62、とうもろこしをもらいました
橘 信司は生き生きしていた。
「よお、信司!」
「これはライン様、レイン様、いらっしゃいませ」
「今日はお土産にとうもろこしを持ってきたんだ」
「ありがとうございます」
信司はとうろもろこし3本を受け取ると、早速湯を沸かしてゆで始めた。
そして、ゆであがったトウモロコシを冷まし、2本を冷蔵庫に入れた。
1本のトウモロコシは、皮を剥ぎ、身だけを包丁で切り取り、すり鉢で擦って薄皮は捨てた。
「なにをしてるんですか? 信司さん?」
「アレスさん、猫様用にトウモロコシの下処理をしてるんですよ」
「へー。そのままあげちゃ駄目なんですか?」
「はい、猫様がお腹を壊してしまいます」
信司は出来上がったトウモロコシペーストを猫達のお皿にそれぞれスプーンいっぱいくらいずつ取り分けると、床に置いた。
にゃーが一番先に食べ出した。
ペロペロと舐めながら、美味しそうに食べている。
「とうもろこしは甘いので、好きな猫様も多いんですよ」
「そうですね、甘くて美味しいですよね、とうもろこし」
信司は猫達の様子を見て、静かに頷いた。
「アレルギーのある猫様にはあげられませんが」
「あ、ライン様とレイン様の注文は何でしたっけ?」
「紅茶とパンケーキでした。もう出してありますよ」
アレスの言葉に信司はホッとした。
「ありがとうございます、アレスさん。つい猫様のことを考えると夢中になってしまって」
「大丈夫ですよ、信司さん」
猫達はとうもろこしペーストを食べ終えて、おかわりを要求してきた。
「少しだけですよ」
信司はおかわりのとうもろこしペーストを猫達のお皿にのせた。
「残りのとうもろこしは、私たちがお昼に頂きましょう」
「はい、信司さん」
信司は、猫達がおかわりを食べ終えるのを見て微笑んだ。
「ライン様、レイン様、ありがとうございました」
「いや、知り合いから沢山もらっちまって困ってたんだ」
ラインがそう言って笑った。
「猫がとうもろこし食べるかはわかんなかったけどな」
レインはそう言って、空になったお皿を舐めている猫をじっと見ていた。
「それじゃ、紅茶とパンケーキ、美味かったぜ」
「ありがとうございます、またお待ちしております」
「とうもろこし、ごちそうさまでした」
信司とアレスは、二人に頭を下げた。




