広島から返事がない
『幸と恵のものがたり』
第40話 広島から返事がない
昭和二十年八月七日。
長崎の朝は、いつもと変わらないように始まった。
港から吹く風。
坂道を走る路面電車。
長崎機関区から聞こえる汽笛。
造船所へ向かう人々。
配給を受け取るために並ぶ女性たち。
町は動いている。
だが、その日。
大村家の中には、朝から重い沈黙があった。
ラジオが伝えたのは、広島へ「新型爆弾」が投下されたという短い知らせだった。
被害の全容は不明。
詳しい情報は入っていない。
何が起きたのか。
どれほどの町が破壊されたのか。
どれほどの人が亡くなったのか。
誰も知らない。
ただ一つ。
広島が、大きな被害を受けたらしい。
それだけだった。
そして広島には。
幸と勝男がいた。
一 八月七日の郵便受け
恵は、朝早くから玄関へ出た。
まだ完全には体力が戻っていない。
それでも、自分の足で郵便受けまで歩いた。
開ける。
何もない。
奥まで手を入れる。
紙の感触はない。
「今日も来とらん」
背後で節子が立っていた。
「昨日のことやけん、まだ手紙は来んよ」
「分かっとる」
恵は郵便受けを閉じた。
「でも、幸姉ちゃん、五日に手紙書いとったかもしれん」
「うん」
「六日の朝に出しとったかもしれん」
「うん」
「途中まで来とるかもしれん」
節子は、娘へ何も言えなかった。
広島の郵便。
駅。
線路。
それらがどうなっているのか、まだ分からない。
「お姉ちゃん、あの日も手紙書くって言いよった」
恵は小さく言った。
「明日の夜、続きを書くって」
節子の目が揺れる。
幸が最後に出した手紙。
北海道への旅。
勝男への悪口。
飛行機の絵。
いつもの明るい言葉。
その続きが、届くと信じていた。
二 ラジオの短い知らせ
大村家のラジオ。
雑音。
途切れがちな音声。
広島市へ投下された新型爆弾。
相当の被害。
詳細は調査中。
それ以上のことは伝えられない。
恵は、ラジオの前へ座り込んでいた。
「相当って、どれくらいね」
勝一は答えられない。
「新型爆弾って、何ね」
節子も答えられない。
「広島駅は?」
「分からん」
「機関区は?」
「分からん」
「官舎は?」
「分からん」
恵の声が強くなる。
「何で、何も分からんと!」
勝一は唇をかんだ。
「情報が届かんのだ」
「電話は?」
「つながらんらしい」
「電報は?」
「広島方面へは送れん」
「汽車で行けば」
「線路がどうなっとるか分からん」
「なら歩いてでも」
「恵」
「幸姉ちゃんがおるとよ!」
恵は立ち上がろうとした。
足元がふらつく。
節子が支える。
「まだ体が戻っとらん!」
「でも!」
「倒れてどうすると!」
恵は母の腕の中で泣いた。
「お姉ちゃん、待っとるかもしれんやん」
三 長崎機関区
長崎機関区でも、朝から情報が錯綜していた。
区長・山崎信吾の机には、各地から届いた報告書が積まれている。
山陽本線。
広島駅。
操車場。
機関区。
路面電車。
通信設備。
どの報告も断片的だった。
「広島駅構内、大規模損傷」
「市内通信、ほぼ途絶」
「路面電車網、壊滅的被害」
「広島機関区、職員多数死傷」
「運行不能区間あり」
職員が読み上げるたび、原田正勝の顔が硬くなっていった。
「職員多数って」
原田が尋ねる。
「何人ですか」
「分かりません」
「勝男の名前は」
「まだ名簿が来ていません」
「藤原さんは」
「不明です」
「木村修司は」
「不明です」
また。
不明。
消息不明。
確認中。
原田は机へ手をついた。
「広島機関区が壊滅的被害って」
声が震える。
