表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
CHANGE!  作者: ヒ日
PR
22/33

5


 その夜。僕は二日ぶりに夢を見た。

 

 場所は二日前に見た夢と同じ病室。日付も病室に置いてあるデジタル時計にある通り、今年の1月1日の午後17時。


 その病室のベッドで寝ている誰かに向かって、今度はひまわりではなく、蓮が泣きながら必死に何かを訴えかけていた。


「俺もだ! ちくしょう……! 俺のせいで……! 俺も、絶対×××に恩返しする! 最高の音楽を作って、こいつらと最高のゲームを作ってお前に届ける!」


 話の内容からして、前見たひまわりの夢の続きなのだろうか。そして相変わらず人名が入るだろうと思われる×××という部分は聞こえない。いったい誰だ。ひまわりだけではなく、蓮も出てきたということは、やっぱり僕や菊乃やすみれとも近しい人物なのだろうか。けど、そんな中で亡くなっている人間などいなかったはずだ。少なくとも今年の1月1日までは。


 前のひまわりの夢と同様、僕は泣き叫び続ける蓮の横から、その病室のベッドで眠る人物の顔を覗き込もうとする。


 しかし――


「……累、累! 起きて! 累!」


 ――ベッドのヘッドボードの陰に隠れたその顔が現れようとしたその直前、そんな風に肩を揺さぶられる衝撃を感じ、またしても特定することはできず、僕は目を覚ました。


「……ん……え?」


 目を開ける。


 ――そこには何故か、僕の肩を掴み揺さぶる菊乃がいた。

 

 ……え?


 何で?


 何で、何で。


 何で菊乃が僕の上に覆いかぶさってるんだ? どういう状況? まだ夢? というか、おかしいな。部屋には鍵をかけていたはずなのに。何で入ってこれたんだ。蓮が入れたのかな? あれ? 空が明るい?三時間の交代制で睡眠を取っているのだから、まだ空は暗くないとおかしいのに。


 津波のように押し寄せる疑問を抱えながら、とにかく僕は起床した。なんだ。いったい何が起こってるんだ。


 見ると、部屋に蓮はおらず、代わりに慌てた様子の菊乃と、部屋の隅で目を伏せているすみれがいる。

 棚の上に置かれたデジタル時計を見る。そこには午後12時30分、と記されていた。


 ……は? 午後12時?


 部屋に差し込む日差しよりも、僕の頭は真っ白になった。そしてその真っ白なキャンバスがすぐに困惑や恐怖で塗りつぶされていく感触に陥る。まさか、と一つの最悪の予感がよぎった。


「累、落ち着いて聞いて」


 菊乃が再度僕の肩に手を置く。そして僕だけではなく自分自身にも言い聞かせるように、一度深呼吸をして、告げた。


 先ほど僕が感じた予感と一言一句、同じものを。


「連が、消えた」



ご一読ありがとうございました。感想などいただけますと幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