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CHANGE!  作者: ヒ日
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31/33

8


「君は、もう、死んでいるんだね、すみれ」


 僕はすみれにそう告げた。


 そして、その次の瞬間だった。


「な……!?」



 ――世界が崩壊し始めた。


 震度という概念を遥かに超越したような揺れに、僕は立っていられず、欄干(らんかん)にもたれかかった、と言うより押し付けられた。

 

 揺れている。

 

 崩れていく。

 

 崩壊していく。

 

 何もかもが――光の粒子となって。

 

 建物がかき混ぜられるみたいに。


 地面が溶けるみたいに。


 山がドミノみたいに。

 

 川がレゴブロックみたいに。

 

 空が掃除機をかけられてるみたいに。

 

 世界が粒子となって、混ざり、消えていく。

 

 

 ――僕と、すみれが、消えていく。



「あーあー。もう始まっちゃったか」

 

 僕同様、足先から謎の光の粒子に包まれ消えていくすみれは、まるで実験に失敗した科学者のような口調で呟きながら、空を――消えていく空を眺める。なんだ。いったいこれは、何が、起こってるんだ?


「この世界は、私を生き返らせるために作られた世界なんだよ。そしてさっき累は、私が死んでいることを見抜いてしまった。だから存在意義をなくしたこの世界は、消えるしかない」

「……は? すみれ、それ、一体どういう……っ!?」


 すみれに近寄ろうとするも、近寄るための足が無くてすっ転ぶ。両側の継ぎ目が消えたことで橋は折れ、落ちていく。


 ――空に向かって、落ちていく。


「大丈夫。すぐに分かるよ。そして、すぐに会える」


 完全に体が消える直前、最後に、すみれは僕の大好きな笑顔で――首から下のない笑顔で、そう告げる。


 そして――


「すみ……」


 ――僕が彼女の名前を紡ぎ出す前に、僕とすみれは光と化し、その刹那、世界は何もない、闇すら生ぬるい、本当の無へと消え失せた。


ご一読ありがとうございました。もしよろしければ感想などいただけますと幸いです。

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