「勝男は、その時間に機関区におったんです」
山崎は黙っていた。
「早番でした」
「ああ」
「朝から機関車を点検するって、手紙に書いとった」
「ああ」
「なら、そこにおった」
山崎は、否定できなかった。
四 原田の怒り
「新型爆弾って、何ですか」
原田が尋ねた。
山崎は首を横に振る。
「分からん」
「一発で、鉄道も路面電車も町も壊滅させる爆弾があるとですか」
「報告が正しければ」
「そんなものを」
原田の拳が震える。
「人が暮らしとる町へ落としたとですか」
誰も答えない。
「勝男がおる」
「幸さんがおる」
「鉄道員の家族がおる」
「学生がおる」
「子どもがおる」
原田の声が大きくなる。
「そこへ落としたとですか!」
山崎が静かに言う。
「原田」
「はい」
「今は、生存者の情報を集める」
原田は歯を食いしばった。
「生きとるって知らせが来るまで、死んだとは思いません」
「ああ」
「勝男は危険なら止める男です」
「ああ」
「きっと、どこかへ逃げとる」
山崎はうなずいた。
だが、その目には深い悲しみがあった。
五 大村家へ向かう原田
昼過ぎ。
原田は、山崎から頼まれたわけでもなく、大村家へ向かった。
何も確かな情報はない。
それでも、知らせに行かなければならないと思った。
戸を叩く。
節子が開ける。
原田の顔を見た瞬間。
節子は、何かを察した。
「原田さん」
「はい」
「幸たちは?」
原田は、すぐには答えられない。
恵が奥から出てくる。
「お姉ちゃんは?」
「まだ」
原田は言った。
「まだ、分かりません」
恵の表情が崩れる。
「広島機関区は?」
「大きな被害を受けたらしいです」
「勝男さんは?」
「名簿が届いていません」
「官舎は?」
「広島市内の建物は、かなり壊れたと」
「幸姉ちゃんは?」
原田は答えられない。
恵が原田の胸元をつかんだ。
「何で分からんと!」
「連絡が取れんとです」
「鉄道員やろ!」
「はい」
「汽車ば走らせて、広島まで行ってよ!」
原田の目に涙が浮かぶ。
「線路が切れとる」
「なら、直して!」
「機関車も」
声が詰まる。
「職員も、大勢やられとる」
恵の手から力が抜けた。
六 佐世保へ届いた報告
同じ頃。
佐世保方面の軍需施設。
龍弥たちの作業場にも、広島の被害について短い知らせが届いた。
作業員たちは、昼休みに掲示された紙を囲んでいた。
「広島市へ新型爆弾」
「市内に甚大な被害」
「鉄道、通信、交通機関に重大な障害」
龍弥は、紙の前で動かなかった。
「広島」
隣の中村浩一が声をかける。
「龍弥さんの親戚がおるとですか」
「妻の姉夫婦」
「……」
「姉さんの夫は広島機関区です」
中村の顔が曇る。
「なら」
龍弥は、最後まで言わせなかった。
「死んでない」
自分へ言い聞かせるような声だった。
「二人とも死んでない」
「はい」
「勝男さんは鉄道員です」
「はい」
「危なかったら逃げる」
「はい」
「幸さんも、官舎の人たちと防空壕へ入ったかもしれん」
「はい」
「絶対、生きとる」
だが、胸の中には別の声があった。
広島地区の鉄道が壊滅的被害。
機関区。
官舎。
路面電車。
もし、その中心にいたなら。
龍弥は拳を握った。
「連絡を取りたい」
上役に申し出る。
「長崎へ電報ば出せませんか」
「今は軍務優先だ」
「妻の家族が広島におるとです」
「個人の電報は受け付けられん」
「なら手紙を」
「郵便も遅れとる」
「電話は」
「回線が混乱しとる」
龍弥は、何もできなかった。
七 書いても送れない言葉
その夜。
龍弥は宿舎の机へ向かった。
