヴァルシザーが悲鳴を上げた。
レイは止まらない。
二撃。
三撃。
同じ箇所へ正確に突きを叩き込む。
関節部が軋む。
巨体が僅かに傾いた。
「今です!!」
ラヴァルシザーが体勢を崩す。
塞がれていた道が開かれた。
アッシュは迷わず駆け抜ける。
「ユージン!! ヒルデ!!」
そのまま後方から迫っていたフィアーオークへ斬り掛かった。
ガァン!!
一撃で吹き飛ばす。
「こっちは俺が抑える!!」
ヒルデが頷く。
「ケンジャ! これを持って先にいけ!」
ヒルデは抱えていた魔鉱岩をケンジャへ押し付けた。
「お、おい!?」
「レイ!! ケンジャを出口まで援護してやれ!!」
「わかりました!!」
レイは即座に反転。
ケンジャと共にレオンの方へ駆け出す。
一方。
ヒルデの身体が再び変形を始める。
ゴギギギギ……
両腕。
両足。
鋭い鋼鉄の鉤爪へ変貌する。
まるで獣だった。
「……ここから先は通さない」
次の瞬間。
ヒルデが悪精の群れへ飛び込んだ。
ズガァッ!!
鋼鉄の爪がフィアーオークの身体を引き裂く。
アッシュも続く。
「オラァァァッ!!」
二人で後方の悪精達を食い止め始めた。
一方その頃。
レオンはラヴァルシザーと激しく交戦していた。
ガギィン!!
斬撃。
だが硬い。
「チッ……!」
数発叩き込んでも、外殻がそれを受け止める。
その時。
レイとケンジャが駆け寄ってきた。
「レオン!!」
「いくらお前でも奴の体を斬るのは無理だ!!」
ケンジャが叫ぶ。
「関節を狙え!!」
「……っ!」
レオンは頷く。
呼吸を整える。
剣を構える。
ラヴァルシザーが怒り狂ったように鋏を振り上げた。
そして――。
振り下ろす。
ゴォンッ!!
レオンは左へ跳ぶ。
岩が砕け散る。
そのまま低い姿勢で踏み込み、関節へ向けて剣を振り下ろした。
「はぁぁッ!!」
だが。
ラヴァルシザーが僅かに脚を引く。
「っ!?」
狙いがズレた。
ガギィン!!
剣は甲殻へ弾かれる。
隙。
だが。
「レオン!!」
レイだった。
レイがラヴァルシザーの脚を駆け上がる。
まるで壁を走るように。
そして。
「そこです!!」
ズドッ!!
剣がラヴァルシザーの目へ突き刺さる。
「ギャァァァァァッ!!!」
一撃。
二撃。
三撃。
何度も何度も突き立てる。
激痛にラヴァルシザーが暴れ狂った。
巨体が傾く。
倒れ込む。
「今だレオン!!」
ケンジャが叫ぶ。
レオンは駆ける。
剣へ全力でマナを流し込む。
刀身が眩く輝いた。
「うおぉぉぉぉ!!」
倒れたラヴァルシザーの口へ剣を突き刺す。
柔らかい内部へ深く食い込む。
そして。
「くたばれぇぇぇぇぇッ!!」
溜め込んだマナを一気に解放。
ドォォォォンッ!!!!
内部から爆発が起こる。
ラヴァルシザーの身体が膨れ上がり――。
次の瞬間。
グシャァァァァッ!!!
巨体が内側から爆散した。




