きゃぁあ!!変態!!
私達は今、先生に連れられ、『緊急事態』にのみ使われる寮と学院分校をつなぐ非常経路を通っている。
「先生!!今何が起きているんですか?」
「この音は何ですか!?」
「先生!!」
他の女子生徒たちは緊急事態ということで駆けつけてきた先生に質問を投げかけまくる。
今そんな状態じゃないはずだけど、質問している方の気持ちも分からなくもない。
だって私も知りたいから!!
「うるさい!!いいからさっさとついてきなさい!!」
「「「「!!!」」」」
だが、鬼気迫る般若の表情を見れば、質問するという行為が『禁忌』だということは古今東西変わらないね。
「・・・・騎士団の方々が先ほどいらっしゃって、『緊急事態』であることを通告してきました」
先程質問したがっていた女子生徒は『騎士団』、『緊急事態』と立て続けに言われ、そういう事態だと分かったようだ。
「私たち教職員はあなた方の身の安全を守らねばなりません。わかったのならさっさとついてきなさい」
「「「・・・・・」」」
首肯。・・・・・ただし私を除いて。
徐々に早足になる先生、それに伴って早足になる生徒、そして速足のふりしてわざと減速する私。
しかし、このままだと廊下を曲がるたびに後ろを確認する邪魔者をかいくぐることができない。
跳躍。私は指を少しだけ天井にぶっ指して、体を揺らし、天井を「カサカサ」這うGの如く天井に張り付く。
目線は先生に。
曲がり角を曲がろうとする女子生徒と先生。
先生の視線は私を――捉えなかった。よし!!
わたしは今来た道を戻る。結構難解に入り組んでいたから、迷いそうだなぁ。
本気三割ほどの速さで走る。
ぶつかって非常経路がボッコボコになっても気にしない。
いつの間にか閉められていた寮に続く扉をラッシュでぶっ壊し、私は寮自室へと戻る。
―――――
暗い自室。
明るかったらバレる可能性があるので照明は付けない。
私は暗闇を這うGのごとき素早さで変態鎧の木箱を奪取。
『なんだよ、起こすなよ。なんかあったのか?』
「その『なんか』が起きてそうだから行くよ」
『へいへい。』
あ、今私、せっかく直してもらった制服を着ている・・・・・・脱ぐか。
『おい、ちょっと待て!!』
「何?急いでいるんだけど?」
急にうるさいな、このド変態鎧。
『「何?」じゃねぇよ!!なんで今、俺の前で着替えてんだよ!?』
「着替えるんじゃないよ、脱ぐんだよ」
『同じだろ!?・・・・ちょっと待て、まさか・・・・』
「そうだよ。下着姿の上に着るの」
『・・・・・正気か?』
「・・・バカにしてる??」
『俺のセリフだ馬鹿!!』
本当にうるさいなぁ。
まだいろいろと騒いでいるド変態鎧を無視して、下着姿になる。
「行くよ!!」
『・・・・もう、お前には何も言わない!!』
「変身!!!」
暗い部屋の中で、鎧が光り輝く。
やっぱこういう演出って大事だよね。
「さぁ、行こう!!」
私は、窓枠に足をのっけて跳躍し、王都の夜を飛翔する!!




