↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生領主とその周辺  作者: しから
動乱の幕開け
PR
74/108

選別

緑赤 18日


 俺の前で転がっている1とのみのむし。

 先日見たガムト子爵と言うみのむしだ。

 そこへアムン騎士爵が持ってきたもう1つのみのむしを並べる。


「さて、申し開きを聞こうか?」

「我々は寄親たるガーランド様をお救いする為に軍を起こしたのです。その嫡孫たるあなたが何故それを邪魔するのか!」

「そうだ! 貴様に家族としての情はないのか!」


 ……何て身勝手な奴等だろうか。


「愚か者め!

 法を守るべき貴族のみでありながら、それを個人の勝手で蔑ろにするな!」

「何を!」

「爵位保留は、戦時中に必要以上の混乱を避けるための一時的処置。

 そこには領地防衛を除く全ての軍事行動が禁じられている。

 軍勢を率いて領地を出ればその時点で反逆罪の適用を受けると知らぬとでも言うか!」

「それは……」

「俺は知らなかった。…父に騙されたんだ‼」


 口ごもるアレス・ガムトに対し、騙されたせいだと主張するセルドア。

 本当に愚かな。


「では貴様は貴族としての教育を受けていないと言うのだな?」

「そ、そうだ!

 爵位保留の意味なんて……」

「士官学校で習うと聞いているが?

 まさか、必要な教育を受けずに卒業したとでも?」

「ああ! だから!」

「必要な教育を受けずに学校を出たと言うなら、貴様に騎士を名乗る資格はない。

 平民による騎士僣称は極刑だったな」

「そんな、俺は士官学校を正式に卒業した!」

「であれば、王家の自害命令を受け入れるのだな?」


 勘違いも甚だしい。既に貴様に生きる道はない。

 さて絶句しているセルドアはおいておく。


「アレス・ガムトよ。何か言いたいことはあるか?」

「我が子を思う親の気持ちを組んでいただけませんか?」

「親心? ただの保身を?」

「そのようなことは‼」

「……お前達の采配は王家より委ねられた。俺は黒の里と友好を結ぶための供物として出すことに決めた。

 ……良かったではないか?

 お前の子供は生き残るのだぞ?」


 会話の終わりを察したのか? 2人は竜族の女性達が檻へ運んでいく。

 さて、後は。


「選別を始めよう」


 俺の一言に歓声があがる。ここに来ている竜は中位以下の成竜で未だに妊娠経験のない女性達。

 中には見聞旅行と言う建前の婚カツ放浪で全ての大陸を5年掛けて巡った猛者もいるらしい。

 寿命の長い竜族でも、男がいない現状ではチャンスは確実に欲しいだろうからな。



ーーーーーーーーーーーーーー



サンプル 1


「私はガムト子爵家の従士だ!

 このような不等な扱……」

「こういう馬鹿は楽で良いな」


 顔を蹴飛ばし、黙らせて檻へ運ばせるだけの話だ。



ーーーーーーーーーーーーーー



サンプル 2


「……」


 こちらを睨むだけで無言に徹する男。……ふむ。下手な発言が不利になると知っている。

 つまり従士か、騎士だな。


「檻へ」

「な!」

「「己の武具を選びましょ‼」」

「こらこら。良さげな物件だからって、今、所有権を争うな!

 帰ってからにしろ」


 檻へ連れていく前に、じゃんけんで所有権を決めようとしていた2人の女性をティンが止める。

 ちなみにこの世界のじゃんけんは、日本より物騒だ。

 剣と盾と槌。

 チョップで表現する剣は、拳骨の槌より早く相手に届くから勝つ。

 拳骨つまり槌は、盾を凹ませるから相手に手のひらを向ける盾に勝つ。

 盾は剣を弾くから、三つ巴が完成する。

 正式には、「最初はグー」の代わりに、手刀を出す「剣に誓って」と言う表現がある。

 ……日本のじゃんけんのように他の2つに比べて複雑な表現(チョキ)がない分、どれかの手に僅に勝率が傾くことはない。

 子供だと剣と盾で有利な方を主張する奴はいるが、親指が90度立っていれば剣とするので大人なら、その辺は大丈夫。



ーーーーーーーーーーーーーー



サンプル 3


「私は農民です。従士じゃないです!」

「そのわりに良さげな鎧を着ているな?」

「…有事の際に使用するように子爵家より支給されてました」

「うむ。準従士と言うやつか?」

「多分、それです!

 従士じゃありません!」


 必死だねぇ。だけど残念。


「王国法では、貴族が違法に挙兵した際に罰則の対象とする者を準従士までと定めている」

「そんな!」

「それらの責任があるから、税が減額されたり、鎧の支給を受けたりの優遇をされる。

 訓練も受けただろう?」

「……」


 この様子、座学でこう言う最低限の法知識を施すことをガムトは怠っていたな?

 まあ知ろうと努力しないのはこいつの過失だが。



ーーーーーーーーーーーーーー



サンプル 4


「貴族様、あのぅ。俺達はどうなるんですか?」

「お前達はこの国を裏切ったガムト子爵達に騙された被害者だ。この取り調べが終わったら解放しよう。

 帰りはアムン騎士爵達が送ってくれるから安心しろ?」

「へぇ。あ、ありがとうございます!」


 こいつは見るからに農民だしな。第一声が「貴族様」。こいつの価値観の中には偉い貴族とそれ以外しかいないのだろうな。



ーーーーーーーーーーーーーー



 結局、100名ほどのみのむしは、檻に積めて空輸されるガムト血縁の騎士10名、従士34名、準従士35名とアムンセッセ両騎士爵に護送されて帰る農民20名に分けた。

 準従士の中の5名ほどは、今回支度金を貰っただけの準従士見習いレベルだがら解放組でも良いのだが、攻城戦に当たっている別部隊が従士を確保出来ないと全員に割り当てが回らないので、こちらにした。

 現時点でも80名の竜族に対し、79名のお土産で足りない状態。志願者が多すぎて絞りきれなかったらしい。

 さすがに1名も確保出来ないことはないと信じたいが。

 ……攻城戦は難しいからな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。