恵へ手紙を書く。
『恵さんへ。
広島のことを聞きました。
幸さんと勝男さんのことが心配です。
でも、死んだと決まったわけではありません。
勝男さんは、何度も危険な列車を安全に止めてきた人です。
幸さんも、きっとどこかで生きています。
俺も、そう信じます。
恵さん、一人で悪いことばかり考えないでください。
俺も一緒に待ちます。
龍弥』
書き終える。
だが、その手紙をすぐには送れない。
郵便の輸送が滞っている。
長崎へ届くのがいつになるか分からない。
龍弥は便箋を握った。
「今、届けたいとに」
中村が隣へ座る。
「手紙って」
龍弥は言う。
「届かんと、ただの紙ですね」
中村は首を横に振る。
「届くまで、待っとる言葉です」
龍弥は便箋を見る。
「待っとる言葉」
「はい」
「なら、必ず出します」
八 平戸家の祈り
長崎の平戸家にも、広島の知らせが届いていた。
和徳は畑仕事の手を止めた。
真子は、息子から届いた最後の手紙を何度も読み直した。
『幸は元気です。
戦争が終わったら、長崎へ帰ります。』
「勝男」
真子が名前を呼ぶ。
返事はない。
「広島機関区が大きな被害を受けたって」
和徳は黙っている。
「勝男、早番やったよね」
「ああ」
「機関区におったとよね」
「ああ」
「なら」
「まだ分からん」
和徳は強く言った。
「名簿が来とらん」
「でも」
「死んだって知らせは来とらん」
真子は手紙を胸へ抱く。
「幸さんも」
「ああ」
「二人で逃げとるよね」
「ああ」
「一緒におるよね」
和徳は答えられなかった。
本当は。
朝早く、勝男は機関区。
幸は官舎。
二人は別々の場所にいた。
だが、真子には言えなかった。
九 篠田家
篠田慶一と梅も、大村家へ駆けつけた。
慶一は、恵の顔を見る。
「恵さん」
「お義父さん」
「何か食べた?」
恵は首を横に振る。
「食べられん」
「食べんば」
「お姉ちゃんが、生きとるかも分からんとに」
「だからこそたい」
慶一は静かに言う。
「幸さんが帰ってきたとき、恵さんが倒れとったら怒るやろ」
恵の目から涙がこぼれる。
「怒る」
「何て?」
「うちが広島で大変なときに、何寝込んどるとって」
梅も泣きながら笑う。
「幸さんなら言いそうね」
恵は、ほんの少しだけ口元を緩めた。
だが、すぐに泣いた。
「その声、聞きたか」
十 消息を求める人々
長崎機関区には、広島に家族や知人を持つ者たちが集まってきた。
「息子が広島駅で働いとります」
「娘が市内の学校へ行っとります」
「夫が機関区へ転勤しました」
「兄が路面電車の運転士です」
「何か分かりませんか」
山崎と原田は、同じ答えを繰り返した。
「まだ、名簿が届いていません」
「通信が途絶えています」
「確認中です」
その言葉を言うたび。
原田の胸は削られた。
確認中。
消息不明。
分からない。
家族にとって、最も残酷な言葉。
死んだとも言えない。
生きているとも言えない。
待つことしかできない。
十一 路面電車も止まった
広島から届いた鉄道関係の報告には、路面電車の壊滅的被害も記されていた。
架線の倒壊。
車両の焼損。
脱線。
運転士や乗客の多数死傷。
線路上の瓦礫。
原田は報告書を見つめる。
「幸さん、路面電車ばよう使いよったって」
山崎が言う。
「ああ」
「長崎の路面電車と違うって、手紙に書いとった」
「ああ」
「その電車も」
原田は言葉を止めた。
毎日の暮らしを支えたもの。
路面電車。
汽車。
橋。
駅。
道路。
それらが一瞬で壊れた。
「町ば壊すって」
原田が言う。
「人だけ殺すんやないですね」
