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セスランディア王国物語  作者: あきよし りん
第三章/王城の日々
149/235

はじまりのうた



破壊王ロデオの愛娘 

リリアンヌ


その身に 精霊の加護を授かった

国中が 大騒ぎ


遥か昔

精霊は 光をまとい現れた


人に加護を授け

特別なちからを与えた


けれどそれは

遠い遠い 昔の話


とうの昔に 姿を消し

とうの昔に 見えなくなった


そう 言われていたのに

加護を授かったとは どういうことだ


困惑する民へ

王は さらに声を張り上げた


国一番の騎士とともに

巨人の化け物を 一太刀で斬り伏せた


国一番の白の使い手とともに

傷ついた者たちを 救ってみせた


犠牲者は――なし



さぁ 大変だ

彼女は 一体 何者だ


破壊王が愛してやまぬ 美しき姫


深い屋敷に閉じ込められ

その姿を見た者は ほとんどいない



さぁ 大変だ

彼女がとうとう 姿を現す


祝いの日の 晴れ舞台


わずか八歳の姫君が

民の前へと 現れた


誰もが 息を呑む


母譲りの 艶やかな黒髪

父譲りの 紅い瞳は

紅玉のように 輝いて


肩には 光り輝く精霊が


まるでそれが

当たり前であるかのように

そこにいた



――この国に 再び加護を持つ者が現れた


――誇れ 喜べ!



民は 歓喜した


あれが 精霊

あの方が リリアンヌ


なんて儚げで 美しい

まるで 彼女自身が精霊のよう



精霊たちが 祈り願い

生まれ落ちた子



精霊の申し子――リリアンヌ



そうして彼女の名は

国中へと 轟いた



第三章・完

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