15、オムライスを作ります
橘 信司は考えていた。
「食事メニューを出したいなあ」
にゃーきちを撫でながら、信司は呟いた。
「そうだ、オムライスを作ろう!」
早速、信司はトマトとタマネギ、ニンニク、鶏肉と米を市場で買ってきた。
そして、トマトケチャップ作りから始めた。
猫たちは信司の様子をうかがっている。
まず、信司はタマネギとニンニクを細かいみじん切りにした。
そして、トマトを湯むきして、サイコロ型に切った。
大きめの鍋にすべての材料とローリエを入れて、煮込む。
30分ほど煮詰めて、手作りケチャップが完成した。
「よし、メニューに加えよう」
信司は、Newと書いてから、オムライスとメニューに書き加えた。
猫たちのブラッシングを終えて、店を開ける。
すると、ラインとレインがやって来た。
「いらっしゃいませ、先日はありがとうございました」
「おう、もう体は治ったのか?」
「はい、おかげさまで」
そう言ってから、信司はいつものように入店時間を書いた紙を、ラインとレインの首に提げた。
「今日は新メニューがあります。先日のお礼に、プレゼントです」
「ほう、このオムライスってやつかい?」
「はい、そうです」
そう言って、信司は台所に行った。
ジュウジュウとチキンライスを炒める音がする。
そして、ふんわりとした卵焼きが、チキンライスを盛った皿に乗せられた。
「お待たせしました。お召し上がり下さい」
「おお、黄色くて綺麗だな。赤いソースは何だ?」
「トマトケチャップです」
「そういうものか、いただこう」
ラインとレインはオムライスを口に運んだ。
「美味いな!! これはクセになる」
「ありがとうございます」
ラインとレインは、オムライスを食べた後、紅茶を二つ頼んだ。
猫たちも、ラインとレインに遊んでもらいにおもちゃを持って寄ってきた。
「にゃんにゃん、ほれ、ほれ」
猫じゃらしを振ると、にゃんにゃんがそれを捕まえようと前足を出した。
店内には、今日も平和な空気が満ちている。
信司はオムライスが好評だったので、嬉しかった。
そして猫たちのくつろいでいる姿は、何物にも代えがたいと思った。
昼の時間には、オムライスの注文が続いた。
猫たちも食べたそうにしていたが、信司は猫たちの体のことを考えて与えなかった。
猫用の特別メニューを、床に置くと五匹の猫は大人しく食べ始めた。
お客さんが10名を超えたので、信司は看板をCloseにした。
「今日は良い一日でした」
信司はそう言うと、猫たちの散歩を見送って、ランニングに出かけた。




