表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
47/85

「ベスボマ、ベスボマ、ベースボールピープル・・・・・・」

 プロ野球のドラフト会議で、最初の球団が一位指名の選手を開示した。


 直後に突然、その球団の円卓えんたくにいる全員が手をつないで、こうとなえ始めたのだ。


「ベスボマ、ベスボマ、ベースボールピープル・・・・・・」


 彼らの顔は真剣そのもので、ふざけている感じには見えない。


 会場内がざわつく。あの球団は何をやっているのか。


 異様いよう雰囲気ふんいきの中、司会者が「声を出さないように」と、その球団を注意した。


 それで彼らは無言になったものの、相変わらず真剣な顔で、となり同士と手をつないでいる。


 会場にいた他の者たちは考える。ひょっとして、幸運をまねき寄せるための「おまじない」か何かだろうか。


 その上で彼らの様子ようすを観察すると、人間の目には見えない力、おそらくは幸運を、一つに結集しようとしている。そんな印象を受けなくもない。


 しかし、馬鹿馬鹿ばかばかしい。あんなことをしただけで、一位指名の当たりクジを引けるのなら、だれも苦労はしないって。


 ところが、三球団競合のすえに当たりクジを手にしたのは、その球団だった。


 会場内が再びざわつく。さっきのやつ、本当に効果があるのか?


 それから一年後。


 今年もドラフト会議が始まった。


 一位指名の選手を開示するなり、次々と各球団の円卓では、隣同士と手をつないで、例の言葉を唱え始める。


「ベスボマ、ベスボマ、ベースボールピープル・・・・・・」

「ベスボマ、ベスボマ、ベースボールピープル・・・・・・」

「ベスボマ、ベスボマ、ベースボールピープル・・・・・・」


 その会場にはたまたま、日本野球を取材する目的で、大勢の外国人記者たちがいた。


 この時目にした衝撃しょうげきを、彼らは母国に戻ったあとで記事にする。


 おかげで、この言葉は世界中に広まることになった。


 それから百年後。


「ベスボマ、ベスボマ、ベースボールピープル・・・・・・」


 世界のあちこちでは、さまざまな場面において、幸運の「おまじない」として、この言葉が使われている。


 だが、その由来を正しく知る者は、きわめて少ない。


「ベスボマ、ベスボマ、ベースボールピープル・・・・・・」


次回は「競馬場」のお話です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