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REGALIA'S CODE  作者: 素白
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戦場と爆塵

「アルトくんが処刑されなくてよかったですよ……上官が取り合ってくれたおかげですね…‥」

「アルトが処刑されたなんて、目覚め悪ぃからな。」

俺はコルトとガレスにブタの話と牢獄での生活、そして参謀総長の話をしていた。

『第73歩兵小隊、仕事の時間だ。テントから出て出撃へ備えろ。』

「こちら小隊長、アルト・レガリア。了解した。」

そこに無線が鳴り、俺達は出撃の準備を始めた。

盾を背負い、小銃のメンテナンスや弾倉の確認も怠らない。

「やっぱり、いつになっても緊張しますね……」

コルトが小銃をバラしながら呟く。

「クソどもをぶっ潰しに行くぞ!」

ガレスはササッとメンテナンスを終わらせ、意気込んでいる様子だ。

「ガレスさんはいつも元気ですよね、全く……」

俺達は出撃の用意を済ませ、隊列を組んで待機する。

『王国軍を発見した。第73歩兵小隊、出撃せよ。』

無線から無機質な声が響き、俺達は進行を開始した。

俺達のミッションは主に2つある。

1つ目は装備している小銃で、できるだけ敵国の魔法使いを殲滅すること。

2つ目は、帝国魔導師の護衛と囮だ。

『あ〜聞こえるかい? こちらは第3魔導師団、団長のマイケル・ジョンソンだ。今回の作戦、よろしく頼むよ、歩兵小隊諸君。』

「こちら第73歩兵小隊、隊長のアルト・レガリアです。了解いたしました。」

戦争だというのに軽い人だなと思いながら、挨拶を返す。

『おぉ! 君が噂のレガリア中尉か! モーリスさんから話は聞いているよ!』

「俺の話を……ですか?」

『君は優秀な兵士だとね。あ、私はモーリスさんの親衛隊の中隊長なんだよね。』

あの参謀総長が、そこまで俺を買ってくれているとは思いもしなかった。

あと、参謀総長の親衛隊だ。

一応噂は聞いたことがあるが……

「え?! まさかあの【紫電極星】ですか?!」

コルトが珍しく大きな声で叫ぶ。

「なんだそれ?」

ガレスはなんのことだかさっぱりのようだ。

「【紫電極星】は各幹部が率いる親衛隊の中で、最も強いと言われている隊なんですよ! 噂には聞いていましたが、実在していたとは……」

コルトのミリオタが発揮され、戦場だというのに熱弁が始まる。

「選ばれる兵士は皆、責任感が強く――」

「はい、おしまい!」

「痛いっ! ちょっと、何するんですか!」

俺はコルトの頭を小銃のグリップでポンと叩く。

『そこまで褒めていただけるなんて、光栄だね。では、援護は任せてくれ。前衛を頼むよ!』

無線が切れ、戦いに意識を向ける。

いつの間にか、俺達は敵の拠点まで1キロ程度の距離まで来ていた。

俺は小銃を構え、照準を覗く。

この小銃の有効射程は500メートルだ。

だが、1キロ近く離れていても、急所に当たれば殺傷能力はある。

「行けッ!」

弾丸は敵を捉え、一直線に飛んでゆく。

『命中。おそらく死亡したものと思われます。』

「了解。」

俺はボルトを引き、弾を装填する。

そしてもう一発打とうとしたその時だった。

――魔術反応ッ!?

「来るッ――!」

数十本の魔法による光の矢が、俺達を襲った。

俺はギリギリで盾を構え、なんとか耐えた。

盾は熱で少しずつ赤くなり、表面が溶けだす。

その時だった――

「グァッ――?!」

声の方を見ると、ガレスが腕を押さえている。

「ガレスッ!!」

「ガレスさん!」

盾が壊れ、矢がガレスの右腕を抉ったようだ。

押さえている腕からは血が流れており、地面に小さな血溜まりができていた。

「すまねぇ……しくじった……」

ガレスは、苦虫を噛み潰したような顔になっていた。

「大丈夫だ、ガレス。」

俺は無線のボタンを押し、とある人物につなげる。

「ジョンソン団長、お願いします!」

『了解ッ!!』

2キロほど後方で射撃体勢に入っていた団長が銃を構え、援護射撃を行う。

キュゥゥンという甲高い音が聞こえ、一瞬で通り過ぎていく。

放たれた弾丸が敵拠点に着弾し、爆撃魔法の轟音と衝撃波が体に響いた。

眩い閃光と突風が巻き起こり、敵拠点は跡形もなく消え去った。

「すげぇ……」

「これが……【爆塵のマイケル】の爆撃魔法……すごい……!」

『はい、ミッション完了。お疲れ様、小隊諸君!』

ジョンソン団長の軽い声と大きな歓声が無線から聞こえた。


やがて、後方から作戦の終了が告げられ、帝国軍は103番区からの撤退を開始した。

今回の作戦での総死者数は、歩兵部隊35人、魔導師部隊2人の計37名だった。

俺はその勇敢な兵士たちに手を合わせた。

隣で、ガレスとコルトも手を合わせている。

「いつまで……続くんですかね……?」

コルトが、ため息のあとに小さい声で呟く。

俺は灰色の雲に覆われた空を見上げる。

「いつまで、か……」

「そりゃ、王国が滅んだときに決まってるだろ!」

隣で手を合わせていたガレスが立ち上がり、大きな声で言う。

俺とコルトは顔を見合わせ、爆笑した。

「そういう話じゃない…フッ」

「全く……ガレスさんはそういうところはポンコツですよね…ハハハッ」

「何笑ってんだよ。俺変なこと言ったか?」

ガレスはどうしてだという顔で俺達の顔を見る。

「いや……ハハハッ」

俺達は、戦場で笑いあった。

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