#35 幸せな朝
朝、起きると隣に叔母が寝ていた。小さい頃はよく見ていたはずなのに、改めて見るとあの頃と一切変わっていない。
本当にスッピンなのだろうか。もちろん、多少のシワがあるが気になるほどではない。もしかして僕の精液を摂取した事でから若返ったのかもしれない。
なんて事を思っていると、叔母はゆっくりと目を開けた。最初は微睡んでいたが、目の前に僕がいることが分かると「おはよう。智」と少し甘い声を出して額にキスをした。
「おはよう。叔母さん」
僕も同じように唇を重ねた。叔母は目を見開いたが、怒りはせずにそのまま任せてくれた。一度、二度、三度と繰り返して僕は叔母の身体に触れた。相変わらずどこを触っても張りがあって全身が痺れてしまいそうだ。
「駄目よ。朝っぱらからそんな……」
叔母は止めようとしたが、僕は「ごめん。我慢できなくて」と優しく胸を触った。本当に大きくて柔らかい。それに長いこと布団に入っていたからか、暖かい。身体でなく心も癒やされそうだ。
「智。あなたの彼女に悪いわ」
「大丈夫です。先輩と同じくらい叔母さんこと愛していますから」
愛している――こんな言葉をスンナリと出すことができるのは、叔母を愛人にしたからだろうか。
叔母の頬は紅く染まっていた。綺麗な瞳で僕を見ていた。互いの距離は再び迫っていった。
「ちょっと、二人とも。私を忘れてない?」
僕の背後から美智子さんの声が聞こえた。寝返りをうつと、叔母に負けず劣らずの美貌を持った彼女がガウンを着ていた。寝ている時にはだけたのか、大きな胸が垣間見えた。
そうだ。僕は叔母だけでなく美智子さんも愛人にしたんだった。あの旅行の後、美智子さんは夫と離婚して僕と叔母と一緒に住むようになったんだった。
「ねぇ、智く〜ん! 私にもおはようのチューして!」
美智子さんはまるで女子高生みたいなテンションで僕にお目覚めのキスを求めてきた。僕はすぐに唇に触れた。美智子さんは心の準備をしていなかったのか、「んっ?!」と驚いていたがすぐに舌を絡ませてきた。
その濃密なキスに僕の下腹部が熱くなった。このまま朝から愛撫してもいいが、二人とも仕事があるらしく、ゆっくりと起き上がった。
二人の芸能人の朝の様子が見られるなんて、これほど贅沢なことはない。ファンだったら大金を積んで得たいだろう。ましてや愛人にさせるために全財産を投げ打つ者も――さすがにそれは言い過ぎか。
※
僕と叔母と美智子さんはそこそこ大きなテーブルを囲って朝食にした。
今日は美智子さん特製のエッグベネディクトを作ってもらった。初めて食べたが、非常に美味しかった。比較対象はないけどたぶんプロの料理人並に美味しいのだろう。
「はぁあ」
美智子さんは大きな溜め息を吐いた。それに続くかのように叔母も悲しげな顔をしていた。
「どうしたの?」
「実は海外でドラマのオファーが来てさ……マナちゃんと二人で」
「えぇ?! 本当なんですか?!」
僕は叔母の顔を見ると「そうなの」と頷いた。しかし、どこか嬉しくなさそうな感じがした。せっかくの大出世なのに。
「凄いじゃん!」
「えぇ、でも……長期で行かないといけないのよ」
美智子さんの話によると、その撮影は半年ぐらいかかるらしい。現地で撮影しないといけないから、しばらく僕とは会えない。二人ともその事であまり乗り気じゃないのだろう。
「気にしないでください」
僕は二人の手を握り、真っ直ぐ見た。
「遠く離れてもビデオ通話をすれば会えますし、それに僕のためにせっかくの海外の仕事を止めないでください。僕は平気です。一人でお留守番はいつものことですから」
叔母と美智子さんは互いの顔を見合わせた後、静かに頷いた。
「確かにあなたの言う通りね」
「こんな大仕事を棒に振るなんてもったいないわ」
「それに智には彼女がいるしね」
どうやら二人とも乗り気になったみたいだ。僕はホッとした。僕の愛人二人が世界には活躍するスーパースターになれるだなんて、どんなに誇らしいだろう。
僕は本当に二人と関係を持ってよかったなとベーコンを食べて思った。




