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叔母ラヴァー  作者: 黒風月
さとる編
17/55

#17 まさかの来訪

 まさか美智子さんとこうして二日連続で晩酌を交わせると思わなかった。しかし、今日の彼女は昨日みたいに勢い良く飲んでいるというよりは、僕との会話を楽しむように味わって飲んでいた。


 彼女は頬が少し赤く染まった顔でまだ一杯しか飲んでいないワインを一口呑むと、スマホの画面に視線を送った。


「ねぇ、これ酷いと思わない?」


 僕に画面を突きつけると、SNSの呟きが並んでいた。内容を見ると、美智子さんの事についてアレコレ言っていた。


『ミッちゃん、歳とったな』

『昔は可愛かったんだけどなぁ。今はもう化粧で誤魔化している感じ』

『SNSで水着出してたんだけど、垂れてて萎えた』


 などと、美智子さんの容姿がメインだった。何なんだ、こいつ。直接会ってもいないくせに。僕なんか彼女と――そう思った瞬間、頭の中で美智子さんとエッチなことをしている光景が脳裏に浮かんだ。


「ねぇ、どう思う?」


 美智子さんは前屈みになって僕に意見を述べてきた。その際にブラジャーに抑えつけられた谷間を直視する事になり、僕の血流が盛んになった。


 すぐに視線をスマホの画面に移して、「美智子さんの魅力を全然分かっていないんですよ。こういう人は別の若い子に乗り換えると思いますよ」と本心で言った。


「やっぱそう思う? こいつら、クソ亭主と同じかーー! 全員まとめて、ブロック!!」


 美智子さんは愚痴をこぼしながら元の姿勢に戻ってスマホをいじっていた。僕は谷間が見れなくて少し残念だと思ったが、これ以上見ると平常心を保てなくなるので、ホッと一安心した。



 珍しく美智子さんは酔いが回ったのか、部屋で休むと言ってきた。僕は彼女におやすみの挨拶をした後、後片付けをした。その間に浴槽にお湯を張って入浴の準備をした。


 片付けを終え、歯磨きをしているタイミングでお風呂が沸いた。口をゆすいでパジャマと下着を持って洗濯機の上に置くと、衣服を脱いで浴室に入った。


 入浴剤を入れて溶けきるのを待つ間、シャワーを浴びて身体を温めた。


 すると、いきなりガラッと扉が開く音がした。すぐにその方に視線を送ると、水着姿の美智子さんが立っていた。


「み、み、美智子さん?! なんで?!」

「いや、背中でも流そうかな〜と思ってさ」


 美智子さんはそう言って自分の胸を寄せ始めた。オレンジ色のビキニ姿の彼女は現役と変わらず綺麗で艶っぽかった。僕は大きくなっているのをバレないように股間を手で覆った。


「これがさっき言ってた水着なんだけどさ……どう? やっぱ垂れてるかな?」

「全然変わってないですよ! あ、あの、それだけを聞くつもりで水着に着替えたのなら早く出ていってくれませんか?」

「えぇ〜? まだ終わってないよ……ここにも聞かないと」


 美智子さんは怪しい笑みを浮かべながらちかづいていき、覆っている手を剥がそうとした。


「み、美智子さん?! や、やめてください!」

「んん〜? なんで〜? 別に昨日あんなにいっぱい見たから今さら隠しても意味ないでしょ」

「い、いや、あの時は……その……出来心で」

「出来心?」


 すると、美智子さんが急に離れた。表情を曇らせながら腕を組んだ。


「じゃあ、あの時のエッチはその場の流れでついやっちゃったってこと? 本当は……オバさんの身体になんか興味なくて、誘われたからしてやろうっていう……」

「違います!」


 これ以上誤解が深まる前に僕は美智子さんに抱きついた。


*


「すみません。勝手なことをしてしまって……」


 僕は美智子さんの身体を泡立てたタオルで擦りながら謝った。


「いいの、いいの! 少し痛かったけど、別に気持ちよかったから気にしないで!」


 彼女は笑顔で僕の身体を念入りに洗っていた。


「うん、綺麗になったけど……また大きくなっちゃったね」


 美智子さんの手遣いが巧みで刺激的過ぎたか、もう膨れ上がっていた。


「次は……どこに出したい?」


 彼女が微睡(まど)んだ眼で僕に触れた――その時だった。


「ただいまーー!!」


 玄関の方から叔母の声が聞こえてきたのだ。僕は美智子さんと顔を見合わせた後、急いで外に出ようとしたが、腕を掴んで引き止められてしまった。


「どうして?」

「今行ったら鉢合わせするから、ここに隠れて」


 美智子さんはそう言って湯船の方を指差した。僕はなぜなのか首を傾げたが、彼女は水着を脱いで渡すと急いで入るように催促してきた。


 僕は言われた通りに湯船に浸かると、彼女は上から蓋を被せて外から見えないようにした。しかし、完全に閉めている訳ではなく、少しだけ隙間を開けていた。


 顔の大半が湯船の中に浸かりながらワニみたいに息を潜めた。外からシャワーの音が聞こえてくる。すると、すぐに叔母の声が聞こえた。


「誰か入ってるの?」

「私だよーー!」

「ミッちゃん?」

「そう!」

「ねぇ、智を見なかった?」

「さぁ? 部屋で寝ているんじゃない?」

「いや、部屋にもいないんだけど」

「うーん、じゃあ、ベランダじゃなーい?」


 まずい。かなり窮地に立たされてしまった。美智子さんもそうだが、僕の方も限界が来ていた。熱気が立ちこもる浴槽内で長時間身を潜めているのは無謀にも等しかった。


「ねぇ、ここに智のパジャマがあるんだけど……もしかして一緒に入ってるの?」

「そ、そんな訳ないじゃない! だ、だって、高校二年生だよ? 赤ちゃんじゃあるまいし……」


 鋭い所を突かれてしまったからか、美智子さんの声が裏返っていた。僕の方も限界が来て、すぐにでも出ないと溺死か熱中症になってしまいそうだった。


(もう駄目だ!)


 僕は蓋を押し退けようとするが、思いのほか重くて片腕だけでは持ち上がらなかった。たちまちパニックになり、狂うように蓋をバンバン叩いたり、うめき声を上げたりした。


「ねぇ、なんか変な音がするんだけど?」

「……え? あーーー!!!」


 美智子さんはようやく僕の異変に気づいたのか、すぐに蓋を開けて、僕を湯船から引っ張りあげた。


「智くん! 智くん! しっかりして!」


 彼女の叫びに叔母はすぐに察して、勢い良くドアを開けた。


「……っ!! 智?!」


 叔母は緊迫した様子で僕を抱きかかえると、「早くタオルを水に濡らして身体を冷やして!」と美智子さんに指示した後、「待ってて。水持ってくるから」とドタドタと外に出た。


「ごめんね。ごめんね……」


 美智子さんは今にも泣きそうな声で濡れたタオルを拭いていた。

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