55、にゃー様にのみがつきました
橘 信司は戦慄した。
「にゃー様に、のみがついている!?」
信司は慌てて、他の猫達をつぶさに観察した。
どうやら、のみがついたのはにゃーだけだ。
「アレスさん、にゃー様を病院に連れて行きます」
「はい、信司さん。気をつけて行ってらっしゃい」
信司は町の動物病院に駆け込んだ。
幸い、病院は空いていた。
「にゃー様にのみがついているんです!」
「ああ、ちょっと待ってね」
お医者さんが、にゃーを調べる。
信司はその様子を凝視していた。
「うん、のみだけだね。薬出してあげるから、きちんとお手入れしてあげてね」
「はい」
信司はホッとして、涙ぐんでいた。
病院を出て店に戻ると、信司はアレスに言った。
「のみ対策として、掃除を念入りにお願いします」
「はい、信司さん」
信司はにゃーをお風呂に入れて、のみ退治シャンプーを使って念入りに洗った。
その後はのみ対策の櫛で、ブラッシングをしてのみを取った。
そして、信司はもらってきた薬をにゃーの皮膚に垂らした。
「にゃー様、しばらくケージの中に居て頂きます。申し訳ありません」
信司はにゃーをケージに入れ、店の奥に移動した。
「のみはうつりますからね。アレスさんも気をつけてくださいね」
「はい、信司さん」
「それにしても、にゃー様は大丈夫でしょうか」
信司は店を開けたが、にゃーの様子をこまめに観察した。
3週間、のみ対策をして、にゃーは元気になっていた。
「私としたことが……にゃー様に申し訳ありません」
「げんきだしてください、信司さん」
信司は元気になったにゃーを抱きしめて、頬ずりをした。




