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転生領主とその周辺  作者: しから
内政チートの始まり
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3人娘

「それじゃあ、現状の相談をしましょ」

「そうね。ここを最優先にした意図を確認しておきたいし」


 ルシアの言葉に相槌を打つリム。アイシャ1人が若干申し訳なさそうにしているのとは対称的だ。


「リリアは当然意図を知っているんでしょ?

 レオン従士長の娘なんだから」

「そうでございますね…。私も妹が可愛いので言っちゃいますが、御当主様はサート領家の方をリム姫様のすぐ下に配置しようと考えておいでです。

 そうすれば、他の高位貴族の横やりを防げますから」

「やっぱりそういう判断なわけね?

 後方撹乱をやってもらって、態々借りをつくってまで…」


 アイシャの姉リリアの見も蓋もない答えに呆れるルシア。

 サート領家自体の家格は、ルナスフィア王国の伯爵相当。それでも戦時下での恩を理由にすれば、伯爵家は無下に扱えない。

 しかし他の高位貴族がその下に嫁を宛がえば、サート領家の風下についたと謗りを受ける。

 伯爵以上なら三女以下の娘しか出せない。そうなれば縁も薄いから外戚が権勢を振るえるはずがない。


 …ちなみに動乱発生時は、あそこまで戦況が有利になるとは誰も考えておらず、足らない戦力を補うための苦肉の策だったのだがら、これは完全な過大評価である。

 ガーランド達は最初期に半月に及ぶ長期戦を想定し、南方の男爵家連合と北方のペリル子爵家の挟撃、各地の反ルナライト勢力とそれを支援するダガル候の暗躍で、最悪の場合は包囲網を構築されることを予測していたのだ。


 まあ、そんなことを知らない彼女たちはガーランド達の深謀を勝手に想像して感心している。


「それで実際のところ、サート家が出しそうな女性は誰になるかしら?」

「難しい問題です。元々クリングオルフの各領家はやや閉鎖的で、情報が入ってきません。

 種族的な性質を考えれば当然ですが」

「太陽光に弱いんだったかしら? 単純に交易の拡大を狙っただけじゃないのよね?」

「その可能性は低いかと。ペリル子爵家がなくなれば、自然と交易拡大に繋がります。

 サート領家を通る交易路はイミジナ盆地までで、ルナスフィア北部に通じているわけではないのであまり無理な交易拡大は出来ないでしょう」

「イミジナ盆地周辺の領家に他の交易路とつなげるように圧力が生じるものね」


 行商人は効率の悪い行動を嫌う。生活が掛かっているのだから当然だが、行き止まりの村に行くより途中で引き返して何処かへ抜けれる道を使ったほうが同じ時間でより多くの売買ができるからそうする者が多くなるのは必然。

 そう言う行き止まりの村で交易の拡大する原因はその土地にしかない特産品でそれが他の地域で求められる場合やその村からさらに街道が延びて他の地域へ抜けれるようになった場合に起こる。

 逆にそう言った利点もないのにイタズラに交易量を上げようとすれば、商人の反感を買うのが当たり前。

 ただでさえ流通の滞る土地で商人を敵に回せばどうなるかは、スルーの例を見るまでなく明らかだろう。


「そうね。けどフォルとの婚姻にそれほどの利益があるのかしら?」

「…閉鎖的な彼女達が竜族の男性との間に子供を作った前例はないのでは?」

「そう言うことね」

「…どう言うこと?」

「ゴルドパイヤは、魔力が高い者ほど日光を浴びても大丈夫なのよ。

 ならサート領家の直系筋と竜族の間に出来た子は普通に日中も行動できそうじゃない?」

「あり得そうね。…そうなるとルシアはサート領家当主の血筋がくると思うわけね?」

「それが妥当でしょ?」

「それならあまり悪いことにはならないわね。向こうにもしっかりと利益を与えていることになるもの」

「私達はね」

「どういう、……ああ、フォルが大変な訳ね?」

「ええ、多分愛人として同世代の娘を送り込んでくるわね。サート領家以外のゴルドパイヤにバレればその数は……」

「うん。考えないようにしましょ!」

「……時々、思うけどリムちゃんって面倒事は先送りするタイプよね…」


 ハーレムは男の夢?

 フォルセウスは本当に勝ち組だろうか?

 下手を打てば年がら年中、誘惑される心休まらない日々が待っているぞ?

 貴族的な嫁達は多分助けてくれないぞ?

 逃げて! ちょー逃げて‼

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