「暮らしそのものを殺す」
山崎が答えた。
十二 八月八日
翌日。
八月八日。
恵は、再び郵便受けを開けた。
空。
「今日も来とらん」
節子が隣に立つ。
「広島から郵便が出せる状態やないかもしれん」
「分かっとる」
「うん」
「でも、見る」
「うん」
「来るかもしれんけん」
恵は、姉の最後の手紙を持っていた。
魚のような飛行機の絵。
北海道への話。
『また続きを書きます』
その言葉。
「お姉ちゃん、書きかけの手紙ば持っとるかもしれん」
「うん」
「避難した先で、続きを書きよるかもしれん」
「うん」
「勝男さんと一緒に」
「うん」
節子は、娘の希望を否定しなかった。
十三 広島へ向かおうとする原田
原田は、広島方面へ向かえる列車がないか調べ続けた。
山陽本線。
迂回路。
救援列車。
軍用列車。
何でもよい。
「広島へ行きます」
山崎へ言う。
「今は無理だ」
「なら、行けるところまで」
「線路の状態が分からん」
「歩きます」
「原田」
「勝男は、俺が育てたんです」
声が震える。
「息子みたいなものです」
「分かっとる」
「なら!」
山崎は机へ両手を置いた。
「お前まで消息不明になったら、誰が長崎の列車ば守る!」
原田は動きを止めた。
「今、長崎にも空襲の危険がある」
「……」
「広島の被害が、ここで起きない保証はない」
原田は唇をかんだ。
行きたい。
勝男を探したい。
幸を探したい。
だが、長崎機関区にも自分を必要とする人がいる。
「行けるようになったら」
山崎が言う。
「必ず行かせる」
「本当ですか」
「ああ」
「約束してください」
「約束する」
十四 平戸家から届いた写真
真子は、大村家へ一枚の写真を持ってきた。
幸と勝男の結婚式。
粗末な衣装。
手縫いの白い髪飾り。
緊張した勝男。
笑顔の幸。
二人の後ろに立つ家族たち。
「これ」
真子が恵へ渡す。
「うちにも同じ写真があるけん」
恵は写真を受け取った。
「幸姉ちゃん、笑いすぎ」
「勝男は固すぎね」
「今にも逃げそう」
「幸さんが捕まえたんやろ」
二人は泣きながら笑った。
写真の中では。
幸も勝男も生きている。
これから広島へ向かう。
夫婦として新しい暮らしを始める。
未来を信じている。
「この二人が」
真子は写真へ触れる。
「死ぬわけなか」
恵は強くうなずいた。
「うん」
十五 龍弥の焦り
佐世保。
龍弥は、作業中にも広島のことが頭から離れなかった。
溶接の火花。
鋼板。
警報。
そのすべての間に、幸と勝男の顔が浮かぶ。
「集中してください」
中村が声をかける。
「すみません」
「恵さんのことですか」
「はい」
「手紙、出せました?」
「出しました」
「届くとよかですね」
「今すぐ隣におりたか」
龍弥は工具を置く。
「恵さん、また体ば壊すかもしれん」
「なら、帰りますか」
「帰れん」
「……」
「命令です」
龍弥は怒りをこらえる。
家族が広島で生きているかもしれない。
死んでいるかもしれない。
妻は長崎で待っている。
それでも、職場を離れられない。
「戦争って」
龍弥が呟く。
「大事なときほど、家族のそばにおらせてくれんですね」
十六 川瀬家の痛み
川瀬清一は、大村家へ見舞いに来た。
兄・正雄の消息不明を抱えたまま。
今度は恵の姉夫婦まで消息が分からなくなっている。
「恵さん」
「清一君」
「俺」
清一は言葉に詰まる。
「消息不明の家族を待つ気持ち、少し分かります」
恵は顔を上げる。
「死んだって言われた方が楽って思う日もあります」
「……」
「でも、次の日には、生きとるって思う」
「うん」
「何回も行ったり来たりする」
「うん」
「だから」
清一は写真を見る。
「生きとるって思ってよかです」
恵の目から涙がこぼれる。
「うん」
「知らせが来るまでは」
「うん」
「待ってよかです」
十七 知らされない真実
広島では。
幸と勝男は、すでに亡くなっていた。
二人の遺体を確認できる者も。
家族へ知らせる者もいない。
機関区。
官舎。
市内中心部。
あまりにも多くの人が同時に倒れた。
名簿を作る職員も被災した。
住所録も焼けた。
通信手段も失われた。
誰がどこで亡くなったのか。
誰が川へ向かったのか。
誰が救護所へ運ばれたのか。
分からない。
だから長崎へは。
死んだという知らせさえ届かない。
恵は、姉がすでにいないことを知らないまま。
返事を待っていた。
十八 八月八日の夜
大村家。
恵は、幸から届いた手紙を布団の上へ並べた。
最初の手紙。
広島の官舎の話。
澄江と千代の話。
D51の話。
呉線の空襲。
疎開列車。
魚のような飛行機。
北海道旅行。
どれも幸の声で読める。
「お姉ちゃん」
恵は一通を開いた。
『離れとっても、うちら双子やけんね』
自分が書いた言葉。
幸も同じように思っていた。
「なら」
恵は手紙を胸へ抱く。
「今、何しよるか分かるはずやろ」
目を閉じる。
何も感じない。
姉の声も。
気配も。
「怒っとる?」
小さく尋ねる。
「うちが心配しすぎやけん」
返事はない。
「またぼーっとしとるって、言わせてよ」
涙が落ちた。
十九 遠くの汽笛
夜。
長崎機関区から汽笛が聞こえた。
恵は窓辺へ立つ。
あの汽車が。
広島まで行けばよいのに。
幸と勝男を乗せて。
長崎へ帰ってくればよいのに。
ホームで二人が降りてきて。
幸が、
「心配しすぎたい」
と笑う。
勝男が、
「連絡できんですみません」
と頭を下げる。
原田が、
「帰ってきたか」
と背中を叩く。
そんな場面を思い浮かべる。
だが。
汽笛は、長崎の夜へ消えていった。
二十 広島から返事がない
一日。
二日。
広島から返事は来ない。
死んだという知らせもない。
生きているという知らせもない。
ただ。
広島地区の鉄道が壊滅的な被害を受けた。
路面電車も。
駅も。
機関区も。
官舎も。
それだけが伝わった。
人の名前は伝わらない。
家族の顔は伝わらない。
大きな被害。
多数の死傷者。
壊滅。
数字と短い言葉だけ。
その中に。
大村幸。
平戸勝男。
二人の人生が含まれていることを。
長崎の家族は、まだ受け入れられなかった。
恵は、郵便受けへ手を置いた。
「明日は来るよね」
誰に聞くでもなく呟く。
「幸姉ちゃん」
「返事、待っとるけん」
⸻
次回予告
広島から、返事は来ない。
鉄道網。
路面電車。
通信。
郵便。
すべてが寸断され、幸と勝男の安否を確かめる方法はなかった。
原田は広島へ向かおうとするが、長崎を離れることを山崎に止められる。
龍弥も佐世保から連絡を試みるが、手紙を送ることしかできない。
恵は毎朝、空の郵便受けを開ける。
「今日こそ来る」
そう信じながら。
そして昭和二十年八月九日。
長崎では朝から空襲警報が繰り返される。
一度は別の目標へ向かったB-29爆撃機が、雲に覆われた長崎上空へ接近する。
恵は自宅で幸の手紙を読み返している。
勝一は加工場。
節子は台所。
龍弥は佐世保。
原田と山崎は長崎機関区。
誰も知らない。
広島と同じ兵器が、今度は長崎へ運ばれていることを。
次回、第41話。
「八月九日の空」
姉の返事を待つ妹の町へ。
三日後。
もう一つの原子爆弾が近づいていた。




