決意
翌朝初めて寝坊した。
寝坊といっても寝付けなかったから寝たのが普段起きる1時間くらい前なのである意味仕方ないのでした。
練れなかった俺は本気で悩んで考え抜いた。そして、決意をしていた。
村から出る事を。
今回の冒険で、俺1人ではみんなを守れない。
守るための力が欲しい。でも、どうすればいい?鍛えるしかない。でも、今の環境では自分を鍛える前に誰かが俺を守るだろう。アークだったりラーラだったり、ダーク、サラダ、クリフ等がそうだ。
でも、守られる間は強くなれないだろう。だからこその自立だ。
いくつか自分のために考えていた道がある。
冒険者としての道
学生としての道
魔王の配下となり、仲間を探す道
どれでも変わらないだろう。でも、出来るなら3番目の道がいいと考えていた。
やはり、ハーデスを倒すのが一番の目標だから、今回はそのために仲間を集める冒険もありだと考えた。
そして、まず最初にアークとラーラに話した。
それは夕食後だった。
「お父様、お母様大切な話があります。よろしいでしょうか?」
俺がそういうと二人は俺を見た。
そして、「どうしたシルヴァ?」とアークが聞いてくれたので、俺は話を始めた。
「今回の冒険で僕は力不足を感じました。そのため、僕の力を鍛えなおすべく、旅に出る許可をいただけませんか?」そういった。
「だめだ。まだシルヴァは子供だ。そのため、今すぐはだめだ。今年で9歳だから、後1年はこの村で鍛えなさい。そして、1年後またその話をしよう。」といわれた。
確かに今はまだ幼い。少しあせっていただろう。
だからこそもう一度基礎からたたきなおさないといけないと思ったのだろう。
「わかりました。1年後また話を続けさせてください。」そういって、部屋に戻った。
部屋に戻ると、ダークが言ってきた。
「私には子供が居ました。私の子供は幼い時に魔族に対抗している勢力に殺されました。そのため、父君の気持ちはわかります。今はまだしっかり基礎を磨き、力を身につけましょう。」
そういわれた。
それからの俺は大きく変わった。
まず、走りこみの量を増やした。
村全体を1周でよしとしていたところを3周に増やし、筋トレも増やし、200×3セットにした。打ち込みは増やさなかったが、実践訓練を追加した。もちろん、実践訓練の相手は、クリフやダークだ。
彼等は俺からのお願いを嫌がらず協力してくれた。
そのため、非常に勉強になった。
ただ、それの影響からか、ベルクやアポロ、サラダが不貞腐れ気味になっていたが、それをギームがフォローしてくれた。
そして、勉強も魔法だけではなく、剣や槍の攻撃術や弓矢、他の言語、歴史なども勉強した。
弓矢については、エルフの方々が協力してくれて教えてくれた。言語はそれぞれが教えてくれて、そのときにそれぞれの種族に伝わる歴史を教えてもらった。
そのため、頭はパンクしそうに何度もなるけど、知識量はかなり増えた。
そして、村は農業として、米、小麦、蕎麦の栽培をしていた。
もちろんこれらも基礎を村人達に教えて、農地開拓も教えた。そして、脱穀などの方法も教えた。
妹や弟の面倒もみて、村の開拓に力を注ぎ、勉強もした。鍛えなおしもした。
そして、約束の時が来た。
「父上、母上、ダーク兄さん。去年の話覚えてますよね?俺頑張ってすべてにおいて鍛えなおしたし、引継ぎもしっかりした。だから、旅立つ許可をください。」
俺は頭を下げた。もちろん反対される事はないと思っていたが、意思の表示は必要だ。
だが、そんな俺の考えとは裏腹に、アークが口をあけた。
「だめだ。まだ幼いし、この村にはシルヴァが必要だ。」
俺は足元から崩れ落ちそうになる気持ちを落ち着かせた。
「それでは去年の約束と違います。行かせて下さい。」そういったところ、アークが俺に手を上げた。
「わがままを言うな。」そういうとアークとラーラは部屋に入っていった。
俺は自室に戻ると、ダークも来た。もちろんダークには今回は事前に話をしていたので、何も言わなかったが、両方の気持ちがわかるからこそ辛そうだった。
「ダークさん、俺の頑張り無駄だったのかな?」
そういってしまった。
ダークは、「シルヴァすまん。」そういって顔を叩いた。
「今のおぬしはあせりすぎだ。だからこそ今は許可出せなかったのだと思う。一晩頭を冷やしなさい。」
そういってダークも出て行った。
久しぶりに味わう挫折感。
でも、俺は行動を諦めなかった。
最終的に家出も考えていたのだった。
そして、ダークの言葉にそむき、俺は事前に準備しておいた鎧、剣、盾を装備し、背中には弓矢や簡易食料、野営セットという名の寝袋や火種起こし、ランプ等の入った袋を背負い、こっそり家を出たのだった。
というわけでシルヴァは旅立ちを決意しました。




