36、雷が鳴りました
橘 信司は目を覚ました。
外は大荒れの天気だった。
「猫様達、大丈夫ですか?」
「フーッ」
にゃーがおびえていた。
猫たちは雷を怖がっているようだ。
信司は慌てず、優しく話しかけた。
「猫様達、落ち着いてください。そうだ、わたしの寝袋と毛布を使ってください」
信司はそう言うと、寝袋を出た。
すると猫たちは暖かな寝袋にすっぽりと収まった。
「にゃーん」
にゃんじろうがすれ違いざまに、信司の足下にまとわりついた。
信司はにゃんじろうをなでた。
そのとき、店のドアが開いた。
「おはようございます、信司さん」
「おはようございます、ロイ君」
「今日はお店開くんですか?」
「いいえ、今日は猫様達が安心できるよう、お店は休みです」
信司はそう言って、寝袋を指さした。
ロイは猫たちの様子を見て頷いた。
「猫様は、雷を怖がる場合があります」
「はい、信司さん」
「そんなときは飼い主はゆったりと構えて、猫様に優しく話しかけると良いんです」
信司はそう言いながら、寝袋に隠れた猫たちを優しく見守った。
午後になって、天気が良くなった。
信司は猫たちが出て行った寝袋を掃除した。
信司はロイに猫たちのご飯を任せた。
ロイも信司の指導を受け、猫たちの食事を作れるようになっていたからだ。
猫たちの世話が一通り終わると、信司はパンケーキを二つ焼いて紅茶を入れた。
「はい、ロイ君」
「ありがとうございます、信司さん」
「いいえ、いつもがんばっていますね」
「はい、2号店の店長になるため、気が抜けません」
「ロイ君は今まで通り、猫様の事を一番に考えてくれれば問題ありません」
二人は、机の下で丸くなっているにゃんにゃんを見つめて微笑んだ。




