↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/74

21、持ち込みは禁止です

橘 信司は油断していた。

その事件は、お昼過ぎに起こった。


何度か来店していたお客さんが、ウエストポーチからタッパーに入ったタマネギのおかか和えを出して、パンケーキの皿に乗せたのだった。

すると、にゃんたが寄ってきた。


「いけません! 何してるんですか!?」

信司は慌てて台所から飛び出すと、皿をにゃんたから引き離した。

「あらあ、猫ちゃんも美味しそうだと思ったんじゃない?」

持ち込みをしたのは、40代のおばさんだった。


「猫様が食べたら中毒を起こして、最悪死んでしまいます!!!」

信司は血相を変えて注意していると、おばさんはむっとした表情で言った。

「そんな大げさに騒がなくても良いじゃない、タマネギくらいで」

「なんてことを言うんですか! 貴方はもうお客ではありません」

信司はおばさんに向かって、声を荒げた。


猫たちが心配そうな顔をしている。

信司は、ハッとして声のボリュームを下げた。

「猫様達のためにも、当店では飲食物の持ち込みを禁止させて頂いております」

おばさんは不服そうだったが、タッパーをしまい、タマネギサラダを食べきった。


「もう、こんな店来ないからね!」

おばさんはパンケーキと紅茶を空にしてから、信司に文句を言った。

信司は頷いて、静かな声で言った。

「はい、承りました」


信司はおばさんから2000ギルを受け取ると、彼女が店を出て行くまで見送った。

「あぶないところでした、にゃんた。人間の食べ物は危ないことがあるんですよ?」

信司はにゃんたを抱きしめて優しく言った。


信司は店の看板に<飲食物の持ち込み厳禁>と書き足した。


「いままで、こんなこと無かったので油断していましたね」

信司は一人、深く反省していた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。