14、信司は風邪を引きました
橘 信司は風邪を引いた。
「はっくしゅん!」
熱は38度だった。
「猫様達に申し訳ない・・・・・・」
信司は病気の体で、猫たちの世話をした。
マスク姿の信司を見て、猫たちは心配そうだった。
「大丈夫です。ちょっと外で、薬をもらってきます」
猫たちにそう言うと、店をCloseにしたまま信司は外に出た。
信司は軽いめまいを感じながら、薬屋に行った。
「風邪薬を下さい」
「はいよ、3000ギルだよ。顔真っ赤だね、大丈夫かい? あんちゃん」
「はい、猫様達のために早く直さなくては」
そして信司は自分の店に戻ると、寝袋に入った。
コンコン!!
ドアを叩く音がした。
信司はゆっくりと起きて、ドアを開けると、下の飲み屋の女将が立っていた。
「あんた、風邪引いたんだって!? 差し入れだよ」
そういって、鍋ごと差し出されたのは鳥と野菜のスープと柔らかなパンだった。
「ありがとうございます」
「よく食べて、ゆっくり休みな! 今までの疲れが出たんだろう」
女将はそう言って笑った。
信司は遠慮無く、女将の好意を受け取った。
「猫たちは大丈夫かい?」
女将さんは店の中の様子をうかがった。
「猫様達の体調管理は万全です」
信司はかすれる声で答えた。
「ぶれないね、あんたは。じゃ、なんかあったら声かけるんだよ」
去って行く女将さんに信司は礼を言った。
「助かりました。猫様達の食事は作り置きがありましたが、自分の分まで手が回っていませんでしたから」
信司は店に戻り、台所に女将さんが持ってきてくれた鍋を置くと、一杯スープを飲み買ってきた風邪薬を飲んだ。
そして、寝袋にもどった。
猫たちが信司の寝袋の上に集まって、一緒に眠った。
信司は心地よい重さと暖かさを感じて熟睡した。
昼になった。
信司の熱は下がっていた。
信司は猫様達の食事の用意やトイレの片付けをした。
そして、信司はまたスープと薬を飲んだ。
「猫様達のためにも、早く直さなくては」
トントン、とドアがノックされた。
信司がドアを開けると、ラインとレインが立っていた。
「おい、風邪だって!? これ飲めば直っちまうぜ! 差し入れだ」
そう言って、ラインはホットワインの入った水筒を信司に渡した。
「ありがとうございます」
「お前が元気にならないと、猫たちと遊べねえだろ?」
レインが笑って言った。
信司は深く頭を下げた。
「ありがたいですね、人のつながりは・・・・・・」
信司は夜までゆっくり眠った。
夜はスープとパンを食べ、薬を飲んだ。
そして、冷めたホットワインを温め直し飲んだ。
「これで、明日は体調もよくなるだろう。店も開けるはず」
信司は猫たちに囲まれて、幸せな夢を見た。
そして夜が明けた。
「ああ、体が楽になった!」
信司は熱を測った。平熱だった。
「女将さんとラインさんとレインさんにはお礼をしなきゃな」
そう言ってから、信司は猫たちのブラッシングを始めた。




