表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
人形姫は愛されたい  作者: 道雪ちゃん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

12/22

やることがいっぱい増えました

ゆるゆると書いてます。

変なところがあれば都度ストーリーに関わらない程度に直しております。

『レベルが上がりました』


『特殊条件達成を確認。ジョブ『傀儡師』が『死霊使い』になりました』


『スキル『死霊使役』を習得しました』


『スキル『裁縫術』『疑似生命』『死霊使役』を確認。特殊スキル『死霊縫合ネクロステッチ』を習得しました』


 クリムゾンビークを倒した直後。


 頭の中に響いたシステムさんの言葉は、いつもよりずっと長かった。


「……うぅん」


 正直、一回聞いただけじゃよく分からない。


 MPもほとんど残ってないし、頭も少しぼんやりしている。


 こういう時は考えるより確認した方が早い。


 寧々はその場に座り込みながらステータスを開いた。


【名前】枢木寧々

【ジョブ】死霊使い

【レベル】20

【HP】79/115

【MP】5/69

【筋力】G(39+8)

【耐久】G(39+6)

【敏捷】G(39+8)

【器用】D(132+18)

【知力】G(39)

【魔力】E(105+7)

【運 】F(61)


【装備】

■武器:黒鉄のナイフ(筋力+1 / 器用+2)

■武器:黒鉄のナイフ(筋力+1 / 器用+2)

■武器:黒鉄のナイフ(筋力+1 / 器用+2)

■武器:ブラッドサース(筋力+5 / 器用+8 / 敏捷+5 効果:吸血)

■頭部:魔糸編みのヘッドドレス(器用+1 / 魔力+2)

■身体①:黒薔薇のゴシックワンピース(状態:破損 耐久+2 / 器用+1)

■身体②:魔糸編みフリルペチコート(耐久+2 / 器用+2)

■靴: 黒猫ショートブーツ(敏捷+3 / 魔力+2)

■アクセサリー①:黒薔薇のチョーカー(耐久+2 / 魔力+3)

■アクセサリー②:熊太郎【筋力】18【耐久】18

■アクセサリー③:ぴょん吉【筋力】15【耐久】15


【スキル】

■操糸術 Lv.3

■裁縫術 Lv.2

■魔糸感知

■精密操作

■疑似生命


■死霊使役 Lv.1

倒したモンスターの魂(魔素)を従属化できる

スキルレベルにより従属できる数が変化する

使役したモンスターとは念話が可能

可能使役数:4体


■死霊縫合

死霊と対象の接合ができる

魂を対象に縫い付けることで、その魂の力を使用させることができる

魂を与えられた対象はレベルが追加され、元となったモンスターの進化ツリーで進化可能


「死霊使いかぁ……」


 表示された文字を見ながら小さく呟く。


 傀儡師なら分かる。


 熊太郎やぴょん吉を動かして戦ってきたし、寧々らしいジョブだと思う。


 でも死霊使いってなんだろう。


 お化けとか、そういう感じ?


