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叔母ラヴァー  作者: 黒風月
さとる編
28/55

#28 初めてのラブホテル

 あまりラブホテルには詳しくなかったが、有名な大通りの路地裏にあった。以前にラブホテルの外観だけを検索して見た事があるが、想像通りの見た目だった。派手なネオンに煌めく『ロマンス』や『プリンセス』などの甘い言葉のホテルが(のき)を連ねていた。


 僕と秋武(あむ)先輩は壁に休憩時間の値段を見ながら歩いていると、手頃の値段を見つけたので入る事にした。無愛想な下半分しかない男と対面し、中間の金額に設定した。料金は折半にして払った。


 部屋の中はそこそこの広さだった。ベッド、浴室、洗面所、トイレのみ。証明もどこか仄暗(ほのぐら)く、完全に営みのためのホテルだった。


「じゃあ、シャワー浴びるから少し待ってて」


 先輩がコートを脱いで浴室へ向かおうとしたので、僕は「待ってください」と腕を掴んで握った。


「なに? もしかして……嫌?」


 秋武(あむ)先輩の表情に影が掛かってきたので、僕は「違うんです」と首を振った。


「その……セーターのまま抱きしめてもいいですか?」

「……え?」

「あの、その、先輩のセーター……凄く……良いなぁと思って……だから、その、抱きしめたいなぁって……」


 なかなかこういう淫らな事を言うのに慣れていないからか、舌がうまく回らなかった。先輩は急に噴き出して笑った。


「なになになに? そ〜んなに気になってたの〜?」


 先輩は意地悪そうに見せつけてきた。僕はベッドに腰をかけ、小さく「はい」と答えた。体温が熱くなっていくのを感じた。


「アハハっ! いいよ! おいで!」


 彼女は僕と同じ高さに合わせるためにベッドに座ると、両手を広げて向かい入れてくれた。僕は吸い込まれるように彼女に飛びついた。自分の顔にセーターのフワッとした毛ざわりと共に彼女の弾力ある胸の感触が伝わってきた。


 顔を(うず)めると、ディナーで食べたピザの生地が焼ける香ばしい匂いがまだ残っていた。キャラメルの香水もほのかに香り、クワトロフォルマッジを疑似飲食しているみたいだった。


「どう?」

「凄く……甘いです」

「甘い?」

「匂いとか……えっと、抱き心地とかが……」

「ふーん、そっか。もう大丈夫? それとももう少しこのままがいい?」

「……このままでお願いします」


 僕がそう答えると、秋武(あむ)先輩は「いいよ」と穏やかな声で頭を撫でた。何だか童心に戻ってきて、段々眠たくなってきた。さらに子守唄を歌ったら間違いなく寝落ちしてしまうだろうなと思っていた。が、先輩の胸を枕にして寝ていると思うと興奮が勝ってきた。


「……はいっ! おしまい!」


 すると、急に僕を突き放すように立ち上がった。僕はベッドのマットレスにダイブした。


「続きは私がシャワーを浴びてからね〜!」


 秋武(あむ)先輩はウインクした後、浴室の中に入ってドアを閉じた。あっという間に取り残されてしまった僕は静寂と化したベッドルームに大の字になって寝ようとした。


 が、自分も衣服や身体が汚れた状態でするのもいけないなと思って脱ぐ事にした。けど、裸のまま待機していると風邪を引いてしまいそうだった。暖房があまり機能していないのか、少し肌寒かった。僕は近くにリモコンがないか探した。


「さとるくぅ〜〜ん」


 すると、浴室の方から僕を呼ぶ声が聞こえてきた。不意打ちだったので、「ひゃいっ?」と声が裏返ってしまった。


「一緒に入らないの〜?」


 まさかのお誘いに僕は最初どうしたらいいのか分からなかった。このまま突入しても良かったが、仮に二人とも暖まった状態で出てきたとしても、ベッドルームが冷えているようではすぐに身体が冷えてしまう。


「ちょ、ちょっと待ってください!」


 僕は血眼になってリモコンを探した。大体壁に貼り付いてあるか、サイドテーブルの上に乗っかていると思うのだが、どこにもそれらしきものがなかった。


「あれ? ど、どこ?」


 あっちこっち動き回っていると、「さとるくん? どうしたの?」と秋武(あむ)先輩がドアから顔を出して心配そうに見つめてきた。隙間からジャーと激しく水が放出されている音がした。

 

「いや、リモコン……」

「リモコン?」

「いや、暖房が効いてなくて……このままだと風邪引いちゃうなぁと思って探してみたんですけど、どこにもないんですよ」

「たぶん、枕元にあるタッチパネルだと思うよ」

「え?」


 先輩が指差す方をみると、確かにそれっぽいものがあった。近づいてみると空調の調節の項目があったので操作してみると暖かい風が出てきた。


「あ、出ました! 良かったぁ……」

「じゃあ、服を脱いでこっちに来てね。シャワー浴びながら待ってるから」


 先輩は再び妖しい笑みを浮かべると、ドアを閉ざしてしまった。僕は慌てて素っ裸になってドアの方に向かった。洗面所には先輩のものと思わしき衣服が畳まれていた。その中にはもちろん、下着もあった。水色のブラジャーが僕の瞳に吸い込まれていった。


(いやいや、今は下着に見惚れている場合ではない。目と鼻の先に先輩がいるんだぞ)


 僕は我に返って、浴室の方を見た。彼女の言った通り、モザイク扉の向こうではシャワーを浴びている先輩のシルエットが映し出されていた。ここから先は無修正の体験が待っている。そう思うと、心臓が沸騰していた。


「せ、先輩……入りますよ」


 僕は一応挨拶してからドアを開けた。中を覗いてみると、先輩の豊満に育った肉体が目の前に現れた。

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