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Ⅱ“物語”のはじまり



セスランディア王国北端――

“デューゼの森”から、突如として瘴気が溢れ出た。



瘴気は空へと昇り、

真っ黒な雲となって、国土の北半分を覆い尽くした。


そこから生まれた異形の存在(ゼノプーパ)は、

各地を襲い始めた。



王国軍が討伐に向かうも、

異形の存在は尽きることなく増え続けた。


討伐戦は、やがて防衛戦へと変わり、

デューゼの森に近い村や町から、順に滅んでいった。



そして、異形の存在の大群は、

とうとう国の中心――王都レイセントへ辿り着く。


初代セスランディア王の時代に築かれた、

強固な城壁さえ破られた。



このままでは、セスランディアは滅びる。


誰もが敗北を悟り、抗うことを諦めた。



その時――


ひとりの少女が立ち上がった。


その傍らには、

絶滅したはずの精霊がいた。



最高位霊拝師(エクセルシスオランス)、マドカ。



彼女が放った白い光は、

異形の存在の大群を消し去った。



マドカの奮闘により、

王都レイセントの壊滅は免れた。


こうして、

後に“デューゼの森の悪夢”と呼ばれる大災害は、

終わりを告げた。



しかし、

あまりにも多くの命が失われた。


王都より北は、

瘴気が色濃く残る“死の大地”となり、


もはや誰も住めぬ土地となった。



さらに、

ちからを使いすぎたマドカは、

大きな代償を払うことになる。


彼女に加護を授けていた精霊は消滅し、

マドカ自身も、長い眠りについた。



七年後――


最高位霊拝師マドカの目覚めにより、

この物語は始まる。



――【セスランディア王国物語】序章より



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