2-13 吹き渡る鎮めの風
少し見ない間に、何とPV9000、ユニーク2000突破してました。
読んでくださった皆様、本当にありがとうございます!
今回は、今後の予定とちょっとした募集のためにあとがきがあります。
肩から離れたセフィの手がそっと差し出される。その手に自分の手を重ね、ティアはセフィに寄り添った。
「結界を解除したら、すぐに発動してくださいね」
「わかった」
ふ、と、セフィが笑う気配がした。ティアは少し高い位置にあるセフィの顔を見上げる。
「何だ?」
「いえ。ティアさんがいてくれて、本当に良かったと…そう、思っただけです」
「あのなぁ…この非常時に」
「本当ですよ。きっと…」
僅かに動いた口元。でも、そこから漏れたであろう声は、ティアに届く前に消えていく。
「…今、何か言ったか?」
セフィは、微笑む。
「いいえ、何も」
とても穏やかに…微笑む。
そして。
セフィが、すいっと杖を動かした。
不意に風が変わったのを感じ、ティアも気を引き締める。
一瞬、風が止まり、そして…結界が、砕け散る。
手を握るその力が、どちらからともなく強まる。
「闇は我が思いを導く…」
かつんと、杖が地を突く音。そして、広がる風。
「狂乱の子よ、揺籃に還れ」
狂気を鎮める闇属性の術が、風に乗る。遠く遠く吹き渡る、柔らかな風に。
濁った空気を染め替えるように、町中に吹き渡る風が、狂気の魔力を鎮めていって。風に触れた瞬間、魔元たちは次々と水に還る。
そして、濡れた石畳だけが、最後の名残と残された。
「何をしたのか、聞かないんですか?」
再び静寂に包まれた街を見つめて、セフィはぽつりと言った。
「聞いて欲しいのか?」
ティアは、それを問いで返す。
セフィは、一瞬虚を突かれたような顔をした後、柔らかく苦笑した。
「そうですね、聞いて欲しかったのかもしれません」
ほんの少し、和んでしまったのだ。
ひとつの事件が片付いたと思って。
本当は…終わるどころか、始まりに過ぎなかったのだけれど。
改めまして、唐紅 那智です。
現段階において、現在更新中の第二部の最後まで書きあがっております。校正しながら載せていきますが、今週終わりには2部完結できると思います。
その後、一話分使ってここまで出てきた登場人物紹介を行い、第三部に行く予定です。
さて、第三部開始にあたって、一つ募集があります。
実のところ、三部に登場するメインキャラクターのうち一人の名前が未だ決まっておらず、執筆が進まない状況にあります。
と、いうことで、名前を募集したいと思います。いきなり人任せですみません。
一応、(重大なネタバレにならない程度の)簡単なキャラクター紹介としましては
「20歳男性、肩につかない程度の長さの黒髪で、長めの前髪で左目を隠している。右目の色は赤。
闇と火の属性を持っているが、魔術は全く使えない。自分から一定の距離以内での魔術使用を封じるという特異体質。
自称・『囚われの牢番』 」
といった感じです。
応募お待ちしています!




