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適正2

列を離れる。

 後ろから声が聞こえる。


「無属性だってよ」


「ハズレじゃん」


「戦士行きだろ普通」


「なんで通してんだ?」


 遠慮のない言葉。


 隠そうともしていない。


 レオンは振り返らない。


 ただ、歩く。


 意味はわからない。


 だが、理解はできる。


 自分は——


 “外れ”だ。


 建物の外に出る。

 空は、やはり灰色だった。


 村と同じ色。


 なのに、全く違う。


「……」


 手を見る。


 何も変わっていない。


 傷も、汚れも、そのまま。


 なのに——


 さっきまでとは違う気がした。


「おい」


 声がかかる。


 振り向くと、兵が立っていた。


「適性ありは、学園行きだ」


 短く言う。


「準備しろ」


「……無属性でも?」


 思わず聞く。


 兵は一瞬だけ間を置いた。


「規則だ」


 それだけだった。


 理由じゃない。


 ただの“決まり”。


 歩き出す。

 人の流れに乗る。


 周囲の視線は、もう気にならなかった。


 どうでもいい。


 どう思われようと——


 もう、失うものはない。


 ただ一つ。

 胸の奥に、わずかな違和感だけが残っていた。


 あの水晶。


 あの“揺れ”。


 何もなかったはずなのに。


 確かに、“何か”があった。


 それが何なのか。

 この時のレオンは、まだ知らない。




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