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CHANGE!  作者: ヒ日
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第三部 絆——ほだす


 翌朝。

 

 正午。

 

 天気、晴れ。

 

 休日は朝15時に起きると豪語して(はばか)らない、寝坊助(ねぼすけ)の極みのような男である蓮をたたき起こし、蓮以上に寝坊助のすみれと、僕同様朝に強い菊乃と合流し、とにかく量が多くかつ高級な朝食を腹に詰め込み、ついでに作戦も頭に詰め込み、最初はすみれが囮役になることを決め、午後1時半。早速旅館から徒歩10分ほどの距離にある早雲公園の河川敷に移動し、すみれを河川敷に一人にし、作戦を開始した。


 ……のだったが、


「全然出てこねぇじゃねぇか」


 すみれが一人になり、かれこれ二時間。


 すみれと電話を繋いでいるはずの僕のスマホは一切物を言わず(あらかじめ僕のスマホとすみれの電話を繋いでおき、ドッペルゲンガーが出現すれば、すみれに教えてもらう手筈だ)、茂みから一分毎にすみれの様子を三人で交代で見つつも、何の変化も見られなかった。


「出てこねぇなドッペルゲンガー。まじで幻覚だったんじゃねぇのあいつら。一歩も出てくる気配がねぇぞ玄関から」

「暇だからって急に作曲家らしく韻を踏み始めないでくれるかしら? さっさと消えてくれないかしらここから」

「何だとこらぁ!」

「君たちほんとは仲いいでしょ……」

 

 隠れている場所である、すみれにぎりぎり目が届く距離の茂みの中、絡み合う菊乃と蓮を引きはがしながら言う。なんか(けな)す振りしてさりげなく菊乃も韻踏んでるし……。


 しかし、そんな風に菊乃がキャラじゃないことをし始めるほど、一切場には変化が見られなかった。


 さっき見たらすみれも暇を持て余したのか、水切りをしていたし……。昨日と同じワンピースなので思いっきり御開帳された下着様を眼のビデオテープに焼き付けてしまった。そして見られたことに気付いたすみれが顔を真っ赤にしてこっちに駆け寄ってこようとするも、囮役であることを思い出し、その場で地団駄を踏むまでワンセット。そして二分後に、再度僕が茂みから顔を出すともれなく石が飛んできた。水じゃなくて僕を切ろうとしてどうする。あとその投げた時にもスカートがめくれあがって、またしても例の純白がお目見えしていたし。もうわざとやっているとしか思えない……。


 そんなハプニングこそあったものの、しかし、肝心の作戦の方には全く進展もハプニングも起こらない。


 やはり近くに仲間がいることがバレていて出てこないのだろうか? けど、昨日蓮がトイレにいる時は出てきた。ということは、それは理由にはならないはず。それともすみれにはそもそもドッペルゲンガーがいないとか? ひまわりと蓮にドッペルゲンガーがいたから残りの僕たち三人にもいると考えていたけれどそれは考えすぎだったのだろうか。


 けど、とにもかくにも、作戦を続けなければ、その情報さえ得られない。


 時間を無為にしている自覚から目を反らしつつ、僕たちは実験を続けた。


ご一読ありがとうございました。もしよろしければ感想等いただけますと幸いです。

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