73、秋の気配
橘信司は身震いした。
「アレスさん、最近朝晩が冷えるようになってきましたね」
「そうですね。信司さん、もう秋になってきているんですね」
信司は猫用の大理石のマットをしまい、布のマットと交換した。
「猫様達も、そろそろ温かいものを敷いた方がくつろげるでしょう」
「にゃーん」
信司は猫カフェの部屋の中も模様替えのため、秋の色合いのカーテンに変えた。
「これで良いでしょう」
「素敵ですね、信司さん」
アレスも模様替えの住んだ部屋を感心してみていた。
信司は店の看板をOPENにした。
「あら、店内が赤や茶色主体の色合いに変わってますね」
最初に着た客はアリサだった。
「今日から秋用の特別メニューもあります」
アレスはそう言ってメニューを広げてアリサに渡した。
「本当だ。秋のオムライスきのこ入りってある。あと、ホットココアもあるんだ」
「はい」
「それじゃ、新メニューのきのこオムライスとホットココアをお願いします」
アリサが注文すると、アレスはメモを取り信司に伝えた。
「あら、猫ちゃんも薄い毛布出して貰ったのね。じゃれてる様子が可愛い」
「にゃーん」
にゃんじろうが毛布にくるまって、顔だけ出して鳴いた。
「お待たせ致しました」
アレスがきのこオムライスとホットココアを持って来た。
「いただきます。……うん、美味しい」
「ありがとうございます」
アリサの後にも、お客さんが何人か入ってきた。
お客さんが次々と秋の新メニューを頼んだので、きのこオムライスは品切れになってしまった。
「申し訳ありません、本日のきのこオムライスは品切れです」
「あら、ざんねん。じゃあ、ふつうのオムライスをお願いします」
信司は夕方になって、お客さんも途切れてきたので店の看板をCloseにした。




