ドックキャットでの出来事 その4
いつも見ていただいてありがとうございます。
「おはようございます。」
とおきて即挨拶した。
「お、早いな。では、軽く準備後鍛錬を開始しようか。」
とラインさんが言ってきた。
そして、準備後、鍛錬という名の地獄の時間だ。
まず、走りこみ。
これは今までは武器など持っていなかった。だけど、ラインさんは実戦を想定しての訓練だからといって、槍、剣、弓、矢筒等武器の他に錘を持っての走りこみだ。
もちろん、ある意味それが正しいのはわかる。だけど、全力で走らないと後ろから
「きちんと走れ!シルヴァの全力そんなもんか?」
と怒号が聞こえる。
そして、そのまま走ること1時間だ。
正直息を切らしているが、関係なしとばかりに打ち込みだ。もちろん、相手はラインさんだ。武器はさすがに真剣を使うのは断ったので、木剣だ。
そして、木剣とはいえ、遠慮なしにやられているが、それでも、最初と比べれば幾分かましにはなったと信じたい。その打ち込みを1時間、槍捌きの鍛錬を1時間、筋トレを1時間だ。
正直休憩も少しはあったが、休憩をとると動けなくなるので、座ることはしなかった。
そして、ご飯を食べる。
麻については、鍛練があるときはパンなどで済ませている。もちろん、汗を流してからだが、この村はやはりといっていいのだろうが、風呂もあった。簡易的ではあるが、お湯を焼き石投入で温めるタイプだ。だから、湯加減が中々難しいが、風呂にゆっくり浸かったりもした。
そして、ラインさんとはここでいったんお別れしてそれぞれが動き出した。
ラインさんは族長たちとの話し合いだ。
俺は、昨日行った道場に向かった。
道場主は、時間があれば稽古に参加してもいいといっていたので、行くことにしたのだ。
門の前で一礼してから大きな声で
「こんにちわ。シルバリオンです。失礼します。」
と一声かけてから入った。
道場主が来た。もちろんお互い礼をし、稽古に参加する許可をもらった。
どうやら今日は実戦を想定した乱取りみたいだ。
「シルバリオン殿もやってみるか?」
と言われたので、うなずいて準備をした。一応、木剣なら許可があるが、相手は道具を持っていなさそうだったので、素手で挑むことにした。
「では、お互いに礼」
といわれ、俺も相手も礼をし、
「はじめ!」
と言われて向かっていった。
相手は、腕を組み、足技で挑んできた。
こっちは柔道が得意なので、近づけなかった。
「君の実力予想より強くないね・・・。」
とつぶやくように相手が言っていた。
冷静になりつつ挑んでいるが、相手も中々足技が強い。蹴り一つ一つが勢いもあり、早いし強いのだ。
だが、わざと隙を見せているときもあるが、その誘いには乗らなかった。
そして、1分経過したくらいに、チャンスと見て攻めた。
相手の右足の前蹴りを左手で受けつつ、抱えて、そのまま体を当身のように突き倒すタイミングで、相手が左足で後頭部にけりを出してきた。
そして、それを食らった俺は悶絶して、負けてしまった。だが、負けた後はきちんと礼で終わらせた。
あくまでも稽古なので、礼はきちんとした。
「君弱いね・・・。」
と相手はぼそっと言ってきた。さすがに聞こえたが、ここで一悶着起こしたら面倒なので、我慢した。
でも、相手はそれから何度も無駄に絡んできた。
さすがに我慢できず、
「お前いい加減にしろ!言いたいことあるならボソボソ言わず、大きな声で言いやがれ!!」
と怒ってしまった。
さすがに周りの人たちも止めに来たが、もう我慢できなかったが、道場主が
「喧嘩は認めん。稽古で決めたルールを守り、やるのなら許可する。」
との事だったので、お互いうなずき、武器なしで再度やることにした。
もちろん礼をしてから始まった。
今度は俺から攻めた。
道着を着ているので、左手で相手の右手の袖をしっかり確保した。そして、左襟を右手で組んだ。
所謂柔道の基本的な姿勢だ。相手が腕を組んでいなければこの体制に持っていけたが、相手もさすがに嫌がって、打撃での攻撃をしてきたが、無視してしっかりつかんだ状態だった。
そして、足技で小内刈りから大内刈りで相手のバランスを崩し、そのまま一本背負いで投げ飛ばした。
相手は一瞬の出来事だったから、一瞬われを失っていたが、そのまま押さえ込みで止めを刺した。
もちろん、相手は怪我もしていないし、意識もあった。
怒りの力を使ったとはいえ、最初に負けた相手に勝った。
何とかだが・・・。
その後、相手はきちんと謝罪してきたので、今回に限り許すことにした。
いつまでも怒っていてもよくないからね。
そして、それから稽古をしたが、どうやら相手の子はブルーという名前だと教えてもらった。年齢は俺と同じで13歳だった。
でも、最初の出会いとはちがい、お互いに自然と仲良くなり始めていた。ただし、相手はかなり冷静だけど、俺は熱い側なので、多少の温度差は感じていた。
そして、一日の稽古が何とか終わり、昨日の家に戻っていったのだった。




