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はじまりのうた
破壊王ロデオの愛娘
リリアンヌ
その身に 精霊の加護を授かった
国中が 大騒ぎ
遥か昔
精霊は 光をまとい現れた
人に加護を授け
特別なちからを与えた
けれどそれは
遠い遠い 昔の話
とうの昔に 姿を消し
とうの昔に 見えなくなった
そう 言われていたのに
加護を授かったとは どういうことだ
困惑する民へ
王は さらに声を張り上げた
国一番の騎士とともに
巨人の化け物を 一太刀で斬り伏せた
国一番の白の使い手とともに
傷ついた者たちを 救ってみせた
犠牲者は――なし
さぁ 大変だ
彼女は 一体 何者だ
破壊王が愛してやまぬ 美しき姫
深い屋敷に閉じ込められ
その姿を見た者は ほとんどいない
さぁ 大変だ
彼女がとうとう 姿を現す
祝いの日の 晴れ舞台
わずか八歳の姫君が
民の前へと 現れた
誰もが 息を呑む
母譲りの 艶やかな黒髪
父譲りの 紅い瞳は
紅玉のように 輝いて
肩には 光り輝く精霊が
まるでそれが
当たり前であるかのように
そこにいた
――この国に 再び加護を持つ者が現れた
――誇れ 喜べ!
民は 歓喜した
あれが 精霊
あの方が リリアンヌ
なんて儚げで 美しい
まるで 彼女自身が精霊のよう
精霊たちが 祈り願い
生まれ落ちた子
精霊の申し子――リリアンヌ
そうして彼女の名は
国中へと 轟いた
第三章・完




