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「君は、もう、死んでいるんだね、すみれ」
僕はすみれにそう告げた。
そして、その次の瞬間だった。
「な……!?」
――世界が崩壊し始めた。
震度という概念を遥かに超越したような揺れに、僕は立っていられず、欄干にもたれかかった、と言うより押し付けられた。
揺れている。
崩れていく。
崩壊していく。
何もかもが――光の粒子となって。
建物がかき混ぜられるみたいに。
地面が溶けるみたいに。
山がドミノみたいに。
川がレゴブロックみたいに。
空が掃除機をかけられてるみたいに。
世界が粒子となって、混ざり、消えていく。
――僕と、すみれが、消えていく。
「あーあー。もう始まっちゃったか」
僕同様、足先から謎の光の粒子に包まれ消えていくすみれは、まるで実験に失敗した科学者のような口調で呟きながら、空を――消えていく空を眺める。なんだ。いったいこれは、何が、起こってるんだ?
「この世界は、私を生き返らせるために作られた世界なんだよ。そしてさっき累は、私が死んでいることを見抜いてしまった。だから存在意義をなくしたこの世界は、消えるしかない」
「……は? すみれ、それ、一体どういう……っ!?」
すみれに近寄ろうとするも、近寄るための足が無くてすっ転ぶ。両側の継ぎ目が消えたことで橋は折れ、落ちていく。
――空に向かって、落ちていく。
「大丈夫。すぐに分かるよ。そして、すぐに会える」
完全に体が消える直前、最後に、すみれは僕の大好きな笑顔で――首から下のない笑顔で、そう告げる。
そして――
「すみ……」
――僕が彼女の名前を紡ぎ出す前に、僕とすみれは光と化し、その刹那、世界は何もない、闇すら生ぬるい、本当の無へと消え失せた。
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