旅
一晩明け、旅の準備をしながら、地図を見ていた。
もちろん、大雑把ながらも大体の位置を把握していたため、方向や距離を再度計算し、野営予定をある程度決めるためだ。
今回町をでるにあたり、以前冒険に出た側とは反対側に旅に出ているため、慎重に行動を考えた。なるべく野営しやすそうな場所で、ある程度魔物を狩れる場所を探しながらの旅だ。もちろん、食材が限られているから、魔物は貴重なタンパク源だ。まぁ、勿論だが、ビタミンもきちんと取るようにしている。生前身に着けた調理師の部分の栄養素関係の勉強がまさかこんなところで役に立つとは…。
そんなこんなで、道筋を決めて、大切な結界石をしまい、旅を再開した。
しかし、魔物少しはいるけど、危険が迫る気配は無いな。
そう思ってしまっていた。でも、その位静かな森だ。
そして、旅も順調で、およそあと2日で別な街に着く予定の場所で野営をしようとしたところ、魔物の声が近くから複数聞こえた。街が近いので、もしかしたら町民が襲われているのか?冒険者が襲われているのか?そう思い、近づいた。
そこには惨劇が待っていた。
そこには1人が3人を守りながら50匹位の戦っていた。
3人はそれぞれ怪我をしており、戦いには参加できないだろう。1人が必死に守りながら、綻びを見つけようと頑張っているのが判った。
そのため、俺は即座に動いた。なるべく魔物の背後で大きめな爆発魔法を放ち、火を纏った矢を魔物に放った。そして大声で
「魔物の背後からの突然の援軍失礼する。こちらも魔物を葬るの協力させていただく。そちらには攻撃がいかない様するが、流れ矢等には警戒して戦ってほしい。」
と言った。もちろん、この発言は、予めそちらの4人には敵意が無く、魔物のみ攻撃するから、こっちを攻撃しないでねという意思表示だ。
すると、戦っている1人がこっちに声をかけた。ただし、魔物が間にいるので、大声になっているが
「助太刀ありがたく受ける。こちらもなるべく気をつけるが、斬撃が主にしているため、気をつけてくれ。」
といってきた。確かに巨大な剣を持っていた。両手で魔物に対して切りつけるというよりなぎ払っているといった方がいいだろう。その攻撃をしていた。
お互いに挟み撃ちという比較的楽な状態になっていたため、こちらとしても、安心して狩れた。
俺はなるべく近づき過ぎないように爆発魔法や凍結魔法を駆使しつつ、矢に火を纏った攻撃をしていた。
そして、最後の1匹を俺の矢で焼き殺したところで、お互いを見て驚いた。
まず、相手の4人は、こっちの人数、姿を驚いていた。
そう、こっちは俺1人なので、その時点でも驚いているが、幼さを残した10歳なので、当然だろう。見た目にも驚いていたが、こちらも驚いていた。
1人はエルフだ。もう1人は恐らく人族だろう。残りの2人は魔族だったのだ。
なお、戦っていたのは、人族の男だった。というか、このメンバーは男のみだった。
俺は、むさ苦しいなと思いながらも、
「勝手な援軍失礼しました。後ろの3名の怪我はどうでしょうか?」
と話を始めた。
「幸いにして、そこまでひどい怪我ではないが、一度街に戻り治療を検討しないといけないだろう。お主が来なければ、我々が殺されていただろう。援軍ありがとう。」
と4人とも頭を下げた。
「無事ならいいのですが、街まで行くのなら、俺も付き添いましょうか?お役に立つか判りませんが。」
と言った。ぶっちゃけ、1人の方が早くつくだろうが、この1人に任せて他3人を放置するとあっという間にやられるだろうし、野営も1人でするのが飽きた。そのため、ちょうどよかった。
「お主がいいのなら助かる。」
と言われた。向こうとしても、状況を考えると無下に出来ないのでほっとしただろう。
ふと思ったが、俺は彼らに自己紹介していなかったな。
「そういえば、僕の名前はシルバリオンと申します。シーザー村からはるばるこちらに旅に出ております。一応まだ冒険者登録はまだですが、今回は1人での旅です。数日の間になりますが、宜しくお願い致します。」と言った。こういうときは、挨拶を先にすることで会話の先導権をこちらに得るのも必要だ。
「シルバリオンというのか。いい名前だな。俺はアルスと申す。こっちがジーク、そっちの2名はギータとロックだ。」と丁寧に他3名の分も自己紹介してくれた。
アルスは恐らく人間だろう。
ジークはエルフだろう。だが、シーザー村に居るエルフとは違い、日焼けが凄い。
ギータとロックは恐らく魔族だろう。サラダと同じ気配がする。
そんな4人と行動することになった。
とりあえず今夜は晩餐だといわんばかりに狩った魔物を煮たり焼いたりして食べた。
俺は主にじっくり煮込んだほうが好きなので水煮を、ジークも水煮を選んでいた。アルスとギータ、ロックは焼いた肉を食べていた。
お互い他愛も無い会話をしつつ、野営なので警戒はしっかりしていた。ジークの怪我は思ったより早く治り、野営の警戒を進んで名乗り出てくれたので、任せることにした。
そして、みんなで寝ることになったが、一応許可を得て結界石を置いた。
結界石を置くとき軽く説明したが、みんな不思議がっていた。ただし、俺が1人旅だったので、それも含めて理解してくれた。
そのため、この晩は無事に終わった。
ただ、この晩、俺はジークと話をしたところ、通常のエルフではなく、闇を好むダークエルフという種族があるのを知った。
ダークエルフの文化をいろいろ聞いたが、ある程度のところで、子供は寝る時間と怒られ、眠りについたのだった。




