魔物襲撃 その4
アーク視点
シルヴァ達に避難誘導の指示及び護衛の指示を出した。
4人なら大丈夫だろう。シルヴァは1人だと無茶するが、仲間が居れば暴走することが無い。
そう確信していたのだ。
シルヴァ達の為に時間を稼ぐ形をとるしかない。そう決めたのだが、人が少ない。
総勢40人以上居た仲間は9人しか居なかった。
今回の状況は非常に危険だ。魔物は普段は個々で動くのだが、今回は統率された動きだ。
何かあると思っていたが、想像以上に厳しい状況だ。
だが、そんな状況でも、時間を稼がなくてはいけない。そのためにはある程度の決死は覚悟だ。
そう思っていたところ、伝令の馬が帰ってきた。
だが、伝令の顔を見ると、覇気が無かった。
伝令は、アークを見るとこういった
「ほかの地域にも多数の魔物の群れがあり、そちらに守備隊を送り込んだため、こちらの村には守備隊を送れない。そういわれました。」
そういうと、領主からの文を手渡してきた。
無理だ
そう思ったのだ。
何とか避難するにしても、守備隊数名が居ないと安全には避難できない。そう思っていたのだが、期待していた守備隊は0。どうすることも出来なくなっていた。
だが、それを顔には出さず、切り替えて、時間を稼ぐ案を考えていた。しかし、人数が全ての案でも足りないのだ。そうすることも出来ないと思った。
しかし、伝令は
「途中に4人の冒険者が居ました。そのうちの1名はアーク隊長の事を知っていました。そのため、援軍の依頼を勝手に出しました。」
そう言って来た。
アークは、冒険者には知り合いが居ない。
誰だろうか?そう考えていた。だが、そっちよりも避難の時間稼ぎに考えはすぐ切り替わったのだった。
--時間を少し戻して伝令者目線--
早馬で帰り道、彼は悩んでいた。
領主から援軍は出せないといわれたからであった。しかし、みんなまだ無事に時間を稼いでいると思っているので、早く戻る必要があった。でも、足取りは気持ち遅くなっていた。
そんななか、帰り道に魔物の群れが居た。魔物たちは伝令ではなく、冒険者集団に向かっていた。
伝令としては、助けたかったが、伝令を伝えるほうが優先と思っていた。
そう思っていたときには、魔物の群れの大半が魔法で吹き飛んでおり、残りも冒険者の仲間の手により斬殺されていた。
そう、一瞬で魔物の群れが片付いたのだ。
それをみた伝令は、動きを変え、冒険者のところに向かっていた。
冒険者を仲間に引き込めたら何とかなる。そう確信したからだ。伝令の遅れは仕方ないが、僅かな援軍でもないよりはましと考えたのだ。
冒険者のところに着いた。しかし、依頼するにあたり、報酬面での相談が出来ないことに気がついた。どうしようと考えていたところ冒険者のリーダーと思われる小さめの子から声を掛けられた。
「我等に何か用かね?」
そう言ってきた。これはある意味チャンスである。
「私はとある村の伝令である。わが村が魔物に襲われてピンチである。そのため、可能なら助けて欲しい。」
そういったところ、ひげの長い男が
「報酬はいくらじゃ?報酬によって助けるか決めてやる」そう言ってきた。
当然だ。善意で助ける馬鹿は居ない。
「報酬は私からは決められないが、守備隊長であるアークには私からも報酬を多くするようにお願いする。どうか助けてください。」そういうしかなかった。
「報酬がないならいくわけな」そう続いたところ、小さめの子が
「待った!」
そう言ってきた。
「お主の隊長がアークと言っていたが、人間のアークか?剣のほかにもひ弱な魔法と弓矢の使う男か?」
ん??もしかして隊長の知り合いかと思った伝令は
「人間のアークです。ひ弱かは私の口からはいえませんが、魔法と弓矢を使います。」
そういうと、小さめの子の口が笑った
「ひよっこアークが守備隊長か、ひよっこがずいぶん成長したのぅ。仕方ない。報酬はひよっこアークにせびるとするか。」
そういうと、彼らは村のほうに向かっていった。
数歩歩いたところで、小さな子から言われた
「我等の特徴、どういった人物が行くかはアークには秘密じゃぞ。援軍4人が報酬は別途相談で助けると言っていたと伝えに急げ!」そう言ってきたのだ。
誰だか知らないが、隊長の知り合いだろう。
そんなかたがたの援軍をどんな援軍か言えないのが辛いが、仕方ない。
早く戻らねば・・・。
そう思い、馬を走らせることにした
--現在アーク視点--
さて、村人の避難はシルヴァたちにお願いしたが、冒険者4人はそこまで期待できない。せいぜい時間稼ぎがいいところだろう。
そう思っていた。
伝令にも時間稼ぎの部隊に入れ、柵をさらに追加したりしていた。
その瞬間
「大地震」
その声がした瞬間、地面が揺れた。
アースシェイカーは土魔法のランク8に相当する魔法だ。
しかも、効果を魔物だけにしている。
正直、俺は、こんな魔法を使える人を1人しか知らない。しかし、彼女はもう俺らに近づかない。
そう思っていた。
「ひよっこアークよ。何を迷っている。われらが援軍にきてやったぞ!存分に感謝するのじゃぞ!!」
声が聞こえた瞬間胸が熱くなり、涙が出そうになった。
この声の主を知っていた。
しかし、この近くにいるとは思っていなかった。
この声の主は、いや、彼女は、俺の師匠だ。
そう思った瞬間、大地震によって足止めされていた魔物たちは、大斧、剣、槍の持った人達により駆逐されていた。
彼らが師匠の仲間だと確信した。
そう、我々は間一髪のところで勝利を確実にしたのだ。
今回で魔物襲撃は終わりとしようとしましたが、次に続きます。ただ、勝利は確定ですので、そこは安心してください。