 寧々にはあんまり縁がなさそうな名前だった。


 もしかして、『疑似生命』で熊太郎たちを動かしていたことが関係しているのかな。


 少し考えてみるけれど、答えは出ない。


 結局分からないものは分からないから、寧々は上から順番に確認していくことにした。


「……あれ?」


 装備欄を見ていて、ふと違和感に気付く。


 黒薔薇のゴシックワンピースの横に見慣れない文字が表示されていた。


『状態:破損』


「破損……?」


 たしかに、クリムゾンビークの爪で肩のあたりを大きく切り裂かれていた。


 何気なく補正値を見比べてみる。


 すると、本来よりかなり低くなっていた。


「半分くらいになってる……」


 今まで大きなダメージを受けたことがなかったから知らなかった。


 装備も壊れるし、しかも補正まで落ちる。


 これはちゃんと直さなきゃ。


 だけど今はMPがほとんど残っていないし、補修は家に帰ってからだね。


 どうせなら新しい素材も使いたい。


 服ももっと強くしたいし、武器もそろそろ買い替えたい。


 この半年間、探索で稼いだお金はかなり貯まっている。


 今なら多少大きな買い物をしても大丈夫なはずだった。


 そんなことを考えながら視線を下へ移す。


 そして自然と新しく増えたスキルのところで目が止まった。


「『死霊使役』と……『死霊縫合』」


 説明を読む。


 もう一回読む。


 さらにもう一回読む。


「……なるほど」


 だいたい理解できた。


 死霊使役は、モンスターの魂を仲間にできるスキル。


 そして死霊縫合は、その魂を何かの器へと縫い付けられるスキル。


 器はぬいぐるみでもいいし、たぶん死体とかでもいいんだと思う。


「それなら絶対ぬいぐるみ」


 即決だった。


 死体は嫌だ。


 怖いし可愛くない。


 やっぱり熊太郎とかぴょん吉みたいな方がいい。


 その方がずっと寧々らしい。


 さらに視線を下へ動かす。


『魂を与えられた対象はレベルが追加され、元となったモンスターの進化ツリーで進化可能』


「じゃあ……例えばゴブリンの魂をぬいぐるみに入れて育てたら、その魂も強くなるってこと……?」


 画面を見つめながら考える。


 ホブゴブリンとか、もっと上位のモンスターとか。


 もしそんな風に進化するなら――。


 しかも強くなるのは魂だけじゃない。


 器だって強化できる。


 寧々には『操糸術』があるし、『裁縫術』もある。


 素材を集めて補強して、もっと丈夫にして。


 そうやって育てていけば……。


「……寧々、もっと強くなれるのかも」


 胸の奥が少しだけ熱くなる。


 やりたいことが次々に浮かんできた。


 新しい服を買う。


 熊太郎たちを補修する。


 強化素材を集める。


 新しい武器を探す。


 モンスターの魂を仲間にする。


 ぬいぐるみに魂を入れる。


「やることいっぱいだなぁ……」


 思わず苦笑いが漏れた。


 でも嫌じゃないし、むしろ少し楽しい。


 素材は個人向けにはほとんど流通していないから自分で集めるしかない。


 寧々は立ち上がり、クリムゾンビークのドロップアイテムを回収していく。


 他のモンスターより一回り大きな魔石。


 真っ赤な嘴と鋭い爪。


 どれも高く売れそうだし、素材としても使えそうだった。


 リュックへしまいながら石階段の方へ向かう。


 すると、その途中で違和感に気付いた。


「……ん?」


 階段の近くの壁際にぽつんと何かが置かれていて、最初はなにかわからなかったけど、近付いてみるとわかった。


「宝箱だ……」


 胸が少しだけ高鳴る。


 何が入ってるんだろう。


 武器かな。


 素材かな。


 それともお金?


 わくわくしながら蓋に手をかけた。


 ギィ、と小さな音を立てて箱が開く。


 そして。


「……え?」


 中を見た瞬間、寧々は目をぱちぱちと瞬かせた。


「……え、ほんとに?」


 思わず二度見する。


 さらに三度見した。


 箱の中に入っていたのは、一つのリュックだった。


 見覚えがある。


 いや、正確にはネットで何度も見たことがある。


「マジックバッグ……?」


 心臓がドクンと跳ねた。


 他のダンジョンで発見されたって話は知っている。


 探索者の掲示板でも話題になっていた。


 でも数が少なくて、滅多に市場には出回らない。


 だから実物なんて見る機会はなかった。


 寧々は恐る恐る手に取る。


 軽い。


 見た目は普通のリュックなのに、妙なくらい軽かった。


 しかもリュック型。


 容量が大きいタイプだ。


「熊太郎たちも入るかも……」


 思わず頬が緩む。


 予備のぬいぐるみも、ポーションも。


 素材も、武器も。


 今までよりずっとたくさん持ち運べる。


 これは本当に嬉しい。


 だけど。


「……可愛くない」


 ぽつりと真顔でそう呟いた。


 性能は最高でも見た目は全然可愛くない。


 黒一色で無骨すぎる。


 寧々はしばらく眺めたあと、小さく頷いた。


「帰ったら改造しよう」


 もう頭の中では新しいデザインを考え始めていた。


 黒薔薇を付けるのもいい。


 フリルを付けるのもいい。


 可愛いリボンも欲しい。


 そんなことを考えているうちに、さっきまでの疲れも少しだけ薄れていた。


 寧々は新しく手に入れたリュックを抱えながら石階段を降りていく。


 そして11層の転移石へ探索者登録証を登録すると、そのまま地上階へと転移した。

ブックマーク、リアクション、評価をしていただけると幸いです。

よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