70、クッキーを作りました
橘 信司は考えていた。
「お土産になる物を作りたいですね」
少し考えて思いついた。
「猫様のクッキーを作りましょう!」
信司は猫の顔方のアイシングクッキーを作り、焼き上げ、それぞれにチョコレートでにゃんにゃん達の似顔絵を描いた。値段は5枚入りで500ギルにした。
翌日、アレスがやって来た。
「おはようございます、信司さん」
「おはようございます、アレスさん」
アレスはレジの脇に置かれた、猫達の似顔絵クッキーに気がついた。
「あれ? 新商品ですか?」
「はい。お土産になる物を買いたいというお客さんの意見があったので作ってみました」
「それではお店を開きましょう」
信司は店の看板をOpenにした。
お客さんがやって来た。
帰り際に、クッキーに目をやると、言った。
「可愛い! これ一つ下さい」
「500ギルです」
「はい、500ギル」
クッキーの売れ行きは上々だった。信司が作った5セットは直ぐに完売してしまった。
「信司さん、クッキー好評でしたね」
「そうですね」
信司は嬉しそうに頷いたが、少し困った顔をした。
「もっと作りたいところですが、店を閉めた後だと5セット以上は作れませんね」
「あ、もうクッキー売り切れちゃったんだ」
アリサがやって来て言った。
「もうしわけございません、アリサ様」
信司は頭を下げた。
「お店から出てきた人が可愛いクッキーを持ってたから、新商品だと思ったんだけど」
「はい、今日から並べてみました」
「一日、どのくらい作ってるの?」
アリサの問いかけに、信司が答える。
「5セットのみです」
「それだけ!? じゃあ、なかなか買えないかな」
信司は申し訳なさそうに俯いた。
「また、作りますので気長にお待ち頂ければ」
「うん、そうします」
アリサはそう言うと、店のいつもの席に座った。




