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転生領主とその周辺  作者: しから
動乱の幕開け
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決起する貴族達

賢月暦62年 緑赤月 8日。


 …ルナスフィアの一般人が使う暦がこれだから、これからはこいつを使っていく必要があるらしい。

 現代日本のように王が代わる度に暦の名称も代わるらしい。賢はアトラス陛下が、知に優れたと言う意味。ルナライト出身の王が擁立される時は月が入れられると言う法則を習った。

 あり得ない話だが、俺が王になれば初の竜族の王だから暦は、竜月暦で確定だと家庭教師になった老人が笑っていた。

 他にも初代魔王陛下が神器を授かった日から数える花月暦や魔大陸共通の魔神暦があるがそれはおいおいらしい。


 月は12ヶ月で、春が緑青、真緑、緑赤。夏が赤緑、真赤、赤黄。秋になると黄赤、真黄、黄青、冬が青黄、真青、青緑となる。

 今が、緑赤だから5月相当だな。これは、魔大陸共通らしいが、南方シルクラート帝国では、青一、青二と言う特殊な月の数え方が一般的に普及している。

 

 日の数え方は1から30の数字。昔は英雄や神の名を1日毎に付けていて、それで読んでいたらしいが、今では教会とかでしか使われないらしい。


 話は逸れたが、今日アリオーン北岸の6男爵家が『法を弄ぶ伯爵家へ正義の鉄槌を下す』として、決起した。

 その数、80人……。舐めてるのかと思ったが、傭兵を集めて水増ししていたのにその傭兵が皆途中で、契約不履行を訴えて離散したらしい。

 最初は俺のイタズラが目を出したかと思ったが数日早い。

 アゼルの連絡を聞くまでサッパリだったが、月華神教会が『男爵諸侯軍に正義はなく逆恨みを正当化しているだけである。男爵家に与する者は女神の加護の一切を失うであろう』と声明を出したかららしい。

 実際に離散で暴動が起きた時、男爵家の兵士には神聖治癒魔術が発動せず、離散した傭兵には発動する現象が起きている。


 セーネ婆さんも神々が何故、こんな一国の内紛へ肩入れするのかと首をかしげていた。

 ひとまず放置するわけにもいかず、迎撃に出るらしいが、400の兵で80の敵を倒す訳で手柄争いの同士討ちが怖いとぼやいていた。

 6男爵の領地は沿岸のごく一部にアギレラ子爵が受け取り港を作るが、既存の13ある街は今回の勲功順に騎士爵家として取り立てられる従軍者の物になる。

 200人の当家の者は騎士爵家新設に意欲的だし、騎士爵家の者なら主君への手向けになる訳で。

 元々敵500を400で迎え撃つ予定だったから大判振舞いした伯爵家は戦後の功労会で苦労するだろう。

 幸いなのは、率いるのが知暴兼備の鬼姫セーネ。

 知勇ではない所が怖いがその恐怖が、手柄を奪うための殺し合いを抑制するなら丁度良い。



 シースコン? 

 絶対に動きません。動く阿呆はこちらで始末しますから、里の竜をけしかけないでください。

 と言う手紙を国王、王太子、宰相の3人から貰っている。

 あそこは家妖精ブラウニーが主体になっている国だから、グリフォンがあてにならない脅威には従順な様だ。


 竜族の暴れる場所を何処に用意するべきだろう?

 この機にそういう場所を用意してやらないと面倒なのに、当てが外れた。ハウベル伯爵辺りから情報漏れたかな?

 ……ああガムトがいたな。多分、数日以内に決起するだろうし、あそこを遊び場に提供しよう。

 ああ言う情報が入らない閉ざされた土地って、領民とかが本当に領主の言いなりだから困るんだよな。

 江戸時代の山奥じゃないが、将軍様より代官様が偉いとか普通にあり得る。

 竜族の脅威に晒した後、新領主がそれを追い払えば、領民の中には、新領主>竜族>ガムトの図式が出来上がる。

 新領主は統治の苦労が減り、伯爵家は恩が売れる。竜族は合法的に結構な数の男を仕入れられる。皆が幸せになれる魔法のような出来事だ。

 マッチポンプ? 騙される方が幸せだろう?

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